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再開発により姿を消したランチ ローテーションの主力たち(八重洲・日本橋)

 東京駅周辺の、大手町から丸の内は再開発が進み、背丈が揃えられたビル群は、煌びやかな街並みを形成し、ビジネスの中心に相応しい清潔感溢れる華やかな景観を形成している。一方、東京駅を隔てた、日本橋から八重洲エリアは、今でも狭い裏路地が随所に残っているが、八重洲1丁目東地区再開発により、コロナ禍の昨年夏、多くの老舗名店が姿を消した。そこで今回、このエリア内で、1,000円以内というコスパで、美味しく、ランチタイムが楽しく過ごせた惜しまれる名店を紹介します。あくまでも ”ランチ箇所” なので、夜のみ営業のお店は除きます。

<グリル・シャトー> 半地下で天井は低いが、年代物の西洋人形などレトロな装飾品で優雅な雰囲気。日替わりの他、ハンバーグやカニクリームコロッケが定番。サラダと濃厚なポタージュ、コーヒーも付く! 新橋に移転。

シャトーコロッケ

<すみだ川> 開店直後に売り切れとなる『すみだ川定食』は、茶碗蒸し、刺身、焼き魚、煮物小鉢、サラダ、漬物、炊込ごはん、味噌汁と、種類が豊富だが、いずれも旬な素材で丁寧な創作。他の魚料理の数々も秀逸だった。

すみだ

<チャンコちゃんちゃんこ> メニューは1種なので、オーダーは取りに来ない。具だくさんの餅入りちゃんこのみならず、煮物・刺身・揚物の小鉢と多種多彩。グラスビール付きで1,000円だが、言わないと出してくれない。

ちゃんこ

<秀宴> 香港料理。今時珍しく昼時もタバコが吸えた店(なのであまり行かなかったが)。ランチは全て800円。日替Aは、おかず2品のほか、スープ、漬物、デザートと品数も多くボリューム満点。若者向きだったかな。

しゅうえん

<串粋> ひき肉そぼろ、炭火で炙ったもも肉、そぼろ卵とうずらの卵が敷き詰められた『定番鶏重』は見た目よりボリュームあり。『鶏の揚げタレ丼』も好きだった。旨味たっぷりの鶏だしスープがまた絶妙に引き立てる。

定番鶏重

<串武> 夜は昭和の赤ちょうちん。『串武弁当』、『からあげ定食」は650円。他昼は『アジフライ』など揚げ物ばかり5種類。混んでると常連は地下を使うが、店内は狭いので店の外に一度出てから階段を下りる。

くしたけ2

<中華博雅> 『水餃子』900円が名物。まるで肉野菜タンメンでボリュームも凄い。出張で東京に来たらしき人がサイドオーダーで注文し、「食べきれない」とクレームしていたことも。2019年、路線バスの旅で使ってた。

水餃子

<昌月宛> 『焼肉定食』900円。12時前入店で100円引、さらに100円引の月曜は、2階の入り口から螺旋階段で下まで行列。肉自体も柔らかい。13時過ぎは、わかめスープが豚汁にアップグレード。副菜も豊富で満足度極高。

<泰興楼> ジャンボな『焼餃子』が名物の老舗有名店。もっちりとした皮も美味しい。写真の『辣拉麺』は、青唐辛子が効いていて辛いというよりは痛くて危険。日本橋さくら通りに移転。

たいこうろう

<唐人飯店> 13時には店を閉めていたためか、行列が絶えなかった。山椒を利かせた『Aランチ麻婆豆腐』が人気。辛さを選べた。個人的には写真の濃厚なゴマスープの『坦坦麺(翡翠麺)』の方が好きだった。

とうじん


 
 今回取り上げたお店に共通しているのは、家族経営的なお店が多く、給仕する店員は家族か知り合いかという感じで、東京のど真ん中に居ながら、どこかローカル的な雰囲気を感じさせる点。閉店前、移転先を訪ねると、これから新しい土地でやっていくのも不安だと言われたおやじさんもいました。

 私の勤務先の部署は数年前まで本社のある天王洲にありましたが、お昼時は難民化することも多く、ランチが楽しみという概念がありませんでした。多くのお店が姿を消したとはいえ、まだまだ八重洲・日本橋界隈には老舗名店がたくさんあります。しかも皆レベルが高くて美味しい。まだまだランチが楽しみな時間です。ただそれもこのコロナの影響で苦境に立たされていて、昼は営業していなかった居酒屋、小料理屋も、試験的にランチタイムの営業を始めたりと、皆さん苦労されています。なんとか乗り切ってほしいものです。

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