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第20回:たった一人を熱狂させる/ビジョンは判断するためのもの

こんにちは、株式会社TO YOUの岩下です。

第1回から第4回で「たった一人を熱狂させる」という弊社コンセプトと渋谷・神泉で営業しているセレクトショップR for Dにどう落とし込んでいったのか、という全体像をお話してきました。

第1回:たった一人を熱狂させる
第2回:たった一人を熱狂させる/R for Dの場合
第3回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(前編)
第4回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(後編)

第5回目では私の自己紹介もしましたので、第6回以降はもう少しディテールに注目してミクロに切り分けたテーマを取り扱っていきたいと思います。
テーマ設定は気まぐれです。

せっかくなので続けたいなと思っていますが、どこまで持つのか。
毎日1つ文章を書くことを続けるというのは結構大変なことなのだと毎日感じます。でもやっぱり反応をいただけると頑張れる気がするので、ぜひスキやフォローなどお願いします。

第20回のテーマは「ビジョンは判断するためのもの」です。

ツイッターでハヤカワ五味さんがこんなことを言っていて、ふと思った話を取り上げます。

◼️今回論点にするツイート

◼️元ツイート

つまりハヤカワさんのツイートはロジックがあっての具体例、というシンプルな構造で、わかりやすいです。

なのですが、私はこれ具体例って必要なんだっけ?と気になって考えてしまいました。なので生理用品の話でもハヤカワさんの主張についてどう思うかの話でもありません。

具体例が補足されたのは、おそらくそのほうが説得力がある(相手に伝わると思った)からですし、私としてもこの流れで相手に説明するという場面は今までにも多くあったように思います。

しかしこれ、ロジックがあるのに具体例がないと納得しないのって合理的かとさらに考えていくと、それは合理的ではないように感じられるのです。

それだと新しいことはできないからです。

この例で言えばamazonがラベルなしのペットボトルを既に販売していなかったら、相手を説得できなくなってしまう。

でもそれっておかしいですよね?前例主義というか。

というところでパターンを分けてみると

◼️ロジックありx具体例あり
◼️ロジックありx具体例なし
◼️ロジックなしx具体例あり
◼️ロジックなしx具体例なし

この4パターンです。
とにかく採用の可能性がないのは最後の

◼️ロジックなしx具体例なし

だけで、残りは全て採用する価値がありうるものです。

◼️ロジックなしx具体例あり

はいわゆる経験則というもので、ロジックを見つける努力は必要だと思いますが、走っている自転車が倒れない原理とかPCのしくみとか知らなくても乗れたり、使えたりする場面は十分あります。それをロジックがわからないから使わない、というのは世界を狭くするだけのように思います。

そうだとするとまず選択肢として

◼️ロジックありx具体例あり
◼️ロジックありx具体例なし
◼️ロジックなしx具体例あり

の3つを持っている人と

◼️ロジックありx具体例あり

しか持っていない人では選択肢の数が全く違います。

まぁまぁとは言っても念には念を入れたほうがいいでしょう。とお考えのかたも多くいると思いますし、ロジックがあるけど具体例がなくて不安な気持ちはわかりますが、その考え方がもたらすデメリットはスピードが遅くなることや情報収集コストが増えることにより機会損失も含めて意思決定コストが増えることです。ノーリスクではありません。

