FIFAワールドカップ2022でドイツに勝利した日本代表の姿から思い出すいくつかのこと

去る11月23日(水、祝)、カタールで開催されているFIFAワールドカップ2022のドイツ対日本戦で、日本が2対1でドイツに勝利しました。

最新のFIFA世界ランキングで日本の24位に対して11位であり、過去4度ワールドカップで優勝したドイツに勝利したことは、日本のサッカー界にとって大きな出来事であると言えるでしょう。

それとともに、今回のワールドカップ日本代表となった26人の選手のうち20人が外国のリーグに所属し、様々な形で各国の選手と競争することで、技術面でも精神面でも、これまで以上に高い水準で試合に臨んでいることが、歴史的とも称される今回の勝利につながったことが推察されます。

ところで、今回のワールドカップの開催であるカタールといえば、1993年10月28日にドーハのあるアリ・スタジアムで行われたイラクとの一戦が思い出されます。

勝てば翌年に行われるワールドカップ・アメリカ大会に無条件で出場でき、引き分けであっても多くの場合本選に出場できるという有利な状況でイラク戦に臨んだのが、この日の日本代表でした。

2対1と勝ち越したままロスタイムに入り、イラクの選手がヘディングしたボールが決まって同点となって試合が終了し、他国の結果から日本が本選への出場を逸したことは、「ドーハの悲劇」として今も語り継がれます。

私はこの試合をテレビ東京の実況中継で観戦し、解説の前田秀樹さんが「守りに入ったらだめ、最後まで攻め続けないと」と状況を分析しているのを興味深く思い、試合終了後にグラウンドの上で天を仰ぐかのような日本代表選手たちの様子と、沈黙が覆った東京のスタジオの状況とともに、今でもよく覚えています。

この時の「最後まで攻め続けないといけない」という指摘に即せば、今回の日本代表は文字通り最後までもう1点を得ようと、ドイツに対して積極的な姿勢を示し続けました。

これも、今やワールドカップに出ることが当然というところまで成長した日本代表の逞しさを現していると言えるでしょう。

そして、「ドーハの悲劇」の舞台となったカタールで、29年後に本選出場を逃すという借りを返したことで、改めて今回の試合は日本代表の歴史に深く刻まれる一戦となったのでした。

改めて日本代表の健闘を讃えるとともに、試合が終わるまで最後の勝利を目指して奮戦した両国代表選手の敢闘精神に敬意を表する次第です。

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions of the Game between Japan and Germany for the FIFA World Cup 2022 (Yusuke Suzumura)

On 23rd November 2022, Japan won the game held against Germany for the FIFA World Cup 2022. In this occasion I express miscellaneous impressions for the game.

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