Yuta Saito

プロサッカークラブ経営と強化部ビジネスについて|Corporate Strategy …

Yuta Saito

プロサッカークラブ経営と強化部ビジネスについて|Corporate Strategy of Tokyo Verdy|Deloitte Alumni|Lived in Portugal|発言は個人の見解であり所属組織を代表するものではありません|Lang.🇯🇵🇵🇹🇬🇧

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  • Patio掲載コラム

    フリーランスの活動を応援するサイト「Patio」にて執筆したコラムのPR

  • 移籍市場の裏側

  • フットボールの現場で日々思うこと

  • モウリーニョから学ぶリーダーシップ論

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ポルトガル人サッカー監督ジョゼ・モウリーニョから学ぶ次世代リーダーシップ論

私とポルトガルの強い結び付き。すべての始まりはこの映像からでした。 ポルト監督時代の若きジョゼ・モウリーニョが、アレックス・ファーガソン率いるマンチェスター・ユナイテッドと戦った歴史的一戦。アウトサイダーであったポルトが勝ち越しゴールを決めた瞬間、ジョゼ・モウリーニョが我を忘れてタッチライン際を爆走したビクトリーラン。 このシーンをきっかけに、私は大学でポルトガル語を専攻し、彼が世界へ羽ばたく礎となったポルトという街に留学する人生を選択しました。 そして、そのような明確

    • #16 「サッカー×ビジネス」キャリアの築き方:はじめに+①スポーツ部門のスタッフ

      フリーランスのコンサル派遣サービスを展開する株式会社セブンゼンコーポレーションが運営する、フリーランスの活動を応援するサイト「Patio」で執筆させていただいているコラム。 第16回は「#16 「サッカー×ビジネス」キャリアの築き方:はじめに+①スポーツ部門のスタッフ」です。 これまでPatioでは、「コンサルからサッカークラブへのキャリアチェンジ」や「ビジネス観点からのサッカークラブの内部事情」などを15回にわたってご紹介してきました。第16回からは9回ほどに分けて、「

      • #15 Jクラブによる東南アジア選手との契約における戦略設計:第3/3回 東南アジア事業に関する戦略設計の考え方

        フリーランスのコンサル派遣サービスを展開する株式会社セブンゼンコーポレーションが運営する、フリーランスの活動を応援するサイト「Patio」で執筆させていただいているコラム。 第15回は「#15 Jクラブによる東南アジア選手との契約における戦略設計:第3/3回 東南アジア事業に関する戦略設計の考え方」です。 Jリーグクラブが東南アジア戦略を推進する上で、当該国のスター選手との契約を考慮するケースは多いでしょう。一方で、それは東南アジア事業全体を選手依存のモデルにしてしまうリ

        • Jリーグの登録ウインドーでは何をもって「移籍完了」となるのか?

          2023年8月18日をもって、Jリーグ2023シーズンの第2登録ウインドーが終了しました。SNSのタイムライン上では、「どの手順が済んでいれば移籍完了が認められるのか」という疑問や、「ウインドーの終了日の前日なのにまだ正式リリースがないということは、もうこれ以上の補強はない」という誤解など、いくつかの情報錯綜を見かけました。一度、正しい理解促進のために整理をしようと思い立ち、筆を取ります。 前提:登録ウインドーとは登録ウインドーとは、選手登録の「追加」及び「抹消」ができる「

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        • Jリーグの登録ウインドーでは何をもって「移籍完了」となるのか?

