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手段?目的?どうでもいい

経営者の卵として思う会社や世の中のことを勝手気ままに語るコラムです。

○○は手段であって目的ではない」この発言に物申します。○○にはAI,IoT,ロボット等が入ると思っていただければと思います。

○○は進んでいるのか?
○○をやるって言った話は?

このような質問に対して私は冒頭の回答をよく聞きます。つまり、○○は手段なので、それをすること自体は活動の目的ではないでしょう、というわけです。

目標無くして事を進めるのは愚策。まずはそこを決めてからでないと我々は行動は起こしません。だから、そんなに急かすな。と読み取ればいいでしょうか。

私はこの「手段と目的をはき違えるな」という意見自体を完全否定するわけではなく、見境なく言い続けたら会社の進歩はないということを今回言いたいのです。

この発言がやっかいな理由は、正論であることです。発言者はまるで冷静に大局観を見据えているよう。正論であるが故に、その時点で手段を語ることはタブーとされる雰囲気を作り出し、一歩踏み込んだクリエイティブな意見が出ることを阻害します。

結果、「まずは目的を明確にしよう」の掛け声で、「お客様の更なる生産性向上」というような誰も否定しない”当たり前”の結論でまとまるわけです。

この手の議論は当事者を何かをしている気にはさせるがどこにも前進させてはくれません。堂々巡りの間に、上層部の「何か新しいもの出せ」の一声で、それまでの崇高な議論はなかったかのように、手元のネタをかき集めて具現化してしまうことは多くないでしょうか。

結果、「我々は○○を目的とし活動します。△△や◇◇が手段です。」の○○や△△の中身が少し変わったものが定期的に更新され発表されますが、ふと後で思い起こせば、この方針の中、具体的に何が実現されたのか?

「手段が~」「目的が~」とあーだこーだ言うだけ言って、後で振り返って何もアウトプットがないのであれば、「あー、どう具体的に始めるか難しいなぁ」と言い続けていたことと同義でしかありません。格好つけて悩みを吐露していただけです。

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会社は個人と違います。社会貢献し利益を生み出すための組織なのです。そのため、組織は”悩む”を”考える”に常に昇華する必要があると思います。悩みを悩みのままで放置してはいけないのです。

そして、手段か?目的か?の議論はこの悩みの延命になりうると考えます。

一方で、手段だろうが何だろうがまずそれに取り組んでみることは、完全な”悪”とは私は思えません。AI,IoT,ロボットは何かを実現するためのツールであることは確かですが、それらを駆使するスキルを高めることで、こういうことにも使えるのでは?と戦略の幅が具体的に広がります。

例えば、DX推進室が始めた動画戦略。最初は自作営業PRの動画をYouTubeにアップロードしているだけでしたが、今は動画の有効性と自分達で築いた動画制作スキルを理解したことで、更なる動画活用(手順書、FAQ、採用活動)につなげようとしています。

○○って難しそう。素人でもできるのか?

こんなことを考えるのは当たり前です。まずは素人なりに取り組み始めることで道は開かれます。これは、AI,IoT,ロボットでも同じことが言えるのだと信じています。

とにかくやってみなければ始まらない。まずは小さな成功体験を、そして後から全体感のある目的や目標に落とし込む。そんな活動方針もあっていいのではないでしょうか。私のせっかちな性格を正当化したいだけかもしれませんが、最近はそう実感するわけです。

タイトルには断定的に書きましたが、誤解していただきたくないのは、手段と目的の明確な区分けはとても重要です。それを事前に定義するのは大いに奨励されると思います。しかし問題視しているのは、その議論を何かの進捗が滞っている場合の都合のいい言い訳に使用されているかどうかです。

冒頭に書いたことを再度述べますが、見境なく言い続けたら会社の進歩はない。

行動力に溢れた有言実行の人材は無論出世します。しかし、言い訳の達者な世渡り上手なだけの人材も出世するのが世の中の不都合な真実だと感じます。

記憶力を確かに言い訳かどうかを見定め、組織の活動方針をブレさせず、確実にアウトプットに導くことが大企業病を防ぐ方法の1つかもしれません。(少し話が脱線しました。)

しかしながら、組織というのはバランスが重要です。私のような「向こう見ずにまずはやってみよう」の考えの人間だけになれば、それはそれで会社として問題でしょう。私がカウンターバランスのような役割で、いい環境を保ち続ける会社でありたいですね。

今後の松浦機械、そして、その中で後先考えず様々なことにチャレンジするDX推進室にご期待ください。

このnoteを800文字程度にぎゅっと内容を凝縮した私のコラムが松浦機械製作所の広報誌、マツウラNEWS!にて掲載されております。

このコラム以外にも、弊社の社長コラムやユーザーインタビュー、最新の松浦機械の活動も紹介していますので、もしご興味あればそちらも読んでいただければと思います。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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