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子どもの成長【エリクソンの発達理論】のお話①

こんにちは。yutoriです。
お読みいただき、ありがとうございます。

りーさん(長女)は6年生、たっくん(長男)は年長さん。
2人が最高学年の一年が始まりました。
特別な行事がたくさんあるので、悔いのないように参加できたらいいなと思っています。

さて、我が子を育て、カウンセリングでたくさんのお子さんに出会う中で、「エリクソンの発達理論」について考える事が度々あります。

学生の頃は、『本に載っている事』という感覚だったけれど、子ども達に会えば会うほど、エリクソンの言っている事について、『なるほどね、こういうことね』と感じます。

そして、『この理論すごい!』と思うのです。

今回は、その気づきをまとめてみます。

心理社会的発達理論とは

この理論は、エリクソンがフロイトの精神分析の考え方に基づいて考案したものです。

人生を8つの段階に分け、それぞれの段階で解決すべき課題(発達課題)があると言っています。
この課題が解決できると、新しい力を身につけて、次の段階へ進む事ができます。

でも、解決が上手くいかない場合には、未解決のまま残ってしまう(心理的危機)と考えられています。

下記の表も参考にご覧ください。

「はじめて出会う心理学」より引用し一部改変


今回は、乳児期から就学前期までの子どもについて取り上げます。

カウンセリングでは、『課題がクリアされずに育ってきたのだろう』と思えるような子ども達に出会ってきました。

その気づきを記しますが、あくまで『子どもの特徴をこの理論で考えた』という私見です。別の理論や視点からの考え方もある事は重々承知しています。

乳児期(0〜1歳半)

産まれてからしばらくは、お腹空いた、オムツを替えて欲しい、眠いなど、生きるための基本的な欲求を誰かに満たしてもらいながら過ごします。

十分にお世話してもらう事で、子どもは『産まれてきたこの世界は安心できるところだ』と感じられるようになります。そして、基本的には人や社会を信頼してもいいんだなという感覚を得ると考えられます。

でも、残念ながら、十分にお世話してもらえずに過ごすと、大きくなってから次のような特徴が出てくると予想されます。

・人を信じにくく、不安や疑いの気持ちが強い。
・強引に人を支配しようとするような行動が出る。
・愛情をいろいろな人に求める。

子どもがこの課題をクリアするためには、

・衣食住の整った環境で生活する。
・空腹やオムツの汚れなど、不快な感覚を取ってあげて心地良く過ごせるようにしてあげる。
・子どもが泣いたら、声をかける、抱っこするなど反応してあげる。


といった大人の関わりが大切です。

幼児期(1歳半〜4歳)

自分で体を動かす事が上手になり、トイレ、着替え、食事など、自分の力でできるようになっていきます。今まで、大人に頼っていた事を自分の力でできるようになる事で、自信に繋がります。

ちなみに画像は、ゆーさん(次女)がこの時期の頃(2歳頃)、自分でボタンをしようと頑張っているところです。丸くて可愛い手が懐かしい。

もちろん、すぐに上手くできるわけではありません。失敗しながら成長します。その過程に上手く関わってもらえないと、次のような特徴が見られるようになると考えます。

・自分は挑戦もさせてもらえないダメな子、失敗ばかりのダメな子と感じる。
・失敗してはいけないと強く思い過ぎる。
・上手くできている事にも自信を持てない。

子どもがこの課題をクリアするには、

・状況の許す限り、子どもが自分でやろうとする事はやらせる。
・失敗するのが当たり前と考えて、失敗を怒らない。
・子どもが悔しがっていたら「くやしいね」「上手にやりたかったね」と気持ちを受け止める。
・できた時には一緒に思い切り喜ぶ。多少、上手くいかない部分があっても良しとする。


のような関わりができると良いと思います。

就学前期(4歳〜5歳)

遊びの中で、アイディアを出したり、工夫したりしながら、自分で考えて行動する事に取り組みます。集団生活を始める子も多く、遊び方が豊かになったり、ルールを理解したりできるようにもなります。

ただし、まだまだ自分中心に考えて、行動しやすいですから、友達同士のトラブル、ルールを守れないという場面も多いでしょう。それについて、大人が感情的に叱ってばかりになると、子どもは困惑してしまいます。さらに、大きくなってから次のような事が心配されます。

・自分の考えに自信を持てず、主張できない。
・自分で決定や選択ができない。
・他者に頼った言動が多くなる。
・思い切った行動、自由な発想をしにくい。

子どもがこの課題をクリアするには、

・子どもの発想や考えを肯定的に受け止める。
・自分で考えた事、決めた事を褒める。
・子どもに不適切な言動があったら、その理由を確かめてから適切な事を教える、叱る。
・ルールを守れた事、我慢できた事を当たり前と思わずに褒める。

のような関わりが大事だと考えます。


長文ですが、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

子育て中の方、心理学を勉強されている方に、何か伝わるものがあったら嬉しいです。



この続きに『学童期』があります。
それについても考えている事がありますが、ここまでの内容とは質が違うと感じているので、また別に書きたいなと思います。

子どもに何か難しい事が起きていると、発達障害?HSC?など、診断めいた事を考えられがちのように感じますが、その子の育ちや言動を丁寧に見ていくと、育ち方(育てられ方)に起因している場合もあるなと感じます。

この理論に限らず、いろいろな視点から子どもを見て、アセスメントしていく事が、臨床心理士、公認心理師として重要と思っています。


*参考文献*
・はじめて出会う心理学(有斐閣アルマ)
・子どもに学ぶ発達心理学(樹村房)

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