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          ブライトンによるカイセド移籍交渉について思うこと

          2023年8月15日、ブライトンに所属するモイセス・カイセドが、英国史上最高額となる£115m(出来高含む最高額として)の移籍金をもってチェルシーに完全移籍することが決定しました。 ブライトンによるカイセドにまつわる移籍交渉については、昨冬からただただ驚嘆させられるばかりです。 驚嘆ポイント1:アーセナル移籍を断っておきながら、選手との契約延長を果たしたこと 2023年1月30日、アーセナルからブライトンに対して、カイセドへの移籍金£70mが提示されましたが、ブライトン

          ブライトンによるカイセド移籍交渉について思うこと

          #14 Jクラブによる東南アジア選手との契約における戦略設計:第2/3回 ターゲット市場と選手の選定(東京ヴェルディの例)

          フリーランスのコンサル派遣サービスを展開する株式会社セブンゼンコーポレーションが運営する、フリーランスの活動を応援するサイト「Patio」で執筆させていただいているコラム。 第14回は「#14 Jクラブによる東南アジア選手との契約における戦略設計:第2/3回 ターゲット市場と選手の選定(東京ヴェルディの例)」です。 前回ご紹介したターゲット市場及び対象選手を検討するにあたってのPEST的フレームワークに基づき、その利用方法の実例として、インドネシア代表プラタマ・アルハンと

          #14 Jクラブによる東南アジア選手との契約における戦略設計:第2/3回 ターゲット市場と選手の選定(東京ヴェルディの例)

          #13 Jクラブによる東南アジア選手との契約における戦略設計:第1/3回 ターゲット市場と選手の選定

          フリーランスのコンサル派遣サービスを展開する株式会社セブンゼンコーポレーションが運営する、フリーランスの活動を応援するサイト「Patio」で執筆させていただいているコラム。 第13回は「#13 Jクラブによる東南アジア選手との契約における戦略設計:第1/3回 ターゲット市場と選手の選定」です。 Jリーグの各クラブが、新たな市場開拓のため、タイやベトナムなど東南アジア人選手をチームに迎え入れることがあります。東京ヴェルディにおいても、インドネシア代表選手との選手契約を検討・

          #13 Jクラブによる東南アジア選手との契約における戦略設計:第1/3回 ターゲット市場と選手の選定

          選手移籍に伴う「3つの育成金」(TC/Solidarity/トレーニング補償金)

          選手が所属クラブとの契約期間内に他クラブへ移籍した場合、所属元クラブは「移籍補償金」(俗にいう「移籍金」)という形で経済的なメリットを得ることができます。移籍補償金は「補償金」という名の通り、所属元クラブが移籍選手の後釜を、手間をかけて、場合によっては別途移籍金をかけて獲得しなければならないため、その費用に充てられる所属元クラブにとっては大変貴重な財源となります。 ただし、移籍補償金を得られるのは直近の所属元クラブのみ。これでは選手を「原石」の時代から手塩に掛けて育てた過去

          選手移籍に伴う「3つの育成金」(TC/Solidarity/トレーニング補償金)

          トレーニング補償金とは?

          トレーニング補償金とは、FIFAが定めるTraning Compensation(TC)が日本版にローカライズされた、JFA(日本サッカー協会)規定の国内制度です。TCと同様に、「Ⅰ:アマチュアからプロに登録された場合」と「Ⅱ:プロからプロに移籍した場合」で運用が異なり、JFAはそれぞれを「Ⅰ:トレーニング補償金(アマチュアからプロ)」「Ⅱ:トレーニング補償金(プロからプロ)」と明確に区別して呼称しています。 余談になりますが、日本では最近まで「Ⅰ:トレーニング補償金(アマ

          トレーニング補償金とは?

          Solidarity Contribution(連帯貢献金)とは?

          Solidarity Contribution(Solidarity)は、TCと同様にFIFAが定める万国共通の制度であり、日本では「ソリダリティ」や「連帯貢献金」と呼ばれる育成金の一種です。具体的には、年齢を問わず選手が移籍補償金の発生する国際移籍をした場合、選手の誕生歴年換算で12歳~23歳まで所属したクラブに対して、移籍補償金のうち全体で5%を原資に各育成クラブに分配されます。そのうち、分配金額の傾斜は、12歳~15歳の所属クラブがそれぞれ年間0.25%、16歳~23歳

          Solidarity Contribution(連帯貢献金)とは?

          Training Compensation(トレーニングコンペンセーション)とは?

