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【公共の指導案】社会保障×ビジネスじゃなくてもプランコンテスト

本授業のターゲット
「人生はお金じゃないっすよ」なんていう生徒

若い人が〇〇市の市長になりましたね
なかなか若者に向けた政策は行われませんね
今の日本は終わってるって
いろんな話題ありますが

自分の手の届くところにまずは考えを巡らせよう



|授業の概要|

分野:社会保障(公共)
テーマ:ビジネスじゃなくてもプランコンテスト
目標:自分の生きる世界(周辺)に危機感を持ち、学ぶ意欲を高める

※社会保障といえば、高齢化とか保障の内容とかを想像しがちですが、それを使った授業です。


|筆者の紹介|

この記事を書いている人:
ゆとりんり(現役倫理教員)
新卒で倍率100倍の民間企業に就職後、教員に転職
教員採用試験の採用枠1枠に1発合格(働きながらの完全独学)
県に授業の研修用資料の提供や、学校の試験問題見本の作成を行う。
ブログで「ちょっと変わった授業アイデア」まとめてます。

|このページの見かた|

ゆとりんり流、スライドの授業での使い方はこちらで紹介しています。黒板に映せるように背景を黒くしています。



|注意事項|

生徒がタブレットPC(iPad等)を全員持っている場合で、本授業を推奨します。(プレゼンに使用したい)



\導入/

普通に社会保障を淡々と勉強しても面白くない。
どうせなら危機感を持って、政治への参加意識や、経済への意識も高めたい。
「日本と、お金と、向き合う」そんな授業です。

さて、みなさん、信用するなら「金」「人」どちらですか?

スライド1枚目

人ですか…。日本って「お金の話=怪しい」という風潮ないですか?
よく考えてください。お金自体は汚く(怪しく)ないのです。
怪しいのは稼ぎ方の方なのです。

スライド2枚目



\展開(日本の経済状況)/

お金の話をするうえで、日本の現状を確認するのは必須です。
みなさんの中で日本がどのような国なのか、それが正しいのか、その確認から入ります。

日本はGDP(国内総生産)世界何位ですか?
日本の経済成長は世界何位ですか?

スライド3枚目


データを集めてきました。スライドのコメント欄にもリンクを貼っています。

こちら日本の各種データです。
どうですか?ここから読み取れることをグループで話し合ってみてください。(あとで発表)

スライド4枚目


ここでちょっとだけ危機感を与えていきます。
日本は経済たいこくなんて言われてますが、世界との差はどうなんでしょうか。

少し言葉を追加してみます。
「GDPは世界3位だけど、成長率は低いうえに、賃金も低い。そして物価も安い。
さて、日本が世界との差を再び大きくしていくには、経済を回すためには、何をすればよいでしょうか?身近なことでできることはありますか?(グループで共有)

スライド5枚目


このあたりで社会保障の要素も出していきます。国民負担立という言葉を説明させてもいいかもです。
今回は授業のもう一つのテーマに「皆の、常識に問う。」をおいています。

「物価が安いから買い物をして経済を回す」なんて答えた人いますか?こちらのデータをご覧ください。
日本の実質賃金です。

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\展開(使える金を増やせ!)/

給料が上がってない中で、税金は上がっています。つまり、使えるお金が減っているということです。さらにいえば、物価も昔より上がっています。
ここでグループワークです。
使えるお金を増やす方法を考えよ!!!!

スライド6枚目


発表をさせて、「おぉ!」と歓声を上げさせてください。
私の方でも1例考えてみました。オリエンタルラジオの中田さん(あっちゃん)の例です。

みなさんにいくつか発表してもらいましたが、中にはこんな人もいます。
「日本よりさらに物価の低い海外に行く」です。

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中には国の政策を考えて発表する人もいるかもしれません。
そちらの方向にも話を向けましょう。

中には「使えるお金少ないなら、税金下げればいいんじゃね?」と考えた人もいるんじゃないですか?
根本を考えてみましょうか。
国民負担立上昇ってなんでですか?上げなきゃいけない理由があるんでしょうか?
グループの中で誕生日が1番今日に近い人が最初に案を出してください。

