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「深煎りはコーヒーから個性を奪うものなのか」

深煎りのコーヒーというと苦いイメージがありますが、おいしい深煎りのコーヒーというのは、苦さだけでなく、甘さが加わりほろ苦さを楽しむことができます。

最近の流れからすると、コーヒーの個性を最大限引き出すために浅煎りにすることが多いです。
では、なぜ浅煎りにするのでしょうか?

シンプルに考えると、浅煎りの方が酸味を引き出すことができ、シングルオリジン本来のフレーバー、マウスフィールを楽しむことができるからだと考えられます。
焼かないことで(もちろんグリーンな印象が出てきてはいけないというのは大前提ですが)、個性が見えてくるんですね。
カッピングはまさにその通りで、個性を知るために浅煎りなんです。
逆にいうと深煎りにすればするほど、焼けば焼くほど、焙煎による味わいから、同じようなニュアンスのコーヒーになりやすいということです。
しかしながら、焙煎が深いことで、そこには苦さやマウスフィールの粗さはあれど、素材の個性は失われないはずです。
何を云いたいかというと、素材本来の味わい、個性と焙煎による苦味、厚み、コク、口当たり、あるいは香りによる甘さをどのくらい付与するか、どんなコーヒーにしたいかをデザインできれば、深煎りでももっとおもしろいものができるのではないかということです。
おいしい深煎りのコーヒーはたくさんあります。
現にこれだけ多くの種類のコーヒーが出てきています。バリスタ、ロースターは毎年毎年そんなコーヒーに出会うと思うんですが、そう考えると焙煎もそれ以上にたくさんの可能性を秘めているように思います。
ただ知らないだけで。

浅く焼くこと、深く焼くことを恐れないことです。
そして、その結果を間に受けるのではなく(もちろん一回では最高のものができるわけもないので)、一つのデータとして次に繋げることができればもっともっとおもしろい焙煎ができるように思います。

80点以上の焙煎ができたあと、90点に研磨していくことは本当に難しいように思います。
毎日が研究です。
その研究が自己満足ではなく、さらに多くの方に共有でき、お客様にも届いたらと思っています。

先日 Koffee Mameyaさんでバリスタさんと話していて思ったことでした。

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