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【全文無料公開済み】【保存版】地方で商品を作る前に見る-本当は誰でも1人でできる令和時代のリサーチ手法-


00.前書き

まず、やらないならこのnoteは買わない方がいいです。知識として知っておきたい、であれば無料で検索していろんなマーケの理論を勉強した方が、知識自体は広がります。Youtubeの動画にも、びっくりするほど質の良い動画はたくさんあります。

内容としては、シビアです。

商品開発に関わる実務をやる人向けなので、楽観的な話はないです。単純にどうやって選ばれる商品を作るか、という話です。

コロナ禍、円安、そして北海道の赤潮、などなどいろんなことが起きている中で、この1万文字のnoteを書いています。

(なんか自分で書いて、何回も読み直してると、胃が痛くなってきました。多分、そういう感じの内容ですから、それだけリアルだということでもあるのでしょう)


ただ、作品でなく商品を作るというのは、そういうことだと思います。自己満足でいいなら、このnoteは当然不要です。商売としてやるなら、むしろ知っていないと勿体無いと思います。

STP分析、4P分析や3C分析、キャズム理論、イノベーター理論、プロダクトライフサイクル、成長マトリクス、オムニチャネル戦略、バイラルループ、あたりはもういろんな企業が無償で公開しているので、そこはスマホのGoogleで調べてみてください。ただ、それらを知らなくても、商品やサービスを作って売ることは可能です。このnoteの中には前述した内容が技術とマインドセットが噛み砕かれた状態で含まれています。

数十万円分もの書籍を買って、基礎論を勉強して、戦略、戦術、知識を現代に通じる状態に昇華させる。それはマーケターがやること。このやり方にこだわる必要はないと思います。

かわりに必要なのは覚悟です。

0. 1回、冷静になる

これ。

「どういう商品ですか」
「なぜ作るんですか?」

どこか異世界から飛んできた、よくわからない生物に聞かれても、偉い人に聞かれても、こどもに聞かれても、ちゃんと説明できる理由が必要です。

外部の人だけではなく内部の人にも、もちろん説明は必要。そもそも、それを言語化できない時点で、危ないと思った方が安全です。

作りたいから作る。

趣味ならいいと思います。

趣味だからお金を使っても、特に問題ない。

でも仕事で、商売でやるとなると違う。

人もついてこない。お客さんもついてこない。それは悲しい。そして成り立たない。

以下、作品じゃなく、商品として何かを作る前提の話。

1. 無料でできる令和時代の市場リサーチ方法


スマホ1台でいい

たくさん、たくさん検索を行います。

使うのは、主に楽天とAmazonです。

今回は商品に関すること、ですがグーグルマイビジネスを使えば、店舗サービスに関する戦術思案を行えます。考え方は共通です。アプリ開発ならそのアプリに合わせたWEBマーケットで検索します。検索窓があるなら、似た機能が搭載されているので、大抵のWEBマーケットで使えます。

今回は、楽天に絞ります。製品にもよりますが、楽天は商品ページの作り込みがしっかりしたものが多く、その分、顧客が考えた上で買うということが可能です。

以下は楽天のアプリ、もしくはWEBページの操作説明になります。

今、自分が作ろうとしている商品を検索します。

大きめの枠で考えます。例えば、飲み物、牛乳、家具、机、などです。この検索のワードを変えると出てくる商品が変わります。そのためこれは1つではなく、何個も行います。

検索した後、並び替えを行います。”感想が多い順”に並び替えます。

順番が変わります。(楽天以外で調べた時も以下の内容に注目)その際に見るべきところは2点。

1.評価の数字
2.価格

出てきた、様々な商品の2点を見ることで、まずは相場感が掴めます。

2. 他社分析から他社の顧客分析へ

市場の相場感がこの検索でザッと掴めます。次に顧客、つまり買った人の方へ視点を移します。商品や会社の規模などは一旦、忘れます。それぞれの商品にあるコメントの最高評価、最低評価を順番に見ていきます。

