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雁皮紙の皮膚

そんな二人の絵を同時期に並べてみたいと思ったのは、去年の梅田の展示の直後だった。ギャラリーみつけの展示で、自分という穴をひたすら垂直に掘っていこうとするような表現に、初期(1980年代)の栗田の絵の息詰まるような線の集積を思い出したからだ。
11月になって梅田から、雁皮紙に刷られた版画がくしゃくしゃに丸められたものが送られてきた。紙は破れていた。畳の上でそれを指で広げていると、深くなにかを感じてしまうために、その分だけ生きにくい人生を引き受けざるを得なかった、そして、描くことを通して引き受けてきた二人の、皮膚にさわっている気がした。

砂丘館『特別展示 栗田宏 | 梅田恭子』パンフレット 大倉宏 砂丘館館長による

先日、新潟の街を案内してもらった。

仕事で行ってもなかなか街を見て回る機会がなく、足を向ける頻度の割に私は新潟という街に無知でいた。

実は新潟には、ちょっとした史跡や資料館、博物館が一ヶ所にギュッと集まっている場所がある。今回はその一部しか回れなかったが、ふらふらと散歩をしながら、そういった建物の中に入って、庭を眺めながらぼーっとするには最高の場所であるという気づきを得た。

もちろん、しっかり新潟グルメも堪能した。やはりお米が美味しいだけあって、食べ物全体のクオリティが非常に高く感じられた。

新潟、いいとこ。


今回のツアーで、砂丘館という史跡を訪れた際のこと。

栗田宏さんと、梅田恭子さんという2人のアーティストの特別展が開催されていた。

展示そのものも大変良かったのだが、それ以上に砂丘館館長の大倉宏氏による企画展に寄せた文章が素晴らしかったので、冒頭でその一部を引用した。全文はこちらから読むことができる。


「生きにくい」人生を受け入れざるを得なかった人々が、何かモノを生み出すことを通してそれを引き受ける。そしてその生み出されたモノに、また別の「生きにくさ」を持つ人が触れ、そこから生きる力を得る…この世界には、そうした循環がある。

つまりは、我々作り手というものは、ある部分では受け手に支えられているとも考えられる。ただ作品やモノを作るだけではなく、きちんと世に出して鑑賞者の目にそれらが触れられることで、私たちは救われているのではないだろうか。

「雁皮紙の皮膚」は、触れられることで少しずつ皺を伸ばしていくのかもしれない。時にはもっとしわくちゃにされることもあるだろうが…


展示されていた「雁皮紙の皮膚」をぼんやりと眺めつつ、そしてその「皮膚」の持ち主に思いを馳せながら、私はそんなことを考えていた。

私たち作り手は、そうやって何とか生きているのだ。

生きなければならないのだ。


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