10代最後の夏、私はヒッピー村に滞在した。
「街に戻ったら、きっと”あら、夢でも見ていたのかしら…”と思いますよ」
そう目の前のおじいさんが言うと、
隣にいるおばさんは続けて「きっともう二度と会わないと思う」と、私に言った。
これが最後にかけられた言葉である。
拍子抜けするほどサッパリとした別れだった。私の祖父が電話を切るときに決まって「さようなら」と挨拶をしてくる時のような、あの一方的に一生の別れを告げられているかのような感じがして切なかった。
私は、きっと心のどこかで「またね」「もっといたら良いのに〜」と言われる