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同じ立場になって、初めて理解できることは多い

我が家の料理当番になって1週間経つ。ぼくが作る料理→妻の健康→良い母乳→子の健康という連鎖になっているので、いまぼくは家族全員の健康を預かる重要な役割を担っている。

毎日家で過ごす単調な日々だと、毎食のご飯だけが楽しみだったりする。家族には、必要な栄養をできるだけ美味しく食べてもらいたい。そう思うようになった。自分自身が、家族全員の健康を預かる立場になって思い出す人間がいる。ぼくの母だ。

母はぼくが中学生になるまで、ずっと専業主婦だった。「わたしが家族全員の健康を預かってる。だから料理は重要な仕事」と、母はよく話していた。成人して一人暮らしするまでは「あーそうなの、はいはい」って聞き流していたが、実家を離れると母がどれだけ料理にパワーを割いてたかを痛感した。自分で作る料理がどれもこれも、とにかくまずいのだ。

特にまずかったのは味噌汁にシャケを入れ、なぜかみりんを大量に投入したスープ。最悪にまずいのだが、作ったのが自分だから文句も言えない。思春期は母のことを小馬鹿にしてきたが、母がいないとろくに美味いものも食えない事を思い知った。

家族のために料理を作っていると、母が作っていた料理を思い出す。今日は何を作ろうかと思いながら食材を眺めてると、その食材が入っていた料理を連想するのだ。メニューは特別な日のごちそうではなく、日常のなんてことない料理。サラダ・煮物・和え物とか、そういうありふれたモノをよく思い出すのだ。実家に帰省した時に「何食べたい?」と聞かれても、絶対に発想もしない地味な料理たち。自分が包丁を振るう立場になると、そういうモノほど思い出すのだ。

「おばあちゃんに作ってもらった料理の味は、今でも思い出す。味の記憶は、親として子供に授けられる大事なものだから、自分の子供たちにはちゃんと料理を作ってあげたいの」と母親が話していたが、その気持ちが今なら分かる。料理を作る役割を通して、母親の気持ちを追体験するとは、育休前に想像もしなかった。

相手の立場を想像しても、理解できることに限界はある。同じ立場になって、初めて理解できることがたくさんある。育休が終わっても、子供に味の記憶を授けてあげられるように、料理を振るおうと思う。世代を超えて味覚が受け継がれていくのは、なんかロマンを感じるしね。

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プロダクトマネージャ 兼 一児の父