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街クラブの指導者をやるには



僕は北海道札幌市で活動する、
街クラブのサッカー指導者です。


街クラブでサッカー指導者をやるための
「資格」は特に必要ありません。


医者や看護師のように、
国家資格がなければできないなどの
ルールは特にありません。


誰でも〝やろうと思えばできる〟仕事です。

※ただ最近ではJFA公認の最低ライセンスがないと
試合において指導者がベンチ入りできないなどの
ルールが作られてきています。


しかし、どの時代でも働く上で大切な根本は
「資格」よりも「資質」。
まずはここでしょう。


仕事をやる上で、
果たしてその職業が「自分に適しているのか」
きっと誰もが知りたい部分。

しかし、実際には
その職業に就いてみないと
わからないことも多い。



サッカーの指導者に必要な資質は何か。
3つに絞って考えてみました。


【資質】
…生まれつきの性質。生まれつき。天性。(Wikipedia)

一応【資質】という言葉をWikipediaで調べると
「生まれつきのもの」と出ましたが、
今回の内容は後天的に身につけられること
も多く含まれています。


サッカー指導者以外の職業にも
当てはまる内容が多いかもしれません。


興味のある方は最後までお付き合いください。





サッカー指導者に必要な3つの資質

それは

①気力と体力
②バランスを保てる・調整できる力
③選手のモチベーションを上げる力



僕はいつも「あえて3つ」に項目を絞るのですが、
今回も極限に考え抜いた結果、この3つが
サッカー指導者に最低限必要不可欠な資質
だと考えました。


予め言っておきますが「僕個人の考え」です。



一つずつ説明していきます。





①気力と体力



これは絶対に必要です。

どちらかと言うと気力の方が必要です。

例えば、街クラブで指導をする場合、
平日は22時以降の帰宅、
土日になれば練習試合や試合が立て込んで
朝早くから夜遅くまで活動し、23時に帰宅。
そして次の日はまた6時起きで試合。
なんてことがザラにあります。


遠征では選手を乗せて
往復300km以上を運転した後に、
1日休んでまた遠征ということもあります。

グランドでは太陽からの虐待を受けながら
試合を率いた上で、それらの業務もやり抜く。

さらには試合の勝敗によってメンタル的な
浮き沈みが多少出てくることもあったり、
それに対する外野からの様々な声に
耳を傾けないといけないこともあります。


頑張っていても認められないことがあるのは当然。

結果を出したにも関わらず
批判を受けることだってあります。


サッカーの世界で生きるということは、
多くの理不尽が付き纏うことは大前提なのです。


まさにサッカー指導者という職業は、
人並み以上のタフさが常に必要で、
間違いなく気力と体力がない人間には
できないでしょう。



ちなみに僕の気力と体力が湧いてくる源を
知りたい方は以下の記事をお読みください↓


どんな仕事もそうだとは思いますが、
サッカー指導者は特に気力と体力が無ければ
壊れてしまう職業だと感じます。





②バランスを保てる・調整できる力



これは人によって大きくバラつきが
出てくるものだと思います。


バランスを保てる・調整できる力とは、
簡単にいうと
「こだわりすぎない」「偏りすぎない」
ことです。

これはとても重要だと感じます。


僕の経験上、サッカー指導をしている上で
何かに偏ったり、いきすぎてしまうことで
得られるメリットはそんなに多くありません。


例えばトレーニングにおいて
「リフティングの練習を1時間やる」

これは僕の感覚からすると偏っています。


サッカー指導者の仕事の1つは、
「選手にサッカーを上手くさせること」であり
「選手にリフティングを上手くさせること」
ではありません。

もちろん、サッカーを上手くなるためには、
リフティングが必要なのですが。

しかし、サッカーが上手くなるためには
リフティング意外にも
パスの技術が必要だし、ドリブルも必要。

ボールを奪う技術も必要だし、
グループとして行うプレーも必要。
チーム戦術を学び、実践できることも必要。


これらは指導者に
知識がなければできないことですが、
「今」目の前の選手に必要なことを
「未来」を見据えてバランス良く
提供していけるかが一つの鍵になると考えます。


