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音楽の杜がおススメする邦楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする邦楽アルバム集
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#シティポップ

大貫妙子「Grey Skies」(1976)

シティポップが世界的に注目されている中、大貫妙子の作品ではセカンドの「SUNSHOWER」、サードの「MIGNONNE」が名盤として語られることが多いのですが、今回ご紹介する彼女のデビューアルバムは、その陰に隠れちゃっているイメージが私にはありました。実際それほど聴き込んでもいませんでしたし。 でもこのアルバムも素晴らしい内容であることを最近改めて認識した次第です。内容的にはシュガーベイブの延長線上にありながらも、当時の大貫妙子が持つ世界観を、アレンジャーの山下達郎、細野晴臣

矢野顕子「Japanese Girl」(1976)

天才、矢野顕子のデビューアルバム。荒井由実、大貫妙子、吉田美奈子、矢野顕子、尾崎亜美…、70年代にデビューした女性SSW系アーチストは天才肌が多かったように思います。そんな中でも矢野顕子はワールドワイドな活動とは裏腹に、自らの音楽に日本を感じさせる要素もしっかり織り交ぜている稀有なアーチストですね。 そもそも彼女のデビューアルバムのタイトルが「Japanese Girl」。このアルバム、A面はリトル・フィートの面々が参加しており、当時若干21歳の矢野顕子が、海外の凄腕ミュー

髙橋ユキヒロ「Saravah Saravah!」(1978)

実はこのアルバム、いつかご紹介しようと思っていて、私の中でなぜかお蔵入りになっていた名盤。 髙橋幸宏さん、素晴らしいドラマーでした。YMOはリアルタイムに聴いてましたが、幸宏さんのドラムについてはそれほど印象に残ってませんでした。それがサディスティックスでのドラミングを聴いてビックリ。それから後追いでYMOを聴き直して、幸宏さんのシャープなドラミングに改めて感動しておりました。 幸宏さんはガロのサポートメンバーとして活動後、サディスティック・ミカ・バンドに加入。1976年

ブレッド&バター「Late Late Summer」(1979)

こちらでは洋楽中心に勝手気ままに好きな音楽を綴っておりますが、実は邦楽も大好きです。特に70年代~80年代の日本のロック・歌謡曲・ニューミュージックはかなり好みなんですよね。ですからこの辺りの情報には飢えております(笑)。 先日、ご紹介を受けた「昭和40年男 12月号」という雑誌の「俺たちニューミュージック世代」という特集記事にも同様の匂いを感じ、早速購入、熟読しております。 あの当時のスターだったアリス、渡辺真知子、尾崎亜美のインタビューはもちろん、裏方のキーマンだった方

泰葉「TRANSIT」(1981)

6月29日に泰葉の4枚のアルバムがリイシューされました。正直、泰葉といえば「フライディ・チャイナタウン」しか知らず、かつあの破天荒な強烈なイメージしか浮かばず、ついついスルーしてしまうところでしたが、たまたまサブスクでもチェック出来たので、デビューアルバム1曲目を何気なく聴いてみたら…、これが完全なシティポップ。しかも明らかに私の大好きな井上艦サウンドで実に素晴らしい…。 各曲のクレジットは不明ですが、全曲作詞:荒木とよひさ、作曲:海老名泰葉、アレンジは井上艦・若草恵・矢野

濱田金吾「midnight cruisin'」(1982)

レココレ9月号は「シティ・ポップの再定義」と題した特集でしたが、相変わらず賛否両論ありますね~。ここには127枚の再定義されたシティポップのアルバムが紹介されてますが、さすがに近藤真彦、少女隊、44マグナムまでセレクトされているのはどうかなあ~と。かなり確信犯的な感じもしますが…。 でも往年の定番アルバムもピックアップされてまして、その中の一枚…、今回初めて聴いてかなりハマってしまったアルバム、浜田金吾の「midnight cruisin'」をご紹介致します。 同時期に同じ

佐藤博「アウェイクニング」(1982)

以前のレココレ特集(シティポップ1980~1989年)でも取り上げていた佐藤博の「アウェイクニング」。殆ど知らなかった作品ですが、その記事を見て「いいなあ」と思っていた矢先、当時ヤフオクでまずまずの価格で出品されているのを見て、すぐに落札。当時本作ばかり聴いていた時期がございます。 まず驚かされるのは、本作が42年前に発表された作品であること、そしてそんな前に発表されているにも関わらず、今聴いても古臭さを感じさせないこと、この良質な作品を、殆ど一人録音で収録されていること。

EPO「う・わ・さ・に・な・り・た・い」(1982)

都立松原高校伝説・・・1982年、EPOのサードアルバム「う・わ・さ・に・な・り・た・い」が発表された年、都立松原高校の体育館がリニューアルされました。その杮落しのステージに登場したのが高校のOBの清水信之と彼の1つ後輩にあたるEPO。翌年にはこの二人の最高傑作(作詞作曲:EPO、編曲:清水信之)、J-POPのエバーグリーンな名作「う、ふ、ふ、ふ、」が発表されましたね。 ちなみに松原高校の体育館ステージを見ていた高校1年生に渡辺美里がおりました。更に余談ですが、同じ松原高校に

村田和人「My Crew」(1984)

気付けばもう9月も終わりですね。去り行く夏に…、急に村田さんの「Summer Vacation」を聴きたくなり、この1枚を聴いておりました。 村田和人さんが亡くなられて、もう6年以上が経っているんですね。夏になるとよく聴いてました。私の大好きなアーチストの一人です。 本作は自身初プロデュース作品のサード・アルバムで、気心しれたバンドメンバーがレコーディングに参加してます。そしてもちろん山下達郎さんのみならず、竹内まりやさんも参加。 オープニングはちょっとハードなロックナン

稲垣潤一「No Strings」(1985)

シティ・ポップスが堪能できる名盤  大学生時代、もっとも良く聴いたアーチストはJ.I.こと稲垣潤一かもしれません。彼からは音楽の魔法をいろいろと教えられました。大学生生活のあらゆるシーンに、彼の音楽が染み込んでいます。 リアルタイムに聴いていたのは7枚目の「Mind Note」や8枚目の「Edge of Time」ですね。それより前のアルバムは後聴きですが、本当にJ.I.はよく聴いてました。 大ヒット曲「ドラマティック・レイン」の頃の初期J.I.は、多彩なシティ・ポップスの

キリンジ「47'45”」(1999)

別に綴っているブログをスタートさせた頃、よくキリンジを聴いてました。キリンジとは堀込兄弟からなる音楽ユニットで、AORとはちょっと違いますが、スティーリーダン等の洋楽から影響を受けたと思われるその独特のサウンドは、洋楽フリークの私も大満足のユニットでした。 ただ冨田ラボのプロデュースによる2003年発表の「For Beautiful Human Life」辺りまではフォローしていたのですが、それ以降、すっかりご無沙汰してました。それが先日、某雑誌を読んでいたところ、キリンジの