数十件見る。

これで上位を大体、満遍なく確認できます。

なんだ、そんなに簡単なことで良いのか。

そう思うでしょう。本当にそうです、誰でもできますから。

しかし想像よりかなり時間がかかるし、面倒です。だからやらない。わかっていても、本気でやる人がいない。おそらくこのnoteも、その中に含まれてしまうでしょう。読んだけど簡単な内容で、誰でもできるような内容しか書かれていなかった、と。

しかしあなたが、この内容を100人に話しても、1000人に話しても、おそらく実行する人はほぼいないと思います。

理由は、あなたから無料で聞いた、いつでも誰でもできそうな内容だから。やる人とやらない人の差を、自分自身で実感すると思います。

自分はお金を払って買ったnote。それの内容を他人に無料で教えても、なぜか実行しない。

だからこそ、差がつく。いや、差がついてしまう。

最高評価は満足ではない


注目すべき点は1つ。顧客の共通言語。その商品の何に顧客が注目しているかを見ます。ランキング順位は時間と共に前後するので、商品のランキングは目安とします。それ以上に、その商品と顧客の関係性を探ります。また顧客の属性もいったん全て無視します。

買われた商品の特徴として量、質、などだけではなく、もっと何かがあるはずです。売れているものが売れた理由を探します。さまざまなランディングページ(商品のページのこと)で販売側がうたっているおすすめポイントと顧客の反応が完璧に合致しているという場合は、実は少ないです。

機能を宣伝しているのに、コメントが大きさに関することばかりだった場合、売り手の考えと顧客の願望の間には、ズレがあります。機能はもちろん大事ですが、それ以上に大きさに顧客が注目しているのであれば、必要とされたり、差別化できたのは大きさということになります。

売り手の展望と、買い手の要求が完璧に合致する。これはすごいマーケティングがなされているときだけ。よくよく見てみると、顧客の妥協、が見えてきます。

最低評価は妥協の臨界点

あまりにも我慢ならない。

そういった声が最低評価に記載されています。大抵はサービスに関することが多いです。しかし、今回は商品に関することを探します。この中から顧客が妥協できない点を探します。絶対に提供側がやってはいけないこと、です。何をしたら、どういう結果になったら裏切りになるのかを把握します。

中間評価で、方向性を確認

人が何に注目しているか、プラスでもマイナスでも複数の項目が現れるはず。それから中間評価を見て、良くも悪くも響かなかったところを探します。それを見ることで、商品と顧客の関係性が見えてきます。

この商品は誰のためのものとして、この市場に存在しているのか? という結果を俯瞰して見ることができます。このクセは、後々自社商品を考える時、重要になります。未来の仮説を考える思考の良いクセがつきます。

顧客の属性

どういう人が買ったか。これは各マーケットに依存する上に正確なものを出すことはできません。そのWEBマーケット内の範囲で理解します。ただ、断定はしません。

ちなみに楽天がおすすめな理由は、広い顧客層、商品ページがしっかり、並び替えのやりやすさと見やすさなどです。

3. 他社顧客の抽象を自社製品という具体に盛り込む

スマホから一旦離れます。1と2で、市場のおおまかな価格と状況、と他社と顧客の関係性がふわっと見えたと思います。それを自社側に置き換えていきます。

作ろうと思っていたものが、どういう評価を受けるだろうか。それを考えます。もしその自社商品が受け入れられるとしたら、どういう人にどんなふうに受け入れられるかを考えます。

この考えはメモとして残します。

必ず見える化します。図で考えて、文字にする。文字にして、図に変換。どちらでも問題なくそこは個人差です。

人に説明するということは、その時点でなんらかの形になっています。そのため、この時点で見える化できない、できていない、のままだと広報、宣伝、ましてや営業の時点で失敗します。見える化できない、ということは小さな失敗そのものです。

