イプノスの辺獄_

またたびが降る

松尾友雪
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またたびが降る

 またたびが降る永遠に、
 また、再び波に乗る猫の群、来園、
 早蕨(さわらび)が揺れるおっかない深淵を、
 ひび割れた言葉でサラサラりとメモする。

 瞬きをした子狐に恋をする睡蓮と、
 逆様の街を羽ばたくカタカナの夢を見る、
 意味の無い囁きと、君の居ない囀り、
 そんな子猫に収斂するモノリス。

 遊び疲れた眠りの中に呻吟(さまよ)い、
 あの日焦がれた芽吹きと、幾つもの幕間に、
 柔らかい傘がバラバラに降るのならば、
 
 揶揄(からか)い、紙を引き裂いた雷、髪の毛を生み、
 淡く暴かれた薔薇の妖(あやかし)を猫じゃらしに使おう、
 そんな華は、また、再び花火に降り、散って行く。

〈詩/朗読/作曲/松尾友雪〉
〈表紙/連詩〉
(Twitter https://twitter.com/TENT_renshi_
HP https://tent-renshi.jimdo.com/)

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