とここまで考えてみて、ここからはどうやったら意思決定コストが省けるのか、と視点を移してみると、ビジョンという言葉に行き着きました。

ビジョンというのは、いろいろな解釈はあると思いますが大まかには「未来に向けて大局的に考えるときに個人として組織としてどうありたいか」を規定するものです。

これがあるとなぜ意思決定コストが省けるのか。

仮に「私は地球環境に興味があり、私にとってはウミガメを守るためにマイクロプラスチックを減らすことが何よりも大切だ」というビジョンを私が持っているとします。

wikipediaによると発生源は以下の通り。

マイクロプラスチックの発生源と疑われているものは複数存在する。工業用研磨材、(角質除去タイプの)洗顔料、化粧品またはサンドブラスト用研削材[8]などに直接使用するために生産されるマイクロプラスチック、または多種多様な消費者製品を生産するための前段階の原料(ペレットまたはナードルと呼ばれる)として間接的に使用するために生産されるマイクロプラスチック("一次マイクロプラスチック")。マイクロビーズとも呼ばれる(en:Microbead)
特に海洋ゴミなどの大きなプラスチック材料が壊れて段々と細かい断片になる結果、環境中に形成されたマイクロプラスチック(いわゆる"二次マイクロプラスチック")。この崩壊をもたらす原因は、波などの機械的な力と太陽光、特に紫外線 (UVB) が引き起こす光化学的プロセスである。
家庭での衣類の洗濯による布からの合成繊維の脱落。下水道に流れ込む洗濯排水中のマイクロプラスチック粒子と環境中のマイクロプラスチックの組成との比較により、1 mm未満の粒径のマイクロプラスチック汚染の大半が脱落した合成繊維から構成される可能性があることが示唆されている[9]。最近数十年間の世界のプラスチック消費量の増加により、マイクロプラスチックは全世界の海洋に広く分布するようになり、その量は着実に増大している[4]。人口密集地から遠い北極海の海氷中でも確認されている[10]。

これが正しいかは今回の論点ではないので検討を割愛して、正しいとして進めると、私は私のビジョンに沿って判断するならば、研磨剤を使わないようにすれば良いし、合成繊維ではなく天然繊維を使えば良い、この説明だけでは断定はできないけれどおそらくペットボトルをやめてマイボトルにした方が良い、という判断が瞬時にできます。

これは個別事例のロジックに基づく判断で、具体例を理由に判断しているのではありません。

一方で繊維の話についてもう少し考えてみるとファッション業界では化学繊維で作られた素材がエコファーとして環境文脈で訴求されていたり(動物から天然のファーを取ることを避けられる)、天然素材のコットンは農業の中でも使われている農薬や殺虫剤がとても多い(ので有害だ)という話もあります。

視点が複雑化すると急に判断が難しくなります。

これをクリアにできるのがビジョンです。

ビジョンがあれば、なにはともあれ行動に移せます。行動に移せば問題が発生することもありますが、それはまた修正すれば良い。途中で修正が難しいならより慎重に判断する必要があります。

もしかしたら判断をするときに

◼️ビジョンを定める
◼️判断する

を2ステップで分けて考えた方がすっきりするかもしれません。

そしてこのビジョン、個人だとそんなものか、という感じですが、組織だと非常にパワフルなコンセプトです。

なぜなら私はあえてビジョンを言語化しなくても、感覚で判断すればほぼ自分のビジョンに沿った行動になる可能性が高いですが、組織の場合には自分以外の複数の関係者がいますのでそうはいきません。

そのときにこそ、ビジョンの出番です。

「私たちは地球環境に興味があり、私たちにとってはウミガメを守るためにマイクロプラスチックを減らすことが何よりも大切だ」

と組織のビジョンを定義すれば私じゃない誰かが判断しても判断が大きく異ならないことは容易に想像ができます。

ビジョンは判断するためのもの。より早く、より正確に、より人を巻き込んで。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

株式会社TO YOUでは、それぞれの「たった一人を熱狂させる」を実現したいビジネスパートナーを募集しています。
ファッション業界でも、そうでなくても、どちらでも大丈夫です。
私たちはより多くの人が熱狂を形にできる社会がいい社会であると考えています。

あなたの熱狂を私たちに教えてください。そして一緒に実行しましょう。
反対の場合もあるかもしれません。
ビジネスのバックグラウンドがあるあなたであれば、そこでどんな熱狂を起こせるのか、私たちにも一緒に考えさせてください。

ご興味をお持ちいただけたら、Twitterのフォロー、DMやメールでのご連絡もお気軽にお願いします。

Twitter: @Iwashitayusuke

Mail: iwashita@deedfashion.com

第1回:たった一人を熱狂させる
第2回:たった一人を熱狂させる/R for Dの場合
第3回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(前編)
第4回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(後編)






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