ただ、注意したいのは、絶対にうまくいく根拠、絶対に売れる根拠、などを探す必要はないということです。無理矢理生み出されたその言葉は、自分に対しての嘘になりますし、顧客や取引先に対しても虚偽の発信をすることになります。

そしてここで、誰に何をどれくらいの価格で提供するかを全体的に考えて形にしてみます。

「だいたいこんな感じ」

それくらいでとどめておきます。
厳密にはあえて決めずに余白を残します。

4.軽い気持ちで根回しをする

3で、人、物、金、の3つの要素において、自社の基準が余白のある状態で、形になっています。

それをどこで売るのか。これも同時に考える必要があります。2、3、4は商品によって順番が変わるはずです。売る場所から考え、どういう人がそこにいるかを調べ、それにあった商品を考える、というやり方もありますし、完全に同時進行の場合もあります。

ただ作る人の視点だと、
自分達には何ができるか、と
人はどういうものが欲しいか、の
合致を探した方がやりやすいので、この並びで記載しました。

マーケットに自社を合わせるわけですが、その変化量を最小にするのが今回のやり方です。名前をつけるとすれば、プロダクトインです。自社の変化を最小にしつつも、需要に合わせます。

教科書通りのマーケットインだと、市場調査から商品像が浮かび上がってきますが、それが、現実的に作れないものだった場合、戦略自体が無効化してしまいます。

そのため、マーケットから得た情報と自社の状況をすり合わせて、自分たちにできることであり、それと同時に需要があるものを作るのが、このnoteに書かれた戦略です。最近の言葉だと、このプロダクトインは地方のD2Cに特化した戦略ということになります。

1では、他社分析も明確に行っているので、自社、顧客、他社、の3つの視点での考え方です。

商品案がある程度定まったら、販路を想定します。

自社の販路以外で売る場合、商品案を見える化して、売り先に提案します。売り先のフィードバックも重要です。作り手の一方的な都合にならないように、相手の話をまず聞きます。小売店のいうことが絶対に正しいということはまずあり得ませんが、情報として集めておき、もし作った場合、の話を想定しておきます。ここら辺まで来ると現実的な価格と費用、そして商品像、販売方法がまたある程度、形になるはずです。

この段階でも、余白を残します。

5.自社製品と競合、そして顧客の関係性を考える

再度、他社を見てみます。

ここで言う他社は、現実的に競合になりそうな相手です。

自社が販売を開始した場合、購入の際に比較されそうなもの。広い意味ではこれが競合です。

自社製品と他社製品は顧客から見て、どういうふうに映るか。製品の特徴や価格、提供方法を見比べます。

作った場合のその先、もし売るとなった場合をより具体的に想像します。

今まで残してあった各種の余白は、こちらの事情を無視して、悪い意味で少しずつ、なくなっていきます。

6.作りたかったものは売りたいものか?

さまざまな立場の人の声を集めると、こちら側、つまり作ったり売ったりする側の人間の感情は変化します。

作りたかったものが売りたいと思えるものかどうか、という感情の変化が現れます。多分ここまでくると、相当、気持ちが落ちます。

序盤でリサーチを行なったことで現実的な部分が見えてしまうからです。無理なんじゃないか、とか、できない理由を探し、諦めてしまおうという気持ちすら現れます。

7.「それでも」から始まる

最近、自分が作ったコピーを引用します。

うまいものが溢れる時代。それでも自信を持って提供できる(商品名)です。

これは食品に関するコピーです。圧倒的に味の良い原料を圧倒的に良い状態で手にいれることができました。食品は、厳密には人が口に入れる量の奪い合いです。人が食べる量には限界があります。それが食品のマーケットの最大。それをふまえて、あらゆる食品を競合としても良い、と考えました。ちなみに食事が時間、と考えると時間を使う体験も競合になってしまいます。

