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子どもの成長に必要な考え方 あらゆる感覚はコミュニケーションの土台

こんにちは
今回は子どもの成長に必要な考え方 あるゆる感覚はコミュニケーションの土台について書いてみたいと思います。

発達障害の子はもちろんどんなお子さんにも当てはまるとても大事なお話になります。
正直これなしでは子どもの成長は語れないというほど重要なものになりますので是非最後までお読み頂ければと思います。
僕自身リハビリを通してこの考え方の重要性をすごく知りましたし、実際にリハビリで関わった子がどう変わったか実践例も載せてあるので最後まで読んで頂けたら嬉しいです!

では早速本題にはいります。

まず感覚統合というキーワードを聞いたことがあるでしょうか?

僕たちは生きていく中で
外の世界からいろんな感覚を感じ取りながら、
それぞれの情報を頭の中(脳)でまとめて(統合して)
人は行動を起こしてます。

簡単にいうと美味しそうなラーメンの匂いを嗅いで食べようと思いお店に入ったり
蜂を見て危険だから逃げたり
表情の変化を読み取って、これ以上言うのはやめておこうと思ったりしています。

感覚にはどんなものがあるかというと
まずイメージしやすいものとしては
視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚と呼ばれる
五感は読んで字の如くわかりやすいかと思います。

それ以外にも人にとって大事な感覚に
前庭感覚
固有感覚
という感覚も人には備わっています。

これがどんな感覚か分かりやすくお伝えすると
前庭感覚は筋肉の緊張やバランス機能、姿勢の保持などに関係します。
また発達障害児では特に指摘されやすい眼球運動と呼ばれるものにも関係します。
眼球運動については今後どこかのタイミングで記事にするつもりです。

また固有感覚とは
ボディーイメージや感覚や運動の調整などに関与していて
無意識下での自分自身の身体を感じとる感覚だと思って頂きたいです。

この2つに加えてもう一つ大事な感覚が
先に述べた五感のなかの1つ触覚になります。

触覚は外の世界を感じる大事な感覚であり
人との触れ合い、信頼関係、情緒的な安定や身体感覚など発達には欠かせないものになります。赤ちゃんはお母さんと触れることで安心するのは触覚の役割です。(抱っこしながら揺れてるのは前庭感覚の役割もあります)

実は発達の段階(成長)の土台になるのが
この視覚、聴覚、触覚、前庭感覚、固有感覚になります。
この土台の形成がしっかりしていると今後の発達が整いやすくなります。
発達障害の方は感覚が過敏過ぎたり感じにくかったりばらつきがあり
土台が通っておらずこの後にお話しする発達段階が整わず不安定になっているケースがほとんどになります。

この土台の形成は赤ちゃんのころから知らぬ間に育まれていきます。
語りかけやお母さんやお父さんとのふれあい、何気ない遊び、お散歩などなど様々な刺激が感覚を刺激して脳に入力され物事を把握していくのです。
情緒の安定にもつながり発達を促進していくことになります。

発達障害の子は感覚過敏や感覚鈍磨の関係でうまく外からの感覚を拾えなかったり
処理できずに土台の部分で課題を抱えていることが多くなってしまいます。

この土台がつくられた後に
発達の四段階が積み上がっていきます。
第一段階としての
姿勢、バランスなどの身体の動きの安定が育まれていきます。
自分自身の身体の位置関係(頭の位置や腕の位置、足の位置などが無意識でわかるとぶつかりにくかったり外の世界に意識を向けやすくなります)
姿勢が保てる筋力がつくことで頭の位置も安定し目の動きがスムーズになり
外の空間を適切に把握できるようになります。

第二段階としての
自分の身体のイメージ、慣れない運動を行えるようになりより正確なボディーイメージで自分自身の身体の感覚が整うことで適切に運動を行えるようになります。

第三段階としての形や音を区別できることでコミュニケーション能力がつくことや目と手の繋がりができて細かな動作や操作もできるようになります。

そしな最終段階で
感覚統合の最終産物と呼ばれる人間らしい能力を獲得していく流れになります。
最終産物とは
集中力、自尊心、自己制御、自身、学習能力、抽象思考、論理思考、組織力など
人間として活動する上で必要な能力になります。

リハビリで関わっている親御さんの相談から問題として挙げられやすいのはこの最終産物の部分やコミュニケーションの部分、手先の不器用さなどそもそも幼少期に土台が整っていないために起きているケースが非常に多いです。

特に問題となりやすいのが小学生で
小学校1年生のころはそこまで問題とならないのですが2年生、3年生ころになると周りとのペースについていけないことが目立ち始めます。9歳の壁とも言われたりします。

学校でとくに問題となりやすいのが
黒板の文字をノートに書き写せなかったり
字が上手く書けなかったり
音読がスムーズにできないなどの困難さが相談されることが多いです。
そのほかに社会性の問題としてお友達との付き合い方に困難を感じたり
力のコントロールの問題で本人は叩いたつもりではなく軽くお友達に気がついてほしくて触れたつもりでも
お友達は叩かれたと認識してしまうケースも目立ちます。

これを読まれている方も自分たちの学校生活を振り返ってみると
一人や二人そういった同級生がいたのを思い出すのではないでしょうか?

