見出し画像

【2024年7月~9月】クリアしたゲーム感想

今回も!この3か月でクリアしたゲームの感想を簡単に書いていきます。
全部で13作。2時間くらいで終わるインディーから、50時間かかったビジュアルノベルまで!



Inverted Angel

いやこれは凄かった。部屋を訪ねてきた見知らぬ女の子の正体を、会話しながら確かめていくという会話中心のアドベンチャーゲームなんだけど、ゲーム内の選択肢にAIが使われているという特徴がある。
AIはいわゆるChat GPTみたいなものではなく、プレイヤーの打ったテキストの内容を、ゲーム内に既に備わっているテキストと似ているかどうかを判断するもの。私もAIに詳しいわけではないので、このあたりは製作者のSCIKAさんのSNSやSteamストアページを見ていただければ。
そう、つまり一般的なゲームにおける「選択肢」が、このゲームでは「テキストボックス」となっていて、そこにプレイヤーが「ゲーム内で提示された設問に、自由記載で回答する」という形式になっている。
ここが凄かった。基本的にギャルゲーではなくミステリー系なので、プレイヤーは「推理」を行う。その推理が選択肢やアイテムを選ぶという形式ではなく、文章を自由に入力する。それをAIが、もともと実装されている選択にあてはめていく。
情報入力の自由度の高さ。これが没入感の高さと直結しており、「自分の考えをダイレクトにゲームに反映できる」という仕組みが新鮮かつ見事だった。
もちろん、ゲームの物語や演出も素晴らしく、メタ的なものもあり昨今のアドベンチャーゲームの良い点を集めたようなものだった。
やや哲学的で難しい部分もあるが、その困難さも含めてゲームの色となっている良質なインディーゲーム。



Hookah Haze

Va-11 Hall-aやコーヒートークのフォロワーのゲームで、シーシャ屋を舞台としたゲーム。
余命短い主人公が、最後にやりたいこととして開いたシーシャ屋。そしてそこに訪れるお客さん。やり取りを行い、お客さんの悩みを聞いていき、物語が動き…という、アドベンチャーゲーム。
シーシャに詳しくないので実際のシーシャ屋の雰囲気やシーシャの仕組みがわからないけど、暗めのビジュアルとチルなBGMは良い。シーシャの演出も、明らかに前述のゲームを意識したのが丸わかりだけど、かなり質の高い演出となっていた。
特筆すべきはドット絵で描かれたキャラクターの可愛さ。細かい動作も含め、非常に力の入ったビジュアルで、この部分はVa-11 Hall-aフォロワーの中でもトップと言っていいと思う。
一方で、会話の魅力という部分では少し弱く感じた。それぞれのキャラクターに悩みがあるのはわかるが、極めて日本的というか、日本のギャルゲー感がある内容。この部分はちょっと浅く感じてしまった。
キャラのビジュアル特化型のアドベンチャーゲームを、Va-11 Hall-aという仕組みに落とし込んだというのが正しいかもしれない。大手企業が開発し、販売したインディーゲームだが、ちょっと惜しいところが残るゲームだった。



SANABI

以前より評判の良さが気になっていた作品。
ゲームはドット絵2Dのアクション。特徴的なのは、キャラクターがチェーンフックを使用するということ。
チェーンで伸びるフックを壁や天井に射出し、ブランコのように勢いでスピーディーに移動するのがメインのアクション。敵も出現するが、撃つというアクションは無く敵にもチェーンを射出し攻撃。
ゲームが進むにつれて様々なギミックやボスが出てくるが、操作方法などが大きく変わることは無し。
そして何より素晴らしいのが物語。正直、この手の2Dアクションでは体験したことが無いくらい、意外性があり予想できない物語だった。アクションがシンプルな分、同じことをやらされ続けていると感じそうになったこともあるが、そこは物語の魅力が推進力となり進められることが出来た。
会話シーンの演出やズームイン・ズームアウトでイベントを強調させる演出、カメラワークも素晴らしく、そこの技術力も感じられた素晴らしい物語演出だった。
世界的な高評価も納得のアクションゲーム。ゲームのオープニングとエンディングに「SANABI」と表示される瞬間は、まさに心を掴まれた。



SCHiM

人や物の「影」を移動していくアクション+パズルゲーム。鬼ごっこのジャンルで影鬼、影踏み、みたいなのあったけど、ああいう感じ。
シンプルで余計なものが無いビジュアルは癒されるし、音楽も落ち着く良曲ばかり。
操作もシンプルで、本当に影から影に移動するだけなのでとっつきやすく、すぐにゲームに慣れられる……ものの、クリアまでマップが変わるだけでやることはほぼ一緒。結構ボリュームもあるので、どうしても単調さは否めなかったし、後半は惰性でプレイしてた。
一方で最終ステージなんかは物語性もありとても面白かったので、ボリュームを減らしてこういうステージを増やせばよかったんじゃないかな、と思う。



