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NPSだけではお客様のロイヤルティはわからないよ、と教えられた本

カスタマーサクセスやファン作りを仕事とする私にとって、メモしたい部分がたくさんあった本。
『ヤッホーとファンたちとの全仕事』佐藤潤 著

もともと好きなビールは?と聞かれたら、「水曜日のネコ」。
会社のイベントのケータリングに飲み物として準備されていたら迷わず取るし、ローソンに行ったら買いだめ用に数本ついでに買っている。
そんなヤッホーブルーイングさんの本が出たというので大好きなヤッホーブルーイングさん、かつ仕事にも役立ちそう!と思い読んでみた。

本の目次紹介

目次
てんちょからごあいさつ
1章   なぜヤッホーブルーイングは、ファンをこれほど大切にしているのか
2章   ローソンと共同開発「僕ビール君ビール」に見るファンづくりの神髄
3章   醸造所見学は、愛されるための入り口   総出でファンの知りたいに応える
4章   ファンが自信を深める場所   公式レストランの本当の価値
5章   なぜ5000人が「超宴」に夢中になるのか   ヤッホー流イベント企画術
6章   「ヤッホーが大変そうなら私たちがやります」   自ら動き出すファンたち
7章   ファンとのエンゲージメント効果は「NPS+熱狂度」で検証する
8章   全員が「知的な変わり者」を目指す   フラットな組織文化が人を育む
9章   「よなよなエール」がファンに愛されるまで   長くて厳しい歴史と道のり
感謝の気持ちを込めて

目次の引用元は↓の記事から

印象的だったポイント:ファンとのエンゲージメント効果は「NPS+熱狂度」で検証

ふだんカスタマーサクセスやファン作りに関わる自分としてためになることがたくさんあり、たくさんメモをとった。ヤッホーブルーイングのファンとして面白かった部分も、仕事に役立つかもという視点で面白かった部分もあるのだけれど、今回はカスタマーサクセス職の自分としてなるほど!と特に思った7章の話をメモ。(私の言葉で適宜要約、太字をつけてます)

ファンとのエンゲージメント効果は「NPS+熱狂度」で検証する
【イベント効果の測定方法】
イベント満足度+ブランドロイヤルティーで測る。
・「イベント満足度」=「非常に満足」「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」「非常に不満」7段階
「非常に満足」と「満足」の合算ではなく、「非常に満足」の回答の割合を重視する
 この数字こそイベントの実態が表れている
 非常に満足の割合=ファンのみなさんの期待値を超えたサービスや体験を提供できた結果
・ブランドロイヤルティー=熱狂度+NPS
・「熱狂度」=ヤッホー製品のことをどれだけ愛していただいているかを聞くもの
 →自分がどれだけ好きかが軸
・「推奨意向度(NPS)」=ヤッホー製品のことを
親しい友人や家族にどれだけお薦めしたいのかを尋ねるもの
 →自分がどれだけ他の人にお薦めしたいと思っているのかというのが質問の軸


熱狂度とNPSを掛け合わせてみると、
右上のマス(熱狂度が高く、NPSも高い)と左上のマス(熱狂度が高く、NPSは低い)の方はそれぞれタイプが異なるファンの方々
右上がよなよなエールを愛してくださっている外交的なファンの方であり、一方左上はよなよなエールを愛してくださっている内向的なファンの方

どちらも同じように大切なファンの方々であることには変わりない

熱狂度やNPSの質問は↓のこの辺りにも細かく書かれている。


NPSという指標は「企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるか」という顧客ロイヤルティを測る指標として、実際に私たちの会社でもアンケートで聞いている。でも、それだけではお客様のことを分かりきれないし、熱狂度と組み合わせてみることで「外交的なファン」と「内向的なファン」がわかり、どちらも大事というのは自分では気づかなかった視点。確かに、自分の経験に例えても、人によく紹介するものと、好みは人によるから自分の楽しみとしてお薦めはしないかも、というものがある。

ファンはこの本を読んだらもっとヤッホーブルーイングが好きになる

最後に、いちファンの目線で特にこの本ですごいなーと思った点を一つ。企業が施策の裏側を公開するって、こんな下心があったのか・・と時にはユーザーやファンをがっかりさせることもあると思う。でも、この本からは残念な気持ちは全くなく、そうだよね、いいよね!とむしろますます応援したくなるな、と思いながら読めた。ふだん、カスタマーサクセスの仕事をしていて、自社の考えを外部に向けて共有する時に、この内容をユーザーさんが見たら残念な気持ちになることもあるのではないかという不安を抱くこともあり、本を読んでより好きになれる、というのはすごいことだな、と。どれも想いのこもった活動だからこそ、むしろ知れて嬉しい!となるのかも。

カスタマーサクセスやファン作りに興味がある方におすすめ!な一冊。

ちなみに、「ファン作り」というキーワードだと『ファンベース』という本も有名。ヤッホーブルーイングさんの本はファンベースの具体的な事例集としてもためになる本でした。合わせて読むのがまた良し。


#読書 #読書感想文 #ヤッホーブルーイング #カスタマーサクセス

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