「不安はあるけれど現実的な部分を全部、分かった上でも買ってもらえると思う」

そこまで行ったら、実際に作るところをやってみる。

とある販売場所で、商品を誰かに対して、決まった価格で売る。

この段階で、余白という余白は、相当、現実的な部分で削られているはずです。そうなると、消去法のようにできることは減って、なんとなく未来像が見えているはずです。

8.作ったら売る

プロモーション、宣伝は作る少し前から行います。「こういうのを作る予定です」と。ここまできたら、もう他の声は無視したほうがいいです。

「こういうのがほしい」
「それは売れないと思う」

いざ発信するといろんな声が飛んできます。しかし前の段階でリサーチは終わっているので、あらゆる声を無視します。もうここまできたら、迷わず形を作る、です。この切り替えはすごく大事です。表に話を出すと、必ず否定的なことを言われます。ただ、ざっくり言うとその人たちはこれから作って売る商品を買わない人たちです。

もし可能なら、作っている過程を発信したいです。将来買う可能性の高い人に有益な情報を発信できます。これは、ファンを多く獲得するためというより、買う予定の人により多くの価値を届けるためのサービスです。

メイキング映像と同じ考え方です。プロセスを売る、という考え方も最近はありますが、購入者限定のメイキング映像などが、まさにそれの原型です。実際は昔からあるやり方です。新しくもないし、意味がないものでもありません。買う予定の人に、より満足してもらうためのサービスです。

9.売るために作る

売り先を想定した状態で、まずはちょっとだけ作ってみます。想像したもの、顧客の要望を満たしそうなもの、が実際に作れるかどうかはわかりません。それを確認する意味で作ります。

いきなり大きく作る。

今回は、それはおすすめしていません。むしろ、小さく作って売ってみる、ができることは作り手ならではの強みだと思います。なので、その強みを活かした売り方をした方が良いと思います。

10.売り方、売り場所を選ぶ

サンプルができた段階で、クラウドファンディングを使うというのも1つの手段です。ただ、手数料がかかります。そこは注意が必要です。そして、ネット販売の1つであるということも考慮します。現実の店舗で売るのか、ネットで売るのか、両方で売るのか。そこも考える必要があります。

11.退くな

売る直前で、「やっぱり売れないかも」となってお蔵入りするケースがあります。頭の中にも、現実の世界にも商品らしきものが質量を持って現れると、自分であれこれ悪い方向に考え始めてしまいます。失敗するのが怖くなります。ただ、それなら失敗した方がいいです。失敗しないと改善できません。この内容を読んでいるということは、もう自分でやると決めて、未来に投資をしたということです。

世に出すしかないです。

「note、読んだけどできるかどうかわかんないし、やっぱりやらない」
「今すぐやることでもない」

アイディアを形にするとき、マーケティングを実装するとき、弱った心の谷を抜けないと、絶対に向こう側には行けないです。もしこのタイミングでやらなかったら、他の誰かが先にやります。良いアイディアなのだから、いずれ誰かが思いついて、誰かがやります。なのでやらないという選択は失敗でも成功でもないのですが、誰かに遅れをとってしまう可能性がとても高いという状況です。

いつかやろうと思うことが、すぐできることであれば先延ばしにしても問題ないと思います。しかし形になるまでに1年、2年と時間を必要とする内容であれば、遅れも相当なものになります。始めたところから、1年、2年での計算です。2年後に始めたら、今から4年後になることもある。それでも先延ばしにしても大丈夫であれば、それはもう、やらなくていいことだと思います。

と、いうネガティブな思考が、お蔵入り商品を量産します。

「note、読んだけどできるかどうかわかんないし、やっぱりやらない」
「やるぞ」

「今すぐやることでもない」
「やるぞ」

もう、やる以外の選択肢はないです。やる価値があります。だからやります。今の時代、一番危ないのは、今やらなければならないことでも、先延ばしにしても問題なさそうに見えるということです。誰かの言葉に安心しない。誰かの存在に安心しない。

メイカーが作らなければ、誰も作らない。しかし、あなたがやらないとしても、他の誰かはやるでしょう。そうやって差が開いていきます。あなたが努力をしてもしなくても、ライバルは努力します。ライバルは発明します。ライバルは調査します。ライバルは営業します。それが市場です。