食事に例えると、
同じものや好きなものばかりを食べないで、
色々な種類の食物から栄養を摂る感覚です。



試合のマネジメントでもバランスは必要です。

1つの戦術を遂行する上で、
メリットとデメリットを
常に考えなければなりません。

・丁寧にビルドアップをする代わりに、
自陣ゴール前のミスで即失点の可能性もあり得る
ことを頭に入れて、解決策を準備しておく。

・ロングボールを蹴りまくって
ノーリスクで戦う代償に、選手の判断能力が
磨かれない事実を頭に入れておく。

など。



選手個人へのマネジメントでもそう。

・選手を厳しく叱った後には、
その後の行動をよく見てあげて
改善が見られるようであれば褒める。

・選手のテンションが低そうであれば、
たわいもないコミュニケーションを取って
リラックスさせる。

など。


このように指導者は、
常に物事のバランスを保ち、
調整できることが重要だと感じます。

例えば選手を数日間叱り続けていたら、
選手の自己肯定感は下がり続けて
サッカーを嫌いになるかもしれません。
指導者の暴言や体罰につながる恐れもあります。



人間はどちらか(どこか)に行き過ぎてしまうと
崖から落ちてしまうし、道に迷ってしまいます。

健全で最適にサッカー指導をするためには、
行ったり来たりする中でも頭の中で
「バランスを保ち、調整できること」
が必要不可欠なのです。

「昨日の練習は強度が低かったから
 今日は強度を上げるメニューでいこう」

「前半は守備で体力を奪われたから
 後半はプレスをかけないやり方に変えよう」

「選手に厳しく言い過ぎたから
 別のコーチにフォローしてもらおう」

など、足し算と引き算を常日頃から
繰り返せることが大切です。

特に「引き算」ができる指導者は良い指導者
だと様々な経験から確信しております。


もちろん、バランスを保つためには
「基準」を作る必要があるし
指導者自身が「自分を知る」ことも必要。


何かの哲学にこだわりを持つことを
否定しているわけではありません。

むしろ素晴らしいことです。

ただ、行き過ぎていると感じた時に
〝気づき〟〝調整できるか〟
指導者に必要なバランス感覚だと思います。







③選手のモチベーションを上げる力



これは全てのサッカー指導者に
共通している必要不可欠な力だと感じます。

もしかすると全てのスポーツ指導者に
通ずることかもしれません。

少し「資質」の域を超えた
「能力」の話に踏み込んでしまいます。


選手のモチベーションを上げる力がなければ、
どんなにサッカーの知識があっても、
どんなに最先端の戦術を学んでいても、
それが選手に響くことはありません。


選手の目が輝いていなかったり、
選手の心に火がついていない状態では
サッカーの上達は1ミリも見込まれない
と言ってもいいでしょう。

「モチベーションを上げられるか」は
サッカー指導者に必要な最低条件です。

〝モチベーター〟であることが、
指導者の能力としては特に重要です。

この持論は何年経っても変わらないでしょう。


モチベーションの上げ方は
人によって様々な手法があると思います。

さらに言うと、
中・長期的な視点でモチベーションを上げて
選手に保ち続けさせることも大切ですし、
試合前などの一瞬でモチベーションを
爆発的に引き出す力も必要だと感じます。


ちなみに僕は「言葉」
選手のモチベーションを引き上げます。

しかし、
その「言葉」を選手に聞いてもらうためには
僕自身のサッカーに対する「姿勢」や「熱意」が
なければいけません。

つまり自分は、
姿勢や熱意を示してから選手に言葉を突き刺し、
モチベーションを上げるタイプです。




選手の心に火がつけば、
そこではじめて指導者の知識も選手に響き、
伝わり、よりサッカーが上達していくのです。



以上、僕が考える
サッカー指導者に必要な資質3つでした。




上記の3つは
僕がもし、サッカーチームで指導者を
雇う側の立場になったら
指導者になりたい人が面接に来た際に
この3つができる自信があるのか、
聞いてみたい項目でもあります。

逆に今後指導者になる人には、
自分にそれらの資質があるのかを考え、
参考にしていただければと思います。


もちろんこれら3つの資質は、
「なかったら難しい・向いていない」ではなく
「あるに越したことはない」という
意外と誰にでも持っている可能性のある
シンプルな観点です。


そして、これらを持っている人は往々にして、
「現代サッカーでも生きていける
 可能性や根本の土台がある指導者」

だと僕は思います。




サッカー指導者に必要な3つの資質

①気力と体力
②バランスを保てる・調整できる力
③選手のモチベーションを上げる力




これから指導者を志す方は、
頭の片隅にでも覚えておいていただけると
仕事がしやすくなるかと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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