見出し画像

「苦手だからやらない」を選択した時に

誰かと話すことが減った。接客業をしていた7年間は、毎日大勢のお客さんと話をしていたし、その後の事務職でも電話対応が多かった。


あの頃の私は"誰かと話しをするのが当たり前"の中にいた。

それが今では全然だ。コロナ禍や在宅ワークも重なり、人と話しをする機会がグンッと減った。もともと率先して話す方でもない。どちらかというと、一歩引いて聞く側にまわるタイプ。大勢で話すことも苦手。(話すという行為が嫌いなわけではない)話したら話したで「待たせたらいけない」や「何か気の利いたことを言わなきゃ」と焦りがでてしまう。

だから、文章でのやりとりが中心となっている今の生活は、私にとって居心地の良いものだった。相手が目の前にいないから、焦る必要もない。受けた言葉を咀嚼して、ゆっくりと確かめ、言葉を選ぶ。

気づけば今の状況に甘えて、文章でのコミュニケーションにどっぷりと浸かっていた。

おかしいなと感じたのは先日のzoom面談の時。投げかけられた質問に上手く答えられなかった。緊張していたことも原因かもしれない。けれど、以前よりも受け取って投げるまでの時間が長くなった気がした。

その時、やっと会話の重要性に気づいた。投げられた言葉を受け取り、相応しい言葉で投げ返す。書いて表す時みたいに、じっくりと時間をかけるわけにはいかない。ある程度のスピードと判断力が必要となってくる。

私たちは何気ない日常会話のなかで、その力を育てていたんだ。


思い返せば、接客業をしていた時もそうだ。最初は全然ダメだったけれど、少しずつ会話が続くようになり、お客さんの予想外の言葉にも対応できるようになった。最終的には「あなたに接客してほしいの」と言ってくれるお客さんまでできた。


苦手なことから逃げるのも間違いではない。場合によっては必要な時もある。でも、苦手だからやらないを選択した時に、代わりに何を失うのか考えた方がいいのかもしれない。それはあなたにとって必要なものなのか。失っても支障のないものなのか。


「困るな、必要だな」と思ったのであれば、少しだけ頑張ってみよう。少しずつでいいからやってみる。しんどくなったら休んだっていい。積み重ねていくことに意味があるから。

私も、自分のペースにあわせて表現できる「書く」という行為に甘えすぎた。接客業時代の感覚を取り戻すつもりで、話すことを増やしていきたい。


最後まで読んでいただきありがとうございました。