言葉にならない声を形にする | GO AHEAD -僕の描く夢- 第87回

7月のわたしは、何かに取り憑かれていた。
それに気付いたのは、昨日の夜のことだった。
ずーっと信じてきたわけでもないし、気付いていなかったわけでもない。だが、そこから一歩を踏み出そうとする勇気がなかった。

人は失ってから、大切なものに気づく。

ヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」のように。美しく、狂的に。感情のすべてが支配されていくかのごとく、わたしは悲しみのどん底に落とされた。

そこから、悲しみから怒りへと感情が変化していく。わたしは覚悟を決めたんだ。頼るくらいなら、縋るくらいなら、自分でやっていけるだけの力を身につけてやるって。それを諦めないために、退路を絶ったんだって。

謙虚さも重要だが、もっとも必要なのは野心だ。いちばんになりたい心だ。どんなに僅差でも、二番目の人物が語り継がれることはない。

語り継がれようと思うなら、血反吐を吐きながらでも一番になるしかないんだ。

それが、これまでのわたしだった。

正直なところ、今のわたしは「これからどーすりゃいいんだ!?」って頭を抱えている。

去年くらいから、自分をどう発信すればいいのかわからなくなってしまった。経験したことのない出来事も、忙しさも、精神的に限界という状態が続いたまま、ここまで来てしまった。

そんな中、LGBTQの中の「トランスジェンダー」であることを公表した。

ここからの話は、あえて省略することにする。結局、傲慢で、散漫で、能天気だったのだ。

被写体募集の投稿も、一旦削除することを決めた。

あまりにも見えていなかったから。もっとちゃんと作り込むことにする。

自分がダメだから、不十分だから、こんな状況を招いてしまったんだろうなって、ものすごく責任を感じているのが現状。本当に申し訳ないし、またゼロから頑張っていくしかないと思う。

わたしにとっては劇薬でも、それは飲んでよかったと思えるように、これから少しずつ歩いていこう。

涙も、怒りも、もう隠さない。

2019.08.02
Yuu

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