12.あんまり売れなかったなあ、という中途半端


「売れないなあ」

そう思う前に宣伝をします。発売されたという事実を知っているのは、基本的に生産者と関係者だけです。

宣伝しないとどうなるか。全く売れないわけでもなく、めちゃくちゃ売れる訳でもなく、あんまり売れないなあ、という中途半端な状態になります。

作る前に宣伝して、作ったら宣伝して、売り出したら宣伝します。可能な限り、長く、たくさん宣伝。

宣伝に関して今回は省きますが、こちらも参考にしてみてください。無料です。


13.世界も田舎も大差ない

ここの内容、ちょっと長いです。
大体、どんな商品も中身や内容、質がどんなものでも少しは売れます。理由は"新しいもの"に価値があると考える人もいるからです。つまりどんなものでも、新しければ一定数の人にとっては価値があります。

田舎の人は飽きやすい。

これは嘘です。人口が少ないのですから、新しいものが好きな人の数は少ない。そのため一定数の人が買わなくなる速度は大都市より当然、早いです。ただ、それだけの話です。売れ方で地域の特性と因果のあるものはそう多くはありません。

高齢者しかいない街でランドセルを売っても、ギフトとして成り立ってしまうし、男性向けでも女性向けでも、季節違いのものでも、何を売っても、よくよく考えてみると商売上は買う人が見つかってしまいます。そのため、少しだけ売れてしまいます。

南極で氷を売るのだって、氷で建物を建ててレジャーランドとか、北海道の雪まつりみたいな感じにして観覧料をとれば、話の上では氷でお金は稼げる。不思議に思うかもしれませんが、言葉や図の中では、買う人は存在します。

そして現実の世界でも少しだけはいる。大事なのは買う人がいるか? ではなく、買う人が何人くらいいるか? です。そしてさらに”その一人が何回、買うか?”も大事です。

100円のものを小さな田舎で売って、街の人が全員、買ったとします。

しかし2回買わないとしたら?

これで売り切ってしまえば商売上は成り立ちます。しかし、ずっと売れるのを待っていても、売れないなら他の費用がどんどん必要になり、経営を圧迫します。そのため、売り切れる量だけを作り、製造をやめます。

このやり方は結構、身近にあります。

これを世界規模でやっているのが、スマートフォンですね。買い替えを促し、本来買う必要がないとしても、買い替えてもらい、新しい商品を買ってもらう。田舎でも可能な戦略をただ、世界規模でやっているだけです。
戦略という世界だけで見ると、田舎も世界も大差はないです。

商売を成り立たせる、ということを考えて商品を作ると、点が線になります。

もちろん、売り切りが有効だという保証はありません。そもそも、そういう売り方が買う人のためになるかどうかも考える必要があります。細く長く売っていく方が良い商品も沢山あります。

14.人のためか、自分のためか

買う人を想定する必要があるかどうか。

たまにマーケティング上で議論になります。実際、買う人を想定した方が安全です。ただその前に、自分の中に買ってもらいたい人はいるか、と言う部分の方が大事です。これはサービスでも同じ。使ってもらいたいと思う人がいるか、です。

15.商人のいない地方(脱線)

売るのは商人のやること。少し前はそうだった。それが今は、作った人がどう売るかも考える必要が出てきた。それを考えなければ売れないし、買われない。理由は、他の人が考えているから。厳密にいうと、売るのが難しくなったのはものが多いからではなく、いいものが簡単に手に入るからでもない。そういうものを作ろうとして、色々考えた人がたくさんいるから。

ただ、それだけの話。競合が強くなった。当たり前のレベルが高くなった。市場が成長した。

いいものを安く作るのはもちろん、難しい。ただ、いいものを作ろうと考える人は減ったと思う。実際、いいものを探すのに苦労する。たとえネットで検索したとしても。

結果として都会に売る人が集まり、田舎に作る人が集まった。もしくは地方都市に工場が集まり、田舎と都会に売る人が分散。大体はつくる場所と売る場所がずれる。

本当はここに勝機がある。

16.いいものを必要とする人は減ったのか?(脱線)

