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あの頃、僕らは必死に独りだった No.11

                           著:小松 郁

11.

 それは突然のことだった。

 クラスの中の不良、真田が唐突にクラスの連中に殴りかかったのだ。

 「おい、てめえ、俺の悪口言ってんじゃねえよ!」

 「なんだよ。悪口なんて言ってないよ!」

 「うるせえんだよ!ちゃんと聞こえてんだよ!」

 真田は松本の首根っこを捕まえて今にも殴りかからんとしている。


 「真田、お前そんなことすると面倒臭え事になるだけだぞ!」

 僕はちょっと牽制の言葉を入れる。
真田は松本の首根っこを捕まえたまま顔だけこっちに向けた。

 「あぁ、立花ぁ!てめえいつもでかい面してんじゃねえぞ!」

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