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「編集手帳」を参考に

こんばんは、ゆのまると申します。

すっかり日が伸びて、この時間でもまだ外が明るいです。

お夕飯の支度にとりかかる前の、ちょっとした空き時間も長くなったようでなんだか嬉しい。働いていた頃は、17時半の定時であがるとまだ外が明るくて、大いなる全能感に包まれたものでした。


さて。こうしてnoteで文章を書くようになって1年半ほどが経ちますが、いわゆる「文章の書き方」的な本は読んだことがありません。

ハウツー本自体にはそれなりに関心があって、聴く力だったりトークセンスを磨くような本は結構読み漁りましたが、「書く」となるとそうではなく。

影響を受けやすい私のことなので、それらの本で紹介されているテクニックや心構えに染まってしまうのが怖かったんだと思います。その代わりに、国語の授業で習ったことと読んできたテキストとで文章を作り上げてきました。


そんな私が参考にしている数少ないもの、それが読売新聞に掲載されている「編集手帳」です。朝刊1面の左下、広告に挟まれて掲載されているこのコラムを読むのが、私の密かな楽しみだったりします。

その昔、私が小学生だった時の国語の先生から、「国語の授業があった日だけでいいから、ノートに新聞のコラム欄を切って貼り付けておきなさい」という宿題を出されたことがありました。そのためにノートの下方部に枠を作り、帰宅すると家族に許可を取って地方紙のコラム欄をチョキチョキ切り抜いていました。

もちろんスクラップするだけでなく、中身も読まなければいけません。時には、政治家や国際情勢の話題が取り上げられていてちんぷんかんぷんなものもありましたが、大体は小学校高学年で十分に理解できるもので、なんだか大人になった気がしたものでした。

今となってはニュース自体はネットでチェックすることが多く、新聞そのものを開くことはあまりありません(すみません……代わりに夫が読んでいます)。しかし、編集手帳は折り畳まれていても読める位置にあるのもあって、何気なく目にするうちに、読むのが習慣となっていました。

今日の朝刊に掲載されていた編集手帳、これが思わず「うまい」と声に出てしまうほどの内容でして。ご紹介がてら、以前から書こうと思っていたこの「文章を書く上での参考作品」についての記事を書こうと決めた次第です。


2022年5月11日付け読売新聞朝刊より

編集手帳の何がすごいかって、起承転結の上手さだと思っています。

大体の構成として、筆者が体験した身近な出来事から始まり、それと共通項のあるさらに視野を広げた世界の話へ。結びの部分は教訓めいたものの時もあるし、ふっと力が抜ける笑い話の時も。今朝の、「地球に大変よいことらしい」というなんともゆるい締めは、私のツボにドストライクでした。

広くアンテナを張り、ジャンルを問わずに点と点を結び付け、それを限られた文字数にまとめ上げる(約460文字だそう……!)。これを毎日書き上げる記者の筆力にはいつも驚かされています。


ポストから新聞を回収し、エレベーターで3階の自宅に上がるまでのわずかな時間で読めて、しかも毎日ちょっと賢くなれる。この鮮やかな起承転結で書かれた文章を毎日読むうちに、それは少しずつ私の養分となっていたようです。

好き勝手に書き散らかしている私ですが、こうして毎日編集手帳を読むうちに、文章を書く時には「起承転結」と「オチ」を意識するようになりました。

小さな体験談や友人との会話をきっかけに、そこから考えたことや自分がありたい姿につなげる。時には自虐することでオチをつける。それが私のいつもの書き方です。

もちろん時には、ヤマもオチもないただの日記や怪文書になることもあります。というか、その方が多い。しかし、何かテーマがある時には、なるべくこの2つを大きなピースとして構成を考えていたりします。……つ、伝わってるかなぁ。

毎日麻の苗木を飛び越える忍者のごとく、日々良質な文章を摂取することで自分の中にも少しずつ引き出しが増えていくのを感じています。それは文章でも筋トレでもゲームでも同じ。やり続けることで、地道に経験値を貯めていくしかないのですよね。


ということで今回は、私が密かに参考にしていた学習教材のお話でした。

調べてみたところ、なんと編集手帳を声優さんが朗読した動画もあるようで。

更新が止まってしまっているのは残念ですが、豪華な声優陣や俳優さんによる朗読はなかなか聞きごたえがあります。

最近は新聞を購読する人も減り、こうしたコラム欄を読む機会もすっかり減ってしまいました。

新聞社によってはこれらのコラムを書籍化しているものもあるようですが、やはり新鮮な時事ネタをふんだんに扱った内容は、リアルタイムで読んでこそ。ぜひ何かの機会に、ベテラン記者による「名文」を読んでみてほしいなと思います。おしまい。



(この文章にオチがない、と言ってはいけない)


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