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【倫理の指導案】ソフィストの登場×さあ、哲学を始めよう。

本授業のターゲット生徒
考えるのが苦手な生徒
逆に少し哲学に興味を持っている生徒

高校っていろんな人がいますよね。金子みすゞ氏も「みんなちがって、みんないい。」と残しています。

みんな考え方が違います。社会に出たら嫌な人とは距離をおき、最悪話さなくてもなんとかなります。


高校は、いろんな人と嫌でも話す、最後の機会。
だから、一緒に、考えよう。



|授業の概要|

分野:ソフィストの登場(デモクリトス・プロタゴラスなど)
テーマ:さあ、哲学を始めよう。
目標:考えることのたのしさ、大切さを知る。

|筆者の紹介|

この記事を書いている人:
ゆとりんり
新卒で倍率100倍の民間企業に就職後、教員に転職
教員採用試験の採用枠1枠に1発合格(働きながらの完全独学)
県に授業の研修用資料の提供や、学校の試験問題見本の作成を行う。
ブログで「ちょっと変わった授業アイデア」まとめてます。


|このページの見かた|


\導入/

タイトルをババンッと出して、今日考える内容を示しましょう。本日のターゲットは「考えない人」と「ちょっと興味ある人」です。この2者が同時に考えることに意味があります。考える意味を示したいですね。

今日考える内容はこの2つです。これをみて「ちょっとおもろそうやん」って思った人と「いや、そんなん考えても無駄やろ」って思った人いますね。今日みなさんには考える重要性と、楽しさを知ってもらいます。

スライド1枚目


\展開/

「いや考えるってなんだよ」という人に向けて、まずは意味を提示します。おそらく、考えない人は「意味がないから」という人が多いです。まずは示しましょう「わたし」のところは好きに変えてください。

「哲学ってなんだよ」って、まずはそれに答えましょう。教科書、大学教授はこんなことを言っています(スライドへ)。みなさんは18年間学校という場所で、みんな一緒の制服を着て、ずっと緑の板(黒板)を見て過ごします。で、いろんな世界は見れましたか?ここから、いろんな世界をみませんか。

スライド3枚目


「考える」をもっと深く掘り下げます。考えるには2
種類あります。動物でもできるものと、人間の特徴として存在する考える、です。本時は人間についても考えるので、伏線を貼っておきましょう。しれっと、考えるを甘くみがちな人には、人間ならこっちでしょと現実を示します。

考えるには2種類あります。危機回避的な考えると、常識を疑う考えるです。人間が今多くの発明と、食物連鎖の頂点にあるのは、これがあったからです。ある本では「嘘をつけたから」という説もあります。

スライド4枚目


では根本を考えていきましょう。哲学が始まったのは古代ギリシアの頃とも言われます。なぜその時代の人たちが考えるようになったのか。暇だったからです。次の展開につなげましょう。

さて、なぜ人間は考えるようになったのでしょうか?ちょっと考えてみましょうか。

スライド5枚目

なんとですね。暇だったからです。そして何を考えたか、というと「根源」です。私たちもやってみましょう。

スライド6枚目


\展開(万物の根源)/

かつての人々も考えた「万物の根源」をみんなで考えてみましょう。突き詰めて突き詰めて、深く深く考えさせましょう。

ぼくたちは今から哲学者です。ヒマになりきって、考えみましょう。相手が出した意見に、いやそれは…と疑ってください。どんどん掘り下げて、唯一無二の答えを出してください。

スライド7枚目


自分達が全力で考えたものと、かつての哲学者が考えたものを比べます。これが正解ではないというところは伝えましょう。正解はないのです。考えることに重きを置いてください。

かつての哲学者たちはこんな答えを出しています。これが正解ではありません。もしかしたらみなさんの方が、深い答えを出していませんか?この人たちの答えに、むしろツッコミを入れてみましょう。(ノートに書かせる)

スライド8枚目


哲学が生まれた背景についてもまとめましょう。スライドを1枚入れています。

古代哲学者はスコレーを至高として、自然現象を哲学し始めたわけですよね。これまでは「神が〜」とか理由をつけていましたが、これが非合理的だと思ったんですね。人間には理性(ロゴス)がありますから、この人間の特徴とも言える考えることを至高としたんですね。

スライド9枚目



\展開(人間とは何か)/

ではなぜそんな自然現象を考えたのか、もっと根本を考えます。例えば、神様が全てを作り出した〜ってすごく合理性にかけますよね。そこを理性的に、考え始めたということなんです。人間には「理性」があるので、そこを理解させたいところです。

みなさんはちゃんと考えて行動していますか?冒頭でも言ったように、人間のみの特性というのがあります。1つそれは理性です。理性があるから、ものを考えるのです。それではもう1つの考える内容です。人間ってなんですか?

スライド10枚目


流れは同じです。個人→ペア→グループと考える幅を広げていきます。こんなに違う考え方の人と触れ合う機会は高校が最後かもしれないので。そして、かつての哲学者の考えを共有します。1人でも「あ〜なるほど」と納得してくれたら嬉しいですね。

ちなみに、「考えて→話して→教科書内容」とすることで、自分ごととして内容を捉えることを狙っています。

哲学者たちはこのように表現しています。目まぐるしく変化している現代社会においてはこの定義も変わってくるかもしれません。
私の方がいい定義だ!という人はいますか。

スライド11枚目


\まとめ(哲学のその後)/

哲学についてまとめます。中でもソフィストの誕生はおさえましょう。考える対象が、自然(ピュシス)から人が作ったルール・法など(ノモス)に移行したことが重要です。プロタゴラスを紹介することで、わかりやすいと思います。

哲学はその後、考える対象を変えていきました。ピュシス(自然)からノモス(人の作ったものやルール)に変わったのです。これによるリスク、何があると思いますか?ペアで1つずつ出してみてください。

スライド12枚目


人を傷つけたり、法律を犯したり、これ「人間は万物の尺度である」と表現し正当化するのは、怖いです。なんでもありの世界になっちゃいます。でも中には「万物に共通するルールはない」という意味がわからない生徒もいるので、例を示しましょう。

この世に絶対のルールはありません。例えば、浮気ってどこからですか?隣の人と自分の基準を示してください。100%一致しますか?

スライド13枚目


もししないなら、どっちが正しいでしょうか?合理的に説明できた方になりませんか?これがまかり通れば、「浮気はこの世に存在しない」なんてことになりかねないのです。ほら、リスクありますよね。

スライド13枚目


次回予告も最後に入れていますが、使わなければ消してください。

さて、ルールは人それぞれ!みたいな世の中だとめちゃくちゃです。そんな中登場したのがソクラテスです。
ソフィストを一掃していくのですが、弁の立つもの至上主義の中、どのような手法をとったのでしょうか?

スライド14枚目


|追伸|

「浮気は存在しない」と証明するとする。例えば、「付き合う=契約」と定義します。18歳未満は、契約の際に保護者の同意が必要です。つまり、付き合うには保護者の同意が必要ということです。

ですが、みなさんは同意してから「付き合って」いますか?ないですよね。つまり付き合ってないのです。その状態で、誰と新しく関係を持とうが浮気にはならないのです。

つまり、ほとんどの場合、浮気は存在しません。

みたいな暴論です。浮気の理論にツッコミがあったら使って下さい。



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