          Training Compensation(トレーニングコンペンセーション、略して"TC")は、FIFAが定める世界共通の制度であり、過去の育成クラブに対して支払われる育成金を指します。選手の契約期間内外に関わらず、その23歳誕生暦年の年末までに初めてプロ選手として登録、または、国際移籍が行われた場合、12歳~21歳まで選手を育てた育成クラブに対して、移籍先クラブが補償金を支払うルールです。 TCを理解する上でのポイントは、選手が「Ⅰ:アマチュアからプロに初めて登録される」

          Training Compensation(トレーニングコンペンセーション)とは?

          #12 女子プロサッカーのいまとこれから(競技面)

          フリーランスのコンサル派遣サービスを展開する株式会社セブンゼンコーポレーションが運営する、フリーランスの活動を応援するサイト「Patio」で執筆させていただいているコラム。 第12回は「#12 女子プロサッカーのいまとこれから(競技面)」です。 前回の「興行面」において、ヨーロッパの女子サッカー界の熱狂についてご紹介しましたが、競技面においても、女子サッカーの中心が米国から欧州に移行しつつあります。その中で、日本人選手は相変わらず高い評価を得ており、むしろ、男子の世界では

          #12 女子プロサッカーのいまとこれから(競技面)

          #11 女子プロサッカーのいまとこれから(興行面)

          フリーランスのコンサル派遣サービスを展開する株式会社セブンゼンコーポレーションが運営する、フリーランスの活動を応援するサイト「Patio」で執筆させていただいているコラム。 第11回は「#11 女子プロサッカーのいまとこれから(興行面)」です。 2021年9月に、日本女子初のプロサッカーリーグ「WEリーグ」が開幕しました。その中で、初年度の集客面は、リーグが目標とする「1試合平均5,000人」には遠く及ばず。難しい開幕初年度となりました。一方で、欧米では、過去最大の女子サ

          #11 女子プロサッカーのいまとこれから(興行面)

          #10 今後東京ヴェルディでやっていきたいこと

          フリーランスのコンサル派遣サービスを展開する株式会社セブンゼンコーポレーションが運営する、フリーランスの活動を応援するサイト「Patio」で執筆させていただいているコラム。 第10回は「#10 今後東京ヴェルディでやっていきたいこと」です。 現在、東京ヴェルディで働き始めて3年目を迎えています。最初の1-2年間は業務の標準化に多くの労力を注ぎ込んできましたが、同時に、新たな取り組みへの種まきもしてきました。今後は、それらの仕込んだ種を花咲かせる施策に注力してきます。 お

          #10 今後東京ヴェルディでやっていきたいこと

          #9 コンサルからプロサッカークラブに転職して変わったこと

          フリーランスのコンサル派遣サービスを展開する株式会社セブンゼンコーポレーションが運営する、フリーランスの活動を応援するサイト「Patio」で執筆させていただいているコラム。 第9回は「#9 コンサルからプロサッカークラブに転職して変わったこと」です。 大手コンサルファームからサッカークラブへの転職にあたり、多くの「変わったこと」と数少ない「変わらなかったこと」がありました。 ワークスタイルの変化や業務上の価値観の変化、その他の細かい変化を、コンサル時代の過去とサッカーク

          #9 コンサルからプロサッカークラブに転職して変わったこと

          #8 社員と業務委託が半々?サッカークラブの「雇用」事情

          フリーランスのコンサル派遣サービスを展開する株式会社セブンゼンコーポレーションが運営する、フリーランスの活動を応援するサイト「Patio」で執筆させていただいているコラム。 第8回は「#8 社員と業務委託が半々?サッカークラブの「雇用」事情」です。 一般的な事業会社では、社内に常駐するスタッフの多くが、会社と雇用契約を結ぶ「正社員」ですが、サッカークラブにおいては、選手・スタッフを含め、ひとつ屋根の下に正社員、及び、業務委託契約(選手の場合は「選手契約」)を結ぶ「個人事業

          #8 社員と業務委託が半々?サッカークラブの「雇用」事情