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ウォンカバーを食べたくなる季節

 もうすぐバレンタインデーだ。

 わたしは母のために、ジャックダニエルを予約した。バレンタインデーに届くらしい。別にバレンタインだからどうだというわけではないが、プレゼントをするには最適な日だからこの日にしてみた。ホワイトデーなんて柄じゃないし……(笑)

 みなさんは、どのチョコレートが好きだろう?

 板チョコ、エッグチョコ、ウイスキーボンボン、マーブルチョコ、キットカット、ブラックサンダー、スプレー、チョコレートファウンテン……

 わたしは板チョコがいちばん好き。なんかね、“贅沢”って感じがするんだ。明治のブラックチョコレート。一個買ってきて、丸ごと食べる時になんだかいけないことをやっているような気がして。それで、普通の板チョコでも幸せな気持ちになるけれど、ウォンカバーみたいにクランチが練りこんであると、もっと幸せな気持ちにならないかしら? ……えっ、ならないの!?

 チョコレートってカロリーが高いから、あまりお腹いっぱい食べ過ぎると大変なことになっちゃう。ダメだよ、ダイエットコークとか飲んじゃったら。あれ、砂糖が入ってないけど、人工甘味料たっぷりで身体には良くないみたい。

 でもさ、ウォンカバーって終売してしまったんだよね。

 あの罪悪感たっぷりのこてこて感が好きだったのに。口の中に甘〜い感じが広がって、食べる頃には「お腹いっぱい、もうダメ〜!」ってなるのが最高だった。冷静に考えてみるとバランスはひどいんだけど、映画「チャーリーとチョコレート工場」のウォンカバーが実際に手に取れるというのがまず嬉しかったな。

 チョコレートってさ、どうしてあんなに人を幸せにできるんだろうね。よく『バレンタインデーはお菓子会社の〜』なんて言う人いるけど、そんなの気にしなくていい。とにかく、チョコが好きなのさ!!

 ……何言ってんだろ。いつかウォンカバーをもう一度食べられたらいいな〜と思う夜。ワインでも全然酔わなくなったわたしでした。

 エッセイ「古今東西・偏愛AtoZ」第W回
 坂岡 優

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