The Star Named EOS ~未明の軌跡へ~

写真、撮影を主軸としたポイントアンドクリックのゲーム。
主人公はいなくなった母について、写真をもとにその真相を探っていくという物語。
『Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜』を開発したチームの新作ということで、アート表現は見事。柔らかくて絵本のようなビジュアルは、ゲームの雰囲気をまとめてくれるとともに、謎解きという固いゲームシステムをキャッチーにしてくれていた。
一方でゲームとしての面白さとしてはまあまあ。上記リンクにもある通り、まさに「中級者向け」といった難易度のため、スムーズに物語を楽しむわけでもなく、徹底的に頭を使うわけでもないので、どっちつかずになっていたかも。
前作のBehind~は、もはや謎解きというよりただのインタラクトでクリアできるくらいの簡単なゲームだったが、だからこそ物語に集中できた。本作もどちらかに振ってもよかったのかな、と思う。



ムーンレスムーン

詳細は別noteにて書いたんだけど、とにかく物語と映像と音楽のクオリティが高くて。テキストアドベンチャーの王道を行くというより、まさにプレイするミュージックビデオ。主人公のヨミチの「自分の居場所」についての物語だけど、その中に実装されている、オープニング曲、挿入歌、エンディング曲が尋常じゃなく素晴らしい。そして物語との相乗効果でゲームそのものの価値を高めている。
超短編、2時間くらいで終わるけど、ゲーム好き、ゲーム音楽好きとして最高の作品だった。



Crime Scene Cleaner

別noteに詳しく書いたけど、いわゆる『Power Wash Simulator』もの。人が殺された現場、殺人現場を掃除するギャングに雇われた掃除人となり、血痕から壊れた家具、そして死体まで全て綺麗に掃除し、殺人の痕跡を消すゲーム。
とにかくこれが、止められない止まらない。なんで掃除ってこんなにも無心で夢中になってしまうのか。現実の部屋は汚いのに。
余りに夢中になるあまり2日間で約15時間プレイし、クリア。



孵道

『奇天烈相談ダイヤル』を開発した法螺貝の新作。
「絶対に後ろを振り返ってはいけない」というルールの元、先に進んでいくというだけのゲーム。
クリアするだけなら30分弱くらいの、短編であり、定価350円なので妥当なあたり。サクッとプレイするホラーとして最適。
ドット絵かつ白黒で描かれたビジュアルはレトロ感というか、ホラー漫画感満載。帰り道には人の頭や体の部位が落ちていて不気味だったり、背後から声がかかったりしていて臨場感がある。この価格なのに、フルボイスかと思うくらいボイスが入っているのが凄い。
ゲーム性はFPS…というか、画面内の色々な場所に的が出現するのでそれをマウスクリックで撃退する仕組みが基本。非常にシンプルで、失敗すると後ろを振り返ってしまいゲームオーバーとなる。
ジャンプスケアもあるが結局ドット絵なのと、頻度が結構多いので慣れてしまったそこまで怖くない。ちょっとびっくりする、くらい。
本当にサクッと終わったけど、まあ値段以上の面白さはあった。物語と言うより雰囲気重視のワンアイディアゲームという感じ。



救国のスネジンカ

「溶鉄のマルフーシャ」の続編。約6時間ほどでトロコン。
基本的なゲーム性である「2Dタワーディフェンス」はそのままに、システムがパワーアップ。またキャラクターも一新され、引き続き少女たちがディストピア世界で厳しい戦いに投入される。
前作をプレイした時はショットガン最強だったのだが(アップデートで超際されたようだけど)、今回は良い感じに性能がばらけていたと思う。キャラクターによってはシナジーにより強力になりすぎる武器もあるようだけど、そこまで大きな問題では無いと思う。というのも、そもそもの難易度がそこまで高くないように感じた。前作をプレイしていたり、ある程度効率的に考えてアイテム取得を行ったり能力強化していくと、クリアまたはクリアに近いところまでいけるのではないかと。
キャラクターのドット絵は見事。他のキャラとの交流も前作同様可愛い。ポンコツ風だけど出来る上司ポジは最高。
ストーリーは相変わらず報われなくてこれもまた良い。トゥルールートはそう来たかと思わせる展開だけど、ある意味ベタかも。もうちょっと攻めた鬱感を想像していたので、ある種予想できたのはちょっと惜しかった。
今後も続いてほしいシリーズ。買って損なし。



