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我が家の保護ネコたち

note公式さんのコンテスト「#うちの保護いぬ保護ねこ」の文字列が目にはいった。そうだ、我が家の保護ネコたちについての近況をずっとずっと書かないままになっていた。これは書かなくては!

マガジン「猫たちのいる日々」での直近の記事は2月23日のもの。

しかしこの話題の中心は結婚記念日についてだった。ではその前は?

なんと11ヶ月も前だった。保護猫の譲渡会からやってきた2匹アズキとモミジ。彼らがやってきてわずか数ヶ月後の様子を書いたっきりになっている。

なかなか打ち解けない先住猫たちと新入りの子猫たち。ちょっとは落ち着いてくれないものかと願望を込めて書いた11ヶ月前の記事。エドワード・ゴーリー『うろんな客』とオクラの種を引き合いにして、不安半分・期待半分の終わりかたをしていたっけ。

“さあ、我が家の猫たちの関係はどうなるだろう。ゴーリー作品のように救いがないとは思いたくはない。オクラだって、あんなふうに種がとれるなんて思いもよらなかった。きっと予想外に好転してくれるにちがいない・・・と期待しておこう。”

2021年11月7日付け拙note「猫たちのそれからのそれから。」より

この記事で書いたわんぱくざかりの子猫たちに翻弄される先住猫たち。その子猫たちアズキとモミジは1歳を過ぎた成猫に成長し、先住猫のミューとモカも熟年の7歳になった。

子猫たちがやってきてから1年以上。我が家の猫たちそれぞれについて現況を簡単に書いておくことにする。なお、今までは猫の名前を平仮名で書いていたけど、読みにくいので今回から片仮名に変更した。

ミュー(7歳1ヶ月♀)

軒下にいた生後すぐの状態を保護した2匹のうちの1匹。妻にべったり懐いていて、とてもペットらしく懸命におしゃべりしてくれる。猫よりヒトが好き。たぶん自分を人間だと思っている。やけに人間臭いところがあって、嫉妬したり不貞腐れたり。他の3匹との心理的な距離が一番ありそう。

ひろびろとした特製ベッドで。

モカ(7歳1ヶ月♀)

ミューと一緒に保護したもう1匹。なぜかわたしに懐いていて、ほぼ毎晩まとわりついてくれるのが日課。ミューよりも猫の本能を残しているようなところがある。先日、目ヤニがひどかったので動物病院で診てもらったけれど、特に異常なし。ただ、5キログラムを超えていた体重が4.4キロに減少していたのがちょっと心配。

椅子の肘掛けからテレビを観るのがお気に入り。

アズキ(1歳3ヶ月♂)

譲渡会で妻が一目惚れしたシャムミックス。あのブルーの瞳はキトンブルーだったのか?!というぐらい、成長するにつれてブルーが薄くなり、体毛が黒く縞がはっきりしてきた。どうやら温度によるらしく、夏にはまたちょっと白くなり瞳にブルーが戻ってきた。4匹で一番の巨体(6キロ超)に成長しても、声は細くて頼りない。まだまだあどけなさが残る1歳過ぎ。彼はずっとこのまま・・・かな?

玄関のウンベラータの鉢の横で。

モミジ(1歳3ヶ月♂)

アズキの兄弟。1週間遅れで我が家にやってきた。きょうだいのなかで一番成長が遅くて心配されていたけど、元気に育っている。いつも何かを考えているような顔をしている。知能がずば抜けて高いようで、窓の鍵を開けて脱出したり、引き戸は反対から押して開けたり、猫じゃらしをわざわざ持ってきて遊ぼうとさそったり。鏡もしっかり認識できているようだ。なんだかヒトとの知恵比べを楽しんでいるようなところがある。

