宮野真生子・磯野真穂『急に具合が悪くなる』
がん闘病中の哲学者・宮野と、たまたまその相手役を引き受けることになった人類学者・磯野による往復書簡。往復書簡なので何か特定のテーマがあるわけではないはずだけど、あえていえば、運命、に関する本。2020年に読んだ本の中で個人的ベスト1。
前半は、「急に具合が悪くなるかもしれない」、つまり、容態が急変すれば1ヶ月ももたず死んでしまうかもしれない、と告げられた宮野の体験を中心に、リスクと「選ぶ」ということについての話題が繰り広げられる。
医者は、これから起こるかもしれない様々な