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小学3・4年生の大変さ【エリクソンの発達理論】のお話②

こんにちは。yutoriです。
お読みいただき、ありがとうございます。

今回は、小学3・4年生について考えている事をまとめてみます。

一緒に勤めていた小学校の先生方から
「3・4年生は大事。指導も難しい」
「3年と4年は全然違う。4年になると、グッと大人になる」
と聞いた事があります。

私も、学校生活について、3・4年生から困り事を抱える子に出会う事があります。
その困り事について、エリクソンの発達理論を用いて考えます。

あくまで『子どもの特徴をこの理論で考えた』という私見です。別の理論や視点からの考え方もある事は重々承知しています。

エリクソンの発達理論、就学前のお子さんについては、前回の記事にまとめています。よろしければ併せてご覧くださいね。


学童期(6歳〜思春期)

小学校での勉強が始まる時期です。家庭外での生活ががらっと変わり、やらなくちゃいけない事も増えます。習い事などをしている子は、さらに忙しくもなるでしょう。

この時期に授業や課題へ取り組む事によって、こつこつと頑張る力、課題を達成する力を身につける事ができると期待されます。

しかし、自分が苦手な事や嫌いな事にも向き合わなければいけない場面が出てきます。よほどのスーパーキッズでなければ、何かしら「やりたくない」「苦手」「好きじゃない」と感じる事があるでしょう。

お子さんによっては、周りの子と自分のを比べて自信を失くす事もあるかもしれません。


私の感覚では、それを強く感じやすい時期が、小学3・4年生です。

3年生になると、学習する教科が増えますし、内容も難しくなります。2年生まで、特に学校で困る事なくできていた子、自分は勉強得意!と思っていた子でも、何か難しさを感じる場合があるように感じます。

それに気づいてもあまり深く考えずに、この時期を過ぎる子が多いですが、不安やショックを受けて、学校生活に適応しにくくなったり、体に反応が出てきたりするお子さんがいるなと思います。

真面目であればあるほど。
「できなくちゃいけない」気持ちが強いほど。
勉強や学校で困った経験が少ないほど。

反応しやすいように感じます。

でも、ご家族からすると不思議でしょう。
それまでは、できていたのですから。

そうすると、
いじめがあったのではないか?
先生が合わないのではないか?
など、外の要因を考えたくなります。

自然な事かもしれません。
でも、お子さん自身の中で起きている事は気づかれにくい。

ここで、臨床心理士・公認心理師ができる事は、発達理論から状況を検討する事だと思います。

私の中で思い浮かぶのは、エリクソンの発達理論が多いです。もちろん、いろいろな可能性も思い浮かべながら考えますが。

エリクソンの言う学童期の課題について頭に置きながら、子ども達の話を聴いていくと、4・5年生頃には、自分の性格や考え方の癖、『どうしても気になってしまう事』を整理できるようになります。

そうすると、「どうしたらいいかな?」と思いつつ、何か行動してみるか!という状態まで変わります。

そこで、大人に助けてもらいながら、行動を変えていき、自己理解を深め、自分に合う方法や考え方を知っていくのです。

もちろん、行動を変えたら上手くいく事ばかりではありません。やってみたら、また違う心の負荷がかかりますので、無理せずに取り組めるよう育てていく事が大切です。

この時期のお子さんに関わる大人が気をつけると良い事を次のように考えています。

・子ども得意な事、頑張っている事を言葉で伝え、肯定する、褒める。

・苦手な事や上手くいかない事を、怠けや努力不足と決めつけず、何に困っているか子どもと一緒に考える。

・困っている事への対処法を考えて、子どもが取り組めるよう促す。

・結果ばかりでなく、頑張りや過程を褒める。

・子どもが頑張っている事を応援する。無理をしているように見える時は、ブレーキをかけてあげる。

この時期を乗り越えると、深い自己理解ができ、逞しく成長できているなと感じます。
発達課題をクリアできたと言うことですね。

また、この課題に取り組む子ども達は、こちらが驚かされるような洞察をしたり、挑戦をしたりする事があります。
「子どもってすごい!」と感じます。


ここまでの考え方や見立ては、あくまで私の経験上の話なので、全てのお子さんに当てはまるという事ではありません。

小学3・4年生はなかなか難しい心の課題に取り組む時期です。葛藤しながら成長していく事を知り、子ども達を見守っていけたらいいなと思っています。

*参考文献*
・はじめて出会う心理学(有斐閣アルマ)
・子どもに学ぶ発達心理学(樹村房)

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