フォルスモール

「8番出口」フォロワーのゲーム。ショッピングモールの1エリアに現れる異変を撮影し、もしくは異変が無いことを確認し、扉を開ける。
異変の有無を適切に判断できた場合のみ、ゲーム内の時計の針が進む。適切な判断を繰り返すと時間がどんどん進んでいき、最終的にゲームクリアとなるが、どこかで判断をミスるとまた時計の針はスタートに戻るという仕組み。
「偽夢」作者の新作ということで、あまり8番出口フォロワーのゲームを追っ手いない私も気になってプレイ。結論から言えば非常に質の高い8番出口フォロワーのゲーム、というよりフォロワーの中で最も完成度の高いゲームと言えると思う。
70を超える異変、そしてさりげない異変の発生は、「確かによく注意して見れば見つけられた」というものが大半。1つ1つはそこまで難しいわけではないが、しかし70以上あるということでなかなか重複せず、いわゆる死に覚えが効きにくくなっている。エレベーターやゆるキモマスコットキャラなど怪しい点から、非常口の案内などつい見落としてしまいがちなところまでふんだんに用意された異変は見つけるのも楽しい。8番出口みたいなゲームを探している、という人には真っ先に勧めたい良作。



聖剣伝説Visions of Mana

聖剣伝説シリーズ最新作。
聖剣伝説2は人生のベストゲームと言ってもいいくらい好きなので、やはりシリーズ最新作は発売日に購入してしまう。
終わってみればまさに聖剣伝説としか言えない作品。
マナ、聖剣、神獣。それらの要素が変わらず存在するアクションRPGは、ハードを超えても聖剣伝説という遺伝子がしっかり受け継がれていることを実感。
何より嬉しかったのはその完成度の高さ。
ビジュアル、音楽、戦闘、それらの安定感が抜群。正直、聖剣伝説2リメイクで辛酸を舐めた身としては、多少心配ではあったものの、最近のスクエニ作品の中でも非常に安心してプレイできる作品だと思う。過去作のキャラクターや設定も出てきたのは嬉しかった。
ストーリーはまさに王道。一方で、FF10をプレイした身からするとやや似たストーリーかつ正反対の趣旨があり、やや感情移入が遅れたのも事実。
最終的には納得できるエンディングだったものの、ちょっとこのあたりは議論したい部分ではある。
エンディングも含めて、聖剣伝説シリーズはやはりどこか切なさというか、明るいハッピーエンドに少し影を落とす感じが特徴的でとても良いなと思った。
やはり聖剣にはFFやドラクエ、テイルズ等とは違う色、精神性があると思っているし、本作ではその部分を再確認できた、つまりその精神性が強固であることを体感できたのは良かった。メジャータイトルは似通うこともある中、聖剣が聖剣として、王道ファンタジーの道を真っ直ぐ進んでいることに嬉しさを覚えた。このまま聖剣シリーズはいつまでも続いてほしいと思う。



ドラえもんのどら焼き屋さん物語

ゲーム界隈、ドラえもん界隈で俄かにざわつきが発生していた、カイロソフトのシミュレーションゲーム。
カイロソフトなのでシミュレーションゲームの質というか、定番の仕組みは盤石なもの。そこにドラえもん要素が乗っかり、どら焼き屋を経営していく…というゲーム。
どら焼き屋といいつつ、開発できる・売ることができるのはどら焼きに限らずたいやきから金平糖まで和菓子全般。かなり幅広く、また味の種類も豊富で飽きない。
何よりやることが多い。食材集め、商品開発、商品改良、店舗設営、お客さんの要望、アイテム購入、コンテスト出品など…とにかく、ぼーっと営業を見ているなんて暇が全くないくらいやることが多いので、暇にならず無心でやり続けてしまう魅力があった。
何よりすごい(らしい)のが、これがドラえもんに限らず「藤子・F・不二雄ユニバース」となっているところ。様々な作品から、時空を超えてこのどら焼き屋にキャラクターが集結し、和菓子を買う。(らしい)と書いたのは、私自身キテレツやパーマンくらいしか知らないこと…。あらゆる作品がカバーされているようで、初めて知る作品も多く、その徹底さもSNSで話題となっていた。
前述の通りゲームとしての質は安定感あり間違いなし。子供も遊べる良作。



