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L.A.WORKSHOP「Norwegian Wood Ⅱ」(1989)

最高に素敵なミュージシャンの素敵なビートルズソング集

本作は15年近く前に中古屋を漁っていましたら、100円で放置されていたCD。これがまた当たり!でした。
本作は題名から分かる通り、1987年に出版された村上春樹氏著「ノルウェイの森」の大ヒットに便乗したもの。ご丁寧に同氏の作品の上下巻カバーと全く同じ色(緑と赤)が本作ⅠⅡにも使われております。

本作が発表された当時、これをテープにダビングし、何回も聴いたものです。1989年の夏、友人と2人で車で北海道へ1週間ドライブへ行った際に持参したのがコレ。コレしかもって行かなかったので、1週間フュージョン・ビートルズ漬けでした(笑)。

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安直な企画と思いきや、実は本作、LA Workshop with New Yorkerとある通り、物凄い面子が演奏してます。
ギターにはSteve LukatherEric GaleLee Ritenour、ベースにはRon CarterAbraham Laboriel、キーボードにはRichard TeeJoe Sample、サックスにはErnie Watts、ドラムスにはJeff Porcaro!!
どうですか。これだけでも聴きたくなりませんか?しかもビートルズのカバーですし。

収録曲は以下の通り。
1Julia  
2.Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band
3.Eleanor Rigby   
4.Anna(Go To Him)   
5.Something
6.Norwegian Wood(This Bird Has Flown)  
7.This Boy
8.Roll Over Beethoven  
9.If I Fell
10.The Long And Winding Road  

私のお気に入りはメロウな④や⑦。これが実にいいのです。
④「Anna(Go To Him)」は初期ビートルズのなかでは地味な曲ですが、ここではリー・リトナーが、あのガットギターっぽい爽やかな音色でメロディを奏でます。ベースはもちろんエイブ。心地よいシンセ音をバックにメロウなフュージョンっぽく仕上げてます。これはいいですよ~。

⑦「This Boy」も初期ビートルズのなかでは地味な印象ですね。こちらはギターはエリック・ゲイル。そしてメロウなキーボードはリチャード・ティー。あの浮遊感のあるティーのキーボードがここでも聴けますよ。

④⑦とは違い、ファンキーな仕上がりが②「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」。リードはサックスのアーニー・ワッツ。サックスがリードを取る楽曲は安売りスーパーのBGMに使われているイメージがあって、どうも好きになれません^^。
でもこの曲はジョー・サンプルのファンキーなキーボードなど、結構いいですね。

スティーヴ・ルカサーのプレイにも触れておきましょう。彼が弾いているのは①③⑤⑨。ナイーブな⑨「If I Fell」なんかルカサーには似合わないメロウなナンバーですが、彼らしい音ながら、エモーショナルなプレイを聴かせてくれてます。

本作はⅠⅡとも違うジャケットで再発されているようですね。
発表当時は少しは話題になったと記憶してますが、今は本作の存在は殆ど知られていないような気がします。内容が素晴らしいだけに残念ですね~。
  
当時は日本もバブル絶頂期、金持ち日本だったので、こんな企画も通ったんでしょうね~。貴重な貴重な1枚!!

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