上にあげた例ですと
黒板の文字をノートに書き写すには
まず椅子に安定して座ることが重要です。(座ることは誰でも出来ていそうですが、体幹が安定していないと猫背だったり何度も座りなおしたり、十行中何度も立ち上がったり落ち着きがないケースが多いです)
安定して座れていると黒板を見る目の動きも安定し、そこからノートに目を移動して適切な枠内に書くことができます。
手先が不器用(イメージ通りに身体を動かせないと)だと文字を上手く書けない場合もあります。
音読も同じです。
目の動きがコントロールできていないと
行から行に移るときに飛ばしてしまったり
どこを読んでいたかわからなくなってしまうのです。

それらの背景には
固有感覚や前庭感覚、触覚、視覚などの感覚の土台が整っていない場合がほとんどなのです。

社会性の問題にしても
コミュニケーションという高度な技術の土台には
感覚の問題が必ずと言っていいほど隠れています。

目のあいにくさも眼球運動が関係していたり
力のコントロールは前庭感覚や固有感覚の問題があります。
また本人が痛みを感じにくければ相手はいたがっているのが理解できない場合もあり強く叩いてしまうこともあるでしょう。

一概に感覚の問題だけではなく
障害特性のほかの問題もありますが少なからずこうしたことが背景にあることは少しわかっていただけたかと思います。

この感覚を養って行くにはこどもたちは遊びの中から経験して養っていきます。僕が普段業務しているリハビルでも子どもたちのすきな遊びから関わっていくことが多いです。
この辺りはまか別の記事やTwitterなどで紹介していければと思います。

今回最後に一例ですが僕が2年ほど関わってきた小学校2年生から3年生の頃から不登校になってしまった子の話をしたいと思います。
僕が関わりを始めたのは小学校5年生の頃でした。

介入初期は暴言が多く「死ね」「早く帰れ」など暴言が目立ちました。
介入時はご家族も不在で一人でいましたが、顔を見せることなくいつも布団にくるまっていました。
はじめすきな遊びの話をすこしずつ行いながら、自分の自己紹介などをおこなったり普段マッサージなども行っていることを伝えていきました。

何度か訪問した後にゲームばっかりやってるから肩のマッサージしていいかきくといいよと言ってくれたのですが肩はとてもくすぐったく直接触るのは難しかったです。他の部位も許可をもらうと足の裏はほとんど感覚を感じない(大人で普段からマッサージしてる僕が本気で押して何となくわかる気持ちいいかもくらい感覚がわからなかったのです)、ふくらはぎや背中は少し触れられるだけでくすぐったいからマッサージができないほど感覚過敏でした。
触覚や圧覚、痛覚などのばらつきが見られ感覚の土台が整っていませんでした。

そこで足のうらは本人が感じるつよさ(かなり強め)過敏な部分はお布団のうえからなどくすぐったくな最低限のつよさで圧をかけ続けました。
それを半年ほどつづけていると言葉遣いが変わり
ちょっとずつ顔をだしてくれるようになりました。

その後もマッサージを続けながら手押し相撲なども行って前庭感覚や固有感覚をつかった遊びもたくさん行うと情緒はかなり安定しコミニケーション能力も少しずつ上がっていきました。

2年経ったころにずいぶん変わったことを本人に伝えると
なんでかわからないけどマッサージをしてくれたことがうれしかったのだけは覚えていると言ってくれたことがあります。

日中お友達とも何年もふれあわず、家族と関わる時間が少なかった子が
週1回のマッサージから少しずつ人と関わることで変化していくことができたと思っています。
中学校に入ったタイミングで週1回だけ学校に通う(毎週ではないですが)ことになりました。

土台が完全に作られたわけではないと思いますが僕はこのケースで
マッサージなど触覚を満たすことの重要性をしることができました。

感覚は目に見えない分とてもわかりにくかったり本当の子どもの成長に関係あるか疑わしいと思われる方もいるかもしれないですが
是非一つの視点として頭の片隅においてもらえたらと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
感覚をイメージするのは最初は大変なことですが少しでもお子さんのことを理解したいと思っている皆さんになるべくわかりやすく今後も伝えていきたいと考えています。

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