Fate/stay night REMASTERED

あの「Fate」シリーズの原点。
アニメやFGOも今一つ流行りに乗れないまま生きてきたけど、今回これをプレイしたことで完全に理解した。これからアニメを見る予定。
いわゆるノベルゲームで、テキストを読み、選択肢でルート分岐というシンプルなシステム。
Fateルート、Unlimited Blade Worksルート、Heaven's Feelルートの3ルートがあり、それぞれでいわゆるヒロインが違うものとなっている(おまけでもう1エピソードあるようだけど、執筆時点ではまだできていない)。
Fateルートは王道のボーイミーツガールもの。どんな願いも叶える聖杯を求め、魔術師(マスター)と使い魔(サーヴァント)が戦いあうという正統派な物語で、シンプルに良い物語で泣けた。
が、ここからがこのゲームの本番で。Unlimited Blade Worksルートは同じくマスターである遠坂凛ルートなんだけど、これがただのヒロイン変更ではないのが凄かった。
いわゆるギャルゲーなんかだと、物語はほぼ変わらず、好感度で特定のヒロインとのイベントが発生……なんて仕組みがあるかと思うけど、このゲームはヒロインが変わるというよりも、物語としてもう1段深くなるというのが正しかった。
最初に体験したFateルート、そしてそのルートを知っているからこそ理解できるUnlimited Blade Worksルート。そこには、Fateルートで明かされていなかった驚きの事実。もはやFateルートの印象が変わるような事実とともに、胸を打つ物語が展開されて。
そして最後のHeaven's Feelルート。これは、友人の妹であり自分を慕う間桐桜ルートなんだけど…。それこそ過去2ルートでなんとなく匂わされていた桜のルートはもう、とても重い話であり、この3ルート全てに通ずる、聖杯戦争という物語の真相が明らかになるメインルートであったと思う。
つまり、3つのルートで主人公:衛宮士郎に対するヒロインは変わるものの、一方で物語としてはどんどん先に進んでいる感じ。それぞれの物語で間違いなく、不足なく納得できる終わり方にはなるのを前提に、ルートを進めることで新事実が発覚し、それでも過去のルートとは矛盾なく物語が多面的、多層的になっていく。この面白さは素晴らしかった。
これからFateシリーズをどんどん楽しめる扉が開いたのが嬉しい。やはりここまで大きく展開されたFateの原点、最高だった。



The Plucky Squire ~ジョットと不思議なカラクリ絵本~

SNSでの開発中動画を見て、ずっと気になっていたゲーム。
勇者が悪者を倒すという、よくある絵本の中での物語…のはずが、それが絵本の中の世界であるということに気づいた悪者が、勇者を「絵本の外」に追い出してしまうというストーリー。
ここがゲームプレイにダイレクトに影響していて、「絵本の中では2Dアクション」「絵本の外では3Dアクション」という、2つの視点からなる遊び方ができるのが鳥肌が立つほど面白かった。
また、アクションだけではなく、絵本に書かれたセリフを入れ替えるというワード的な謎解き、絵本を傾けることで絵本の中の物体を動かすなど、独創性あふれる仕掛けも最高。
そして何より言いたいのが終盤の超メタ展開。しびれた。
全体的に暴力的な要素やエログロ系もないので、子供でも安心してできる作品。PS Plusだと無料なのかな? ぜひ遊んでほしい傑作。



(途中)少年期の終り

これはクリアではないけど連載形式のため第1章の感想ということで…。
とにかく、第1章だけでもめちゃくちゃ面白かった。
さすがNEEDY GIRL OVERDOSEと同じインディゲームレーベル、WSS Playground…と唸った。特にSNS的な演出がそう思ったところ。なんというか、リアルなSNS感というか。結構ゲームでもSNS演出は増えてきたけど、あくまでゲーム内の情報提供ツール、またはチュートリアルの代わりだったりしてリアル感が薄いものだと思っていた中、NEEDY GIRLのようなリアルすぎて気持ち悪くなるくらいのゲームが生まれ、そして少年期の終りにも、そこまで強力じゃないにせよなかなかのリアルさを感じた。そういうところに弱い。
で、ゲームはドット絵アドベンチャー、ちょっと謎解きちょっとアクションといった感じ。物語重視で、2時間くらいで終了。
物語の鬱な感じと今後どうなるか全くわからない不安さ、しかし確実に熱い展開と音楽、なんというか90年代の頃のRPGを思い出す盛り上がりだった。
ややホラー感グロ感もあるものの、ドット絵だからだいぶ緩和されている。それよりも物語の鬱展開のほうが心に刺さる。まさに私の好きなゲーム。
今後がとても楽しみ。



終わり

以上!この3か月での作品でした。
最新作ではないけどSANABIやFate/Stay nightのような名作をプレイできたのは教養がプラスされたような感覚で嬉しいですね。一方でムーンレスムーンやInverted Angelのような新進気鋭のインディーも素晴らしかった3か月でした。
10-12月はいよいよ年末商戦の時期…。この3ヶ月というか半年くらいはかなり私生活がバタバタしていたのと、酷暑や体調不良でゲームやれてんのかやれてないのかみたいな期間だったけど、もろもろが落ち着いてきたのでまたエンジンかけてカルチャー摂取していきたい!


今後発売で興味あるゲーム
・10/11 メタファー:リファンタジオ
・10/24 ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン
・10/30 ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー
・11/14 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…
・あとは随時インディーゲーム


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?