松本裕@自動運転&コネクティッドカー

自動車OEMに10年ほど勤務。購買業務から現在は自動運転・自動駐車プロジェクトの収益の…

松本裕@自動運転&コネクティッドカー

自動車OEMに10年ほど勤務。購買業務から現在は自動運転・自動駐車プロジェクトの収益の最大化とブランドとしての存在感の最大化を企画しています。自動運転、コネクティッドを実現させているHW/SWの解説、大企業ならではの苦悩やその克服の仕方等を発信。

マガジン

最近の記事

Maasと環境問題

1トンの荷物を1キロメートル運ぶ際に排出されるCO2の量をみると、自家用車が群を抜いて多いことがわかります。 逆に船舶・鉄道はCO2排出量の少ない輸送手段。 確かに車は少人数を対象にした乗り物割には長距離も移動できる耐久性があるので、必要な資源に対して輸送効率が悪い。 OECDのレポートによれば、ひとりあたりの移動に必要となる面積は自動車では公共交通機関に比べて20倍必要になると言われている(出典:Maasが都市を変える) 輸送効率が悪いので渋滞も発生するし、それによっ

    • Maasと都市デザイン

      Maasの普及におけるインパクトが出るところは自動車の保有率の低下であると思っている。自動車を保有していない人は、Maasの概念で既にいるイメージです。目的地まで公共交通機関を駆使し、ラストワンマイルはシェアカーや、シェアサイクル、タクシー、キックボード使って移動しているかと思います。 車の1日95%は動いていないと言われているので、車がシェアリングされれば必要な台数は少なくなり、駐車場としての土地も縮小することができ、土地の有効活用が進む。 都市部においては特に自動車を保

      • MaasとWell-being

        複数の交通サービスを一つの移動するためサービスとして捉えることがMaasであるが、そもそも人が移動する前提でのサービスである。コロナ禍において、在宅勤務が普及したり、Amazonで頼めば物は届くし、暇な時間もNetflix、ゲームがあったり、メタバース空間で人と会う体験も味わてしまおうとしている中、移動をする意味があるのか、と疑問に持ちました。 「移動することで、人は幸せを感じる」そんな研究結果が発表されており、マイアミ大学のアーロン・ヘラー氏らが「ネイチャー・ニューロサイ

        • 海外から見たフジロック

          海外のnoteようなサイトmedium上では下記のようなフジロックの良さ悪さが記載してあります。 ・良い点  ・トイレが綺麗  ・食べ物は選択肢が多く、美味しい  ・ハイカーファッションでおしゃれ  ・使った場所は掃除して後をたつ  ・バンド側が掛け声を勧めなければ、観客自身で奇声をあげる等がない ・悪い点  ・バッグのセキュリティチェックがない  ・トイレが少ない  ・フードコードエリアにサンシェイドを置くべき  ・イスから見る観客が多く、ステージを移動したい時に邪魔  

        マガジン

        • 自動運転関連
          5本
        • 時事ネタ
          0本
        • 大企業で働くみんなへ
          0本

        記事

          AirTagの未来

          AirTagは、Apple社から発売された紛失防止タグ。紛失防止タグは以前から他の会社でもだいぶ前から販売されており、なぜ今頃そこにAppleは参入してきたのか。 他の会社のものと比べて機能的なAirtagの優位度としては、UWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線システム)による室内での場所探しと、iPhone利用者の多さによる「場所検知の精度の高さ」である。 UWBはもともと軍事用レーダー技術として研究が進められ、2002年に米国で民生利用が開始された。ごく短

          ハンズオフシステム構成

          日系の3大自動車メーカートヨタ、日産、ホンダが量産でのハンズオフシステムが出揃ったのでハードウェアシステム構成を比較したいと思います。細かい点は省略しているので各メーカーのサイトで確認をお願いいたします。 トヨタ:LEXUS LSAdvanced driveという名前であり、高速道路や自動車専用道路の本線上での同一車線のハンズオフ、車線変更はステアリングを保持すると自動で車線変更します。 ハードウェアシステムは通常の運転支援技術システムに対し、LIDARと追加のカメラ、高精

          自動車 x ゲーミフィケーション

          ゲーミフィケーションとは、遊びや競争など、人を楽しませて熱中させるゲームの思考プロセスやメカニズムを、ゲームが本来の目的ではないサービスやシステムに応用し、ユーザーのモチベーションやロイヤリティの向上を図る仕組みを指します。直接的には、ゲーミフィケーションをサービスに取り入れることで、ユーザーがコンテンツに費やす時間を増やし、サービスとユーザーとの関与をより強化することが可能となり、間接的な結果として、自動車そのものやサービスの売上拡大や、顧客の満足度向上につなげることが出来

          自動車 x ゲーミフィケーション

          ソフトウェア主導型モビリティプロバイダー

          フォルクスワーゲンは2021年3月5日に「ACCELERATE戦略(アクセレレート戦略)」を発表した。アクセレレート戦略では、これまで続けていたモビリティプロバイダーへと変革するための取組みを加速すると共に、「世界で最も魅力ある持続可能なモビリティブランドを築く」ビジョンも打ち出しています。 1. Electrification電動化を進めていくことと、そのプラットフォーム化という話なので、あまり特出すべきところはないかと思われます。 2030 年までに、フォルクスワーゲ

