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一次的なものなのか、ゆずれないものなのかキャリアで大事なことを見極める

ここ最近、エドガーシャイン先生のキャリアアンカーを改めて見直しています。

ご存知の方も多いと思いますが、キャリアアンカーとは、
自分のキャリアで、ゆずれない軸となる価値観のことを言います。

アンカーとは船が流されないように、波止場にて水中に沈めておく錨(いかり)のことです。キャリアにも、錨のように、どんなに仕事環境が変わっても、自分の中に深く刻まれている価値観があるとされています。

キャリアアンカーは、簡単には見つからないとされています。
頭で大切だと考えていても、実際にそういう経験をしてみると、
自分の価値観とは異なっていたと気づくということが起きるからです。

そのため、ある程度社会人経験を積み、いくつかの選択をしてきた過去を
振り返りながら、「ああ、いつも自分はここに結局立ち戻るのだな」
と何度か確かめていくことで、本当のキャリアアンカーが見えてくると言われています。

このキャリアアンカーは以下の8つに分類されています。
(パーソルさんのd's JOURNALより転載しています)

1.専門・職能別能力…特定の分野における「専門家」として自身の能力を発 揮したいタイプ
2.経営管理能力…「管理職」として自身の能力を発揮したいタイプ
3.自律・独立…「自分のペースやスタイル」を守りながら仕事を進めたいタイプ
4.保障・安定…「保障」や「安定性」を重視して働きたいタイプ
5.起業家的創造性…リスクを恐れず、新しい商品・サービスを創り出したいタイプ
6.奉仕・社会貢献…社会的に必要とされている分野で力を発揮したいタイプ
7.純粋な挑戦…あえて困難な状況に飛び込んで挑戦するタイプ
8.生活様式…「仕事」と「プライベート」とのベストなバランスを常に考えているタイプ

ちなみに、私のキャリアアンカーは、40代になってようやく
「1専門・職能別能力」に絞り込めたかなと実感しているところです。

これまで20代、30代にもアセスメントをやったこともあるのですが、
3や6なども高い数値で出ていまして、これまでどれが一番なのか
判断が難しいということがありました。

人は、その時々の置かれている環境で関心ごとが変わると思います。

たとえば、20代の頃の私は自分の力不足を今以上に実感していましたので、
よりお客様に貢献できる力をつけたい、成長したいということが関心として強く出ていましたし、子会社の運営を行っていた時は、より管理職としてうまくマネジメントする力をつけたいという思いを強く持っていました。


そのような時は、本来の自分のキャリアアンカーの他にも、

・自分が足りないと感じること
・周囲から期待されていること


などがアンカーの判定に影響を与えることがあるように思います。


そのため、アンカーの結果が現在の環境による影響を一時的に強く受けているものであるか、ずっとゆずれないものとして本質的にあるものかを区別し、見極める必要があります。

近年は、ライフイベントも多く、会社が変わることはもちろん、もしも同じ会社に居続けたとしても、役割、働き方は頻繁に変わりますし、育児、介護、パートナーとの調整などで一時的に悩まされる課題が次々に出てきます。

そのたびに、目の前の課題解決だけをみて、キャリアを選択していると、数年経って「やっぱり違う、、、」と違和感を感じることにもなりかねず、本来的に望むキャリアの実現が難しくなってしまうリスクがあると思います。

長く変わらないアンカーを自覚し、そのことをもって目の前の一時的なイベントに対処しつつ、中長期を見据えてキャリアを創らないと後悔することになりそうです。

また、キャリアアンカーはあくまで仕事軸でのHOW、つまり「どのように働きたいか」ということを理解する側面に過ぎず、もう一つ、「プライベート」でのアンカーを考えることの大事さを感じています。

当然ながら人生は、仕事だけではありません。
仕事で「ゆずれないこと」と同じように、「プライベート」の生活において
「ゆずれないこと」は何かということも向き合って、両方を統合して
自分の人生を選択していくということが大事なことだと思います。

・日々の生活の中で何を大事な価値観として持ちたいか
・子どもをどんな環境で育てたいか
・リタイア後はどんな生活を送りたいか

などの問いについて考え、自分なりの答えを見つけておく必要があるでしょう。

皆様の会社でも、社員の方が長期的に活躍してもらうための施策として、
ご紹介したキャリアアンカーを考える機会を持ってもらい、それを満たす仕事をどう用意するか、社員と定期的にすり合わせをすると、定着や、より高いパフォーマンスの発揮につながる可能性もあります。

さらには、その人の人生の満足に対しても、貢献し合える関係がつくれたら
一段高い信頼関係が構築できるのではないでしょうか。

ご興味のある方は、アセスメントができる冊子が安価で販売されていますので、是非お手にとってみてください。

また来月もよろしくお願いします!

2021/5/24 VOL127                                                                                         sakaguchi yuto

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