「これでいいや」という消費者は増えた。理由は前述したように商品の当たり前のレベルが上がったから。消費者の周りには、コスト優先で考えても困らない基準のものが沢山ある。

それなら作る側も変化する必要がある。

ただ、世の中にはたくさんの教科書がある。でも、大抵は古い。普遍的な内容もあるけれど、通じないものもたくさんある。

自分がマーケターとして考えるときはそれぞれを組み合わせる。前述した自社と他社と顧客を見てから考える。先に内部、外部の戦況、布陣を見てから考える。(状況がわからない状況で戦略を考えるマーケターなんかそもそもいない)

「いいものを作りたいけど、買う人は少ない」

そうは思わない。人の気持ちは変わる。人の気持ちが変わるくらいのものなら、変えられる。そこまで行ってはじめて”いいもの”だと思う。そのふわっとした言葉に、需要を当てはめる。そこで作品が商品に変わる。

17.【まとめ】道はたくさんある

自社に合うやり方が他社にも当てはまるとは限らないし、また逆に他社に合うやり方が自社に合うとも限らない。そのため、今ある情報に頼るのではなく、やってみて、そこからフィードバックを得て、変化、対応していく必要がある。そのためには考えることと、調べる必要が出てくる。

小さく行動を繰り返し、そのたびに変化していけるだけの経営体力があるなら、調べることはしなくても良いのかもしれない。ただ、それはリスクがとても高い。

今回は最少のリスクでどうやって商品を作るか、どうやって売るか、を書いた。1に戻って、早速実践しましょう。もしくは他に重要なことがあるならそれを終わらせた後、1に戻って、実践しましょう。今日できないなら、明日実践しましょう。今週が厳しそうなら、眠る前に楽天かAmazonのページを開きましょう。このnoteを読んだだけでは、ためになってはいないです。

実装されない限り、このnoteのために支払ったお金はマイナスのままです。経費に含まれていたとしても、時間という費用がかかっています。

スケジュール帳を開いて、まずは1の内容をいつ実践するか、考えましょう。

歩幅がどんなに小さくても、1歩は1歩です。

何を、誰に、どこで、どうやって、いくらで提供するか。
最終的にこの5つが揃えば、売買が開始されます。

この5つの部品を、大きく市場を行ったり来たりしながら組み立てていくというのが、今回のnoteの中身でした。


18.そもそも道なんかいらん

以上が、実際に自分がおこなっている内容をもとにしたリサーチ及び商品開発の概要です。最後に、マーケターとして、ひとつ書いておきたいことがあるので書きます。

だいぶ前から、いいものを作っても売れないという風潮が流行っています。

個人的には、ラッキーだなと思っています。理由は、品質で勝負したり努力する人が減った上に、大手が程々のものを量産して、市場を作ってくれるからです。まず、競争相手が勝手に弱気になる。顧客分析、市場分析、内部組織の統制、外部環境の脅威への対策など、やることは沢山あります。勝手に諦めてそういった部分まで手を抜く人が増えれば増えるほど、本当にいいものが評価されるようになります。

大手は、最終的な利益の総量を考えた時に、ほどほどにいいものを、たくさんの人に売ろうとします。なので、勝てるとわかっても、自社の固定費を考えると、最後にマイナスになるため、なかなか局地での勝負に出ることが難しいです。なので、結果、ほどほどのものを作るしかないという状況になりがちです。

競合との関係、顧客との関係。それらをてきとうに考えることが、いい結果を産むわけがありません。しかし周りが諦めたから、うちも、というふうに考えたら、自滅してしまいます。

このnoteを読んだ方は、そっち側に行かないでほしいです。

作ることは第一歩。


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