スライド9枚目


日本の高齢化について、そして「現役世代」という言葉をここで出します。
このあたりが現実を感じるポイントです。

みなさんは日本の高齢化率を知ってみますか?ちなみに、21%で超高齢社会と言われます。

なんと28.9%!現役世代と合わせて考えると、2.1人で高齢者1人を支えている計算になります。そして少子化も進んでいるということは、今後はもっと状況は深刻化しそうですね。

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\展開(社会保障について)/

ここからは社会保障とはなんぞやのお話です。ざっくりとしたイメージから深掘りしていきます。

てことはアノ負担が増えているのですが、みなさんならわかりますよね?
ヒントは
「世界ではエリザベス救貧法で始まり」「日本では恤救規則で始まった」あれです。

スライド11枚目


まさか「年金」じゃないですよ!「社会保障費」のことですよ〜!ここからはこんな感じで、みなさんの常識を問う形でやっていきます。
「え、知らないんだけど」という人は、イメージで良いです。その代わり、今日で常識にして、18(成人)を迎えてください。
まずは、社会保障ってどんなものか、説明してください。

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社会保障の4つの柱を紹介します。これをさらに分野に分けたとして年金、介護、医療、子ども、どれにお金が使われていると思いますか?グループで話し合って、決めてください。制限時間は45秒(で何ができる)。

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年金に58.9兆円、医療に40.8兆円、介護に13.1兆円、子どもには9.7兆円です。未来を担うみなさんに使われているお金が1番少ないんですね。
さて、「高齢者:子ども」で分けるといくらでしょうか?

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今で、2人で1人の高齢者を支えて、年金支給平均が約14万円。とか言ってますけど、みなさんは、年金のシステム知ってるんですか?

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ここはやりたい先生だけで良いです。身を削る必要はありませんが、一緒にやった方が面白いと思います!

ズバリ、賦課方式と呼ばれる方法です。積み立てじゃないんですよ。
ただ、年金だけを頼りにする時代でもなくなっています。老後2000万問題とか聞いたことありませんか?手元のiPadで調べてみてください。

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仮にで計算してみてください。20代前半の月収平均は約23万円。税金が引かれた手取りにすると、×0.8で大体わかります。
そして、そこから生活費、家賃、車、などなどお金を引きます。ざっと、予想でいいので残るお金を計算してみてください。月々いくら貯金に回せますか?

確かに、30代になると給料も上がるかもしれません。でも、結婚したら、子どもがいたら、欲しい車を買ったら、、、
など考えてみてください。仕事を辞めるまでにいくら貯金できそうですか?それで老後生活できそうですか?

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お金が全てではないけど、ほぼ全てのことにお金が必要になります。
お金に向き合う必要がある今、話題になっているのが「NISA(ニーサ)」「iDeco(イデコ)」といった制度です。こう言ったものは知らない人と、知っている人で生き方が変わります。

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現代は情報戦なのです。ただ、学校では正解を教えません。社会のように。
勉強を通じて、考える力をつけてください。

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\まとめ(ビジネスじゃなくてもプランCT)/

考える力を重視します。そして、自分で調べることをさせます。NISAなどの言葉だけ出しておいて、自分で調べてもらいます。それに加え、調べる時間を与えます社会に出たら、自分で調べて、情報の取捨選択をすることが本当に大事ですから。
生の情報に触れてもらいます。

ここからはビジネスじゃなくてもプランコンテストを開催します。
期間は来週の授業。プレゼンしてもらいます。すごく簡単なスライドで良いです。
グループで、使えるお金を増やす方法を考えてください。
詐欺はダメですよ。さっきの用語を調べて、反映させてくれてもいいです。
この時間を将来の自分のために有意義に使ってください。
始めましょう。情報戦です。

スライド18枚目



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以下の有料記事では、記事中にもある「Googleスライド」を丸々全部ダウンロードすることができます。(記事中で紹介しているスライドは一部です。

ダウンロードできるスライド
・形式:Googleスライド
・ページ数:全18ページ
・設定:2〜5時間分

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