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『モルブス・アウストリアクス』に参加しました。
めちゃくちゃ遅くなったけど告知です。先日、法政大学出版局から発売された論集『モルブス・アウストリアクス』に参加しました。
出版社の内容紹介をお借りすると、
「「オーストリア病(モルブス・アウストリアクス)」と表現される消滅したかつての帝国をも含む神話への深い執着と愛憎。ナチスによる併合など幾度も国のあり方が変わり、隣国のドイツの文学との差別化からも作家たちは「オーストリア的なるものとは何か」を
コロナ禍のウィーンで
*以下は2020年11月に発表されたエッセイの再録です。(初出は文末参照)
2020年2月29日、ウィーンに着いたその日、新型コロナウィルスはまだ遠い出来事だった。ウィーンの街中を歩いていてもそこら中に人人人。きわめて感染力の強いウィルスが流行しているなんて誰も思っていない。マクドナルドの店内で「コロナ」という言葉が耳に入ってきたことはあった。けれどもそれも笑い話の種にしているといった感じで、ウ