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もう一人のおかあさん

こんにちは、ゆのまると申します。

激しい雨音で目覚めた今朝。

気圧のせいだけでなく、「実家に電話をしなくちゃいけない」ということを思い出して、朝から鬱々としていました。

用件は、姪の入学祝いのこと。それ自体は大したことがないのですが、みみっちい愚痴を言わせてもらうと、子供がいない場合ってお祝いの類もあげっぱなしになるので、ほんの少し不公平な気がしてしまいます。兄嫁さんがまたお返しとか一切ないタイプの人だからなぁ……ぶつぶつ。

ちょっとした用件でも何故かすんなり伝わらなくて、実家とコンタクトを取る際は一日二日がかりとなり、長い間気分が落ち込んでしまいます。何時に終わるかもわからない母の仕事の都合次第なので、今も胃がキリキリしたままです。


断続的に降り続く雨の音を聞くともなしに聞いていると、お義母さんからLINEが届きました。お義母さんと夫、そして私が参加するグループへの投稿でした。

子供たちを信頼しての放任主義なお義母さんです。なんだろうと思って見てみると、「まだまだ元気に咲いています」と二週間前に送った母の日のお花の写真でした。

いいお花屋さんだったみたいでよかった

受け取った当日だけでなく、その後の様子もこうして伝えてくれる。それだけでじーんとしたのですが、続いてこんなメッセージが。

「もうすぐ○○ちゃん(私)の誕生日だし、お仕事もがんばっているので何か美味しい物でも送ろうと思います。何がいいですか?」

それを見た途端、朝からモヤモヤしていた気分が、誇張抜きにスーッと晴れるのを感じたんです。もともと知っていたけれど、なんて優しくて、そしてなんて気のいいおかあさんなんだろう、と。

物を送る云々ではなくて、こんなにも私を大切にしてくれる、その心遣いにもう何度目かわからない感動を覚えたのでした。


「親ガチャ」という言葉が、ずいぶん広く知られるようになりました。

以前からネットで「1回2000万の子ガチャなんてとても回せない」と自嘲気味に語られていましたが、「親ガチャ」についてはテレビなどのメディアでも取り上げられて大きな話題になりました。

親や育った環境が子供の成育に大きな影響を与えることは言うまでもありませんし、裕福な家庭とそうでない家庭に取り違えられた双子の話……なんて話、昔から創作でも実話でもごまんとあります。どこかで見かけたこの風刺画には、正直納得してしまうほどでした。

子は親を選ぶことができず、本来であればどんな時でも見守ってくれるはずの「家族」という存在が、断ち切ることのできない重い鎖となることもあります。家族にはその家族なりの事情があり、そこにあてはめることができる一般論なんてないと私は思っています。

でも、30歳を前にして未だに家族と折り合いがつかない私は、こうも思うのです。生まれの家族は選べないけれど、そこを出てからどんな人と出会うかはその人のチカラ次第だ、と。


幼少期最も多くの時間を共に過ごす家族は、確かに性格や容姿といった多くの点で影響を与えます。

でも、次第に家庭を離れて学校やクラブ活動といった形で社会と交わるうちに、少しずつ「その人らしさ」が形成されていきますよね。他にも、読んだ本や見たテレビ番組、自然や動物とのふれあいなど、見聞きしたもの全てそしてそれをどう感じたかで、だんだんと一人の人間が作られていきます。そしてその先でたくさんの人たちと出会い、いつしか「××さんちの□□ちゃん」でしかなかった小さな子は、親の知らない面の方が多くなっていくのです。

私は、実の家族はみんな苦手ですし程よい距離感でいたいと思っています(向こうはそうじゃないみたいですが……)。でも、義理の家族となると、ご両親もきょうだいもおじいちゃんもおばあちゃんも、本当に皆さん温かくて大好きな人たちばかり。私にできることなら、なんだってしたいと思っています。

それだけでなく、幼少期からの友達や職場の先輩達、整体のおねえさんやもちろんnoteの皆さまも。その場その場でいろいろな名前で呼ばれるたびに、本当に周りの人に恵まれていると感じます。

そしてほんの少しの思い上がりが許されるなら、愛嬌あるワンコのように可愛がってもらえるのは、私の数少ない能力でもあると思うのです。

甘え上手な末っ子体質なこと、小さい頃から触れてきた本やゲーム、楽しかったりワクワクすること、苦手なこと。家族だけではない、ここまで進んできた一歩一歩が、今私を包んでいる温かな居場所を作ってくれたのだと信じています。


私の場合は幸運なレアケースで、中には実害が出るような家庭に生まれてしまった人もたくさんおられるのでしょう。そしてそのせいで、性格や考え方が「一般的な考え」と合致しないことも、決して珍しくはないと思います。

どんな環境であれ人に好かれるよう努力しなさい、などと酷なことを言う気はありません。でも中には、家族とうまくいかなくても、他に居場所を見つけたヤツだっているんだよ、とそんなことを伝えたかったのです。

「人間関係で生まれたマイナスは、他の場所でプラスになって帳尻が合うようになっている」

いい感じっぽいことを書き捨てて、今回はこのへんで終わろうと思います。さーてそろそろ実家に電話してみるか……。

ではまた。

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