桶のなかにピンポン球を入れて遊ぶのがお気に入り。

それぞれの現況はこんなところだけど、肝腎の猫たちの関係は相変わらず。いや、もしかしたら悪化したかもしれない。

観察していると、先住猫、とりわけミューが頑なに拒否している。ほかの猫が近づいてきただけで唸り声を上げる始末。今回の見出し画像は今朝の写真だけど、このあと、まるで野良猫の喧嘩みたいにパンチを繰り出していた。

若い2匹の兄弟アズキとモミジは体格はかなり違うけれども、よく一緒に遊んでいる。我が家に来るまでの1ヶ月あまりのあいだ、ほかのきょうだいや親猫とも暮らしていたので、きっと猫同士のコミュニケーションの取りかたを学んだんだろう。

いっぽうで先住猫のミューとモカは軒先で産み落とされていた。臍の緒がついた状態で保護されたため、ほかの猫との触れ合いがなかった。猫同志のじゃれあいでの力加減とか、挨拶のしかた、なにもかもが通常の猫コミュニティのものとは違っていても不思議ではない。

よくモミジがモカにむかってグルルルと喉を鳴らして擦り寄っていく。これは子猫が母猫にする仕草らしい。モミジはモカに母猫の面影を見ているのか、とにかく親愛の情をしめしているのだろう。おそらくそんな猫社会の作法を知らないモカは近寄るなと威嚇。ちょっと怯むモミジ。それでもまたグルルルと近寄るその姿を見ていると、なんとも切なく感じてしまう。

アズキとモミジが1ヶ月を過ごした保護団体では、通常はもっと長く他の猫たちと過ごさせるそうだ。それは言わずもがな猫社会のコミュニケーションを学ぶため。もっとも保護猫のおおくは単独で里子に出されるのだけど、それでも猫としての生活の基本は大切だという。

先方の事情で例外的に生後1ヶ月で譲渡会デビュー。いつも以上に慎重に里親の審査がされたらしい。

我が家は先住猫が2匹いること、その2匹はミルクから育てられたこと、これらが高評価されて里親に決まった。しかしその先住猫が猫社会の常識を知らなかったというのは、もしかしたら盲点だったかもしれない。

いろんな事情で保護される保護猫たち。そしてそこから里親に引き取ってもらえる保護猫たち。そうした縁がなく保護施設で過ごす保護猫たちだっている。

我が家の猫たち、ミューとモカはたまたま軒先にいたところをうちで保護したのが縁だった。じつはほかに3匹のきょうだいがいて、2匹は近所の別のお宅へ、1匹は子供のお友達のところへ引き取られた。

アズキとモミジは譲渡会がきっかけでうちに来たけど、はじめはアズキだけだった。やはり仲間が一緒のほうがよかろうということでモミジも来ることになった。この2匹にはあと4匹のきょうだいがいた。その後それぞれが別の里親に引き取られていったらしい。母猫はまだ残っているのだとか。

母猫は子猫たちがみんな別の里親のもとに巣立っていったことを理解しているのだろうか。察してはいるかもしれない。いなくなってしまったとしか捉えていないかもしれない。わたしたち人間の感覚では測れないものだろうけど、ちょっと複雑な気持ちになる。

ヒトの人生がそれぞれなように保護猫の人生(猫生?)もそれぞれ。愛玩動物ペットとして、その生をまっとうすることになった保護猫たち。とうぜんわたしたち飼い主の責任は大きい。

すでにわたしのなかでは4匹の猫たちはおおきな存在だ。上に書いたそれぞれの魅力的な個性がわたしの記憶に残り続ける。わたしたちよりも寿命の短い猫たちの記憶にも、飼い主のことは残ってくれるだろうか。最期には保護猫としてペットとして楽しかった幸せだったと感じてくれるだろうか。

さて、わたしは明日から久しぶりの海外出張に出かける。わずか10日ほどの予定だけど、帰ってきたら猫たちはどんなふうに出迎えてくれるだろうか。忘れたりはしないでほしいなぁ・・・出張から戻ったら、そのときの猫たちの様子も記事にしよう。

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