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桜についてのX。

先日、私が感じる桜のイメージの事について書きましたがもう1つ。

「同僚たちと花見の席で大騒ぎをしている最中にふと、自分が前世でこの樹のしたへ誰かを殺して埋めたことを想い出した。」

           飯田茂美著 一文物語集より

って文章を読んだ時に、一瞬脳裏にその情景が浮かんでゾワりとした。


みんなでわいわい騒いでいたのに、急に自分だけが遠くに行ってしまったような感覚。
音が聞こえなくなって、ここではない何処かへ。
この下には自分が殺した人間が埋まっている。

誰を殺したのか、どうして殺したのかもわからない。
ただ、自分が殺した人間が埋まっているという記憶。
一体、自分は誰なの?



やっぱり桜といえばわたしには、美しく残酷で妖しい。そんなイメージなのである。

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