簡単なことでも相手の得になることや、お手伝いになるようなことを、見返りを求めずにやること
今回は働く上での「信頼」をテーマに書きたいと思います。
前職時代、尊敬する先輩2人が、キャリアについて同じことを、違う言葉でおっしゃっていました。
・幸せなキャリアは自分の応援者を増やすこと
・幸せなキャリアはクレジット(信用)を積み重ねること
お二人とも、良い仕事を続けていけば、周囲からの信頼が蓄積され、そのことで自然と道が拓けていくものだということをおっしゃっているんだなと思いました。
当時私は、これを「プロと言われるような仕事をすること。相手の期待を超える提案ができるよう業界や顧客に精通すること。」と解釈し、自分の仕事の質を上げることに力を注ぎました。
しかし最近になって、この言葉を少し違う捉え方で感じるようになりました。
それは営業の評価制度を運用していることがきっかけでした。
制度を運用していると、
「自分の働きはもっと評価されていいはずだ。」
であるとか、
「給料分の義務は果たしている。それ以上は働かない。」
など、働くことに対してある意味、割り切りや対立のスタンスの人がいることに気づきます。
評価制度は、単に、頑張りに応じて適切に報いるということも目的だと思うのですが、私としては評価を通じて、どんな人も、「これからもっとがんばろう」と評価前よりも力を発揮してくれることを主眼に置きたいなと思います。
そう考えた時に、上記のような人は、評価をすることでかえって、その人のモチベーションやパフォーマンスを下げてしまうのではと危惧していました。
どうしたら納得いく評価制度が運用できるのか、あるいは、もっとよい関係性で仕事と付き合うことができないものかと考えていたのですが、おそらく、このような場合に「あなたの評価は適切だよ」と、評価の公正さを頑張って納得してもらうのは難しいのだと思いました。
そうではなく、相手に給料以上の待遇をもらっていると感じてもらうことが必要になってくるのだと思います。
そう考えると、経営側としては働いてもらっている人の(会社に対する)期待を超えていくことが必要です。
ただし、給料などの待遇や条件を上げてもあまり根本的な解決になりません。
それ以外に、この会社で働くことを誇りに思うだとか、信頼できる最高のメンバーと一緒に働けるだとか、
どうやったらその人に「この会社にいる自分が好きだ」という
お金ではない価値が提供できる環境を創っていくかが大事なのかなと感じています。
同時に、働いている側も「給料分だけ働いていればいいんでしょ。」
というスタンスでは、会社からの信頼は永遠に得られないように思います。
「あいつは給料以上に会社に貢献してくれている」と思ってもらえて初めて信頼が積み上がり始め、会社からの恩恵も返ってくるように思います。
面白いもので、最初はなんの得にはならないと思っても、小さな約束を守ったり、自分の仕事でなくても必要と感じて違う部署の仕事を手伝ったりすると、自分の発言力や影響力が上がり、やりたいことが社内で実現できる環境が整うこともあるようです。
冒頭に挙げた以前の私のように、自分の仕事のレベルを上げることに注力するのも、相手からの信頼を得られるのだと思いますが、簡単なことでも相手の得になることや、お手伝いになるようなことを、見返りを求めずにやることが、納得のいく評価や健やかな関係性につながるのかなと感じています。
経営側も働く側も、自分が損していると思えるくらいがちょうどよいかもしれないですね。
また来月もよろしくお願いいたします!
VOL29 2012/10/28 sakaguchi yuto
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