          ソフトウェア主導型モビリティプロバイダー

          Toyota YUI project

          トヨタのニュースはある程度見ていた気がしてましていたが、記憶にない案件があったのでメモがわりに、、、 トヨタは、人工知能や自動運転など、人に寄り添う新しいテクノロジーにより「新しい時代の愛車」を具現化したコンセプトカー「LQ」を公表しており、米国で人工知能や自動運転・ロボティクスなどの研究開発を行うToyota Research Instituteと共同開発したAIエージェントや自動運転機能を搭載しています。 自動運転に関しては、お台場の特定区間におけるSAE L4相当の

          デモが起きない国、日本

          Black Lives Matterや香港の民主化等のデモのニュースは聞くが日本では大規模デモが発生している感じはしないし、自分自身も参加したことがない。なぜそのようなマインドセットになっているのか、ふと思い、リサーチしましたので共有します。 過去にも1960年代だが安保闘争等のデモを日本は起こしているので今まで全くなかったわけではない。現在、日本がグローバルに比べ、デモが行ってない状況。日本語サイトでは良い理由が見当たらなかったが英語サイトに共感する文章があったので4点抜

          Sony VISION-S

          VISION-Sはソニーがデザインした電気自動車(EV)だ。実際のクルマづくりを担当したのはオーストリアのマグナ・シュタイヤーという会社だが、グランドコンセプトを構想したのはソニーである。 January 11th 2021での欧州における公道での走行テスト動画であるが、CMのような動画で実際に車がどのように感知をしてどのように制御しているかわかるようなところは垣間見れないので自動運転の制御自体の開発は詰め切れてないのではと考える。 今回VISION-Sに携わっているサプ

          人を集めることの難しさを早くに知るべき

          昔、DJをやっていたこともあるが、良い選曲することはもちろん集客することも重要な仕事である。 私自身プロのDJではないので、来てくれる人は自分と話すことを少なからず心地よいと思ってくれてたり、行けば色んな出会いがあるかも知れないと思ってくれている人である。 そうであるためには、普段の会話で人を楽しませたりして信頼を得ることが重要であるし、色んな出会いがあるかもしれないと思ってくれるためにも、人脈作りをして色々な人が来てくるイベントにしなくてはならない。 こんな聖人クラスのこと

          人を集めることの難しさを早くに知るべき

          最新テクノロジーを用いた自己表現

          2021年に設立15周年を迎えるライゾマティクスの個展を東京都現代美術館で開催している。ライゾマティクスは、設立以来、常に人とテクノロジーの関係を探求し、世界的に活躍するアーティストであるビョーク、スクエアプッシャー、Perfume、ELEVENPLAY、狂言師・野村萬斎や研究者らとのコラボレーションに加え、多様な視覚化や問題提起型のプロジェクトを通して、技術と表現の新しい可能性を追求しています。 先日、展覧会にも行ってきましたが、準天頂衛星システムみちびきを使った作品や画

          最新テクノロジーを用いた自己表現

          車のクローズドコミュニティ

          「中国のテスラ」と言われている、新進気鋭の電気自動車(EV)メーカー「NIO(蔚来汽車)」。 車メーカーでありながら、「高級会員制サービス」という側面を持っているのがNIOの特徴であり、「NIOの会員チケットが600万円(実際のところ車代だがその比喩)、それを買ったら車がお土産として付いてくる」という考え方のようです。 「NIO HOUSE」というラウンジを持っており、「NIO HOUSE」で行われるイベントのお知らせもあり、ここに来れば「NIOを所有している人」、つまり、自

          車のクローズドコミュニティ

          ホンダ レベル3

          ホンダがレベル3自動運転の発売を3/5に開始した。結論からいうと、東京オリンピックに向けた目玉として頑張ったのか、国がレベル3の法規を世界に先駆けてリードしたところであり、ホンダが他社ができない自動運転を開発したというところではない。 SAE定義自動運転レベルは当初、「米運輸省道路交通安全局」(NHTSA)の定義が世界的によく採用されていた。しかし、NHTSAがアメリカの「自動車技術会」(SAE)が示した基準を2016年に採用したことから、現在はこのSAEの6段階の自動運転

          トラックの自動運転とソニー

          日本において高齢化などにより将来的に人手が減る一方、インターネット販売などの普及で需要が増え続けるトラック輸送について、トラックを自動で走らせることで省人化を図り、今後も物流の基盤を支えていこう意向がある。完全自動運転はまだ難しいので、高速道路上でのトラックの隊列走行(後続車は先頭車両についていくだけなのでその制御はまだ簡単であり無人化は可能であるが、先頭車両は事故にならないように判断して車を制御する必要があり、無人化は難しい)によって、まずは省人化を図っていこうというのが日

          トラックの自動運転とソニー