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メリーアンが音頭になるということ

 かつて、大滝詠一さんはピンク・レディーの「渚のシンドバッド」やレイ・チャールズの「What'd I Say」を音頭にしたけれども、今年の夏はTHE ALFEEが自らの名曲「メリーアン」を音頭にしてしまった。

 最近、THE ALFEEは昨年の公式Instagram開設を皮切りに、ようやく重い腰を上げてSNSに力を入れ始めた。今年の春に公式TikTokに手を出したのもそれで、アクステやTikTokクリエイターの起用など、今までになかった展開を続けていて、長年のファンや「メリーアン」以降の若いファンを驚かせ続けている。正直「どうしたものか……」と思わなくもないが、これまでにはBEAT BOYSやカンレキーズもあったし、もう50年も続けているんだもの、今更これくらいのことで何かが揺らぐわけもなく、むしろおじいちゃんたちの新しい挑戦を暖かく見守ろうという空気感がある。(とてもそうは見えないが、三人とも来年1月には70歳になるのだ)

 去年の今頃のわたしは大滝さんの『Let's ONDO Again』にハマっていて、なんでもかんでも作品を音頭にしたがっていた。たしかに、音頭の中毒性はとてつもないものがあって、一度ハマってしまうと生活の隅々にまで音頭が流れることになる。踊れる、歌えるって、それだけでも素晴らしいこと。話は逸れるけれども、選挙活動で候補者の名前のわかりやすさを活用して音とリズムに合わせて連呼させる手法が取られることがあるが、わかりやすさに繋がる手法は惜しみなく使った方がいいと思うんだ。

 そんなTHE ALFEEの「メリーアン音頭」だが、ついに音源が配信される運びになった。てっきりYouTubeに公式動画がアップされるのかなあ……と思い込んでいたのだが、まさかの音源配信が先にやってきた。

 振付動画を見た方ならわかっていただけると思うが、この音頭、実際に踊ろうとするとかなり難しい。そもそも「メリーアン」を音頭にすること自体が「旧車再生」並の魔改造なので、こうなるのも無理はない。ダンスが苦手なわたしはしょっちゅう動きがこんがらがるし、そもそもステージ上の三人はまったく覚えていないらしい。

 当のTikTokでバズるかどうかはわからないけれども、謎ののめり込みやすさがあるんだよね。クセになるというか、変に何度も観たくなる。

 もうすぐ坂崎さんと吉田拓郎さんのオールナイトニッポンGOLDが放送されるが、また拓郎さんに「お前らは何やってるんだ」と言われてしまいそうだ。グッズには相変わらずお菓子が鎮座しているし、桜井さんはいつものスタイルでカメラを見つめていて、10年前に言われていた時からは何ら変わっていない。変わるわけがない。

 あれもこれも、50年間も一緒にやってきた三人だから、ある程度のことは許せてしまう。他の人がやると許せないこともあるが、この三人ならいいや。

 七夕の夜は、選挙特番でも流しながら、「メリーアン音頭」で踊り明かそう。

 P.S)ひょっとして、この謎の音頭の全力展開、全部ねぶた祭から発想してる!?

 2024.7.7
 坂岡 優

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