笹山 雄成

hair salon&art gallery "honor"…

笹山 雄成

hair salon&art gallery "honor" 代表 美容師 祐天寺にヘアサロンをオープン 写真家 onemantra 写真展を開催 俳優、音楽家、モデルのポートレート写真を撮影 脚本家 漫画"日の丸ニコラウス"脚本担当 LINE漫画インディーズで掲載中

マガジン

  • 楽死屋

    連載小説 漫画脚本を小説化して連載 【毎週金曜日更新】 書籍化、漫画化を目標に連載していきます。 応援よろしくお願い致します。 (あらすじ) 死を司る手を持つ少年グリム グリムは元FBI捜査官クロウと共に"楽死屋"として、 死を望む人々を安楽死させる仕事をする。 抱えきれない死の重みが、少年グリムを苦しませる。 逃げる事の出来ない"死"に向き合うグリムと 過去の過ちに向き合うクロウのヒューマンストーリー

  • one mantra 〜1つの持論〜

最近の記事

第8話 『崩壊』

サラは白いカーネーションの花束を墓にそっと置いた。 サラは過去を思い出す。 連邦捜査局本部オフィス サラ 「先輩。そろそろ休んで下さい。もう3日も寝てないですよね。」 クロウ 「あと少しなんだ。あと少しでアドを捕まえられる」 サラ 「エヴァさんとライアン君はどうするんですか?」 クロウ 「今はそれどころじゃない」 サラ 「でも。家族の事も考えて下さいよ。2人共寂しがってます。大事なモノを見失わないでください」 クロウ 「今はアドを捕まえる方が優先だ。あいつを野

    • 第7話 『すれ違い』

      体内を振動させるくらいの低音のマフラー音を 鳴らしながら、車高の低いハーレーを走らせるサラ。 サラは街の路肩にバイクを停めて、ヘルメットを脱ぎ、綺麗なロング髪をなびかせる。 路面の小さな花屋に入り、店員に軽く会釈をした。 店内を見渡し、派手な髪色とメイクをしたパンクな店員に話しかける。 サラ 「すみません。白のカーネーションの花束を頂けますか?」 店員は不思議そうな顔をして、近づいてくる。 店員 「プレゼントですか?」 サラ 「いや....。はい。まあそんなとこ

      • 第6話 『屁理屈』

        心地よい風が吹き、辺りに人はいない。 穏やかな静けさの中、時々聞こえる風が葉を揺らす音。 覇気のない丸まった背中のグリムを、クロウはいつでも支えられる距離感で歩く。 マリア・カーペンターと書かれた墓の前にグリムが座り、赤いカーネーションの花束を置いた。 クロウは何も言わずにグリムの近くから離れ、別の墓に向かった。 グリムは墓の名前を眺める。 グリム 「久しぶり。母さん」 膝を抱えて座り、語りかけるグリム。 グリム 「母さんに似たのはブロンドで癖っ毛の所くらいか

        • 第5話 『トラウマ』

          グリム 「母さん。どこに向かってるの?」 マリアは何も言わず、険しい顔をしながら運転を続ける。 グリム 「母さん。なんで僕はみんなと違うの?」 マリア 「グリム。あなたは、、、、」 交差点に差し掛かると、横からトラックが二人の乗る車の運転席側に突っ込んできた。 突き飛ばされた車は、原型がわからないくらいまで大破した。 グリム 「か、母さん」 ぐちゃぐちゃの車内で、必死にマリアの方を見るグリム。 マリア 「グリム。よく聞いて」 マリアの腹には車の破片が刺さり、

        第8話 『崩壊』

        マガジン

        • 楽死屋
          8本
        • one mantra 〜1つの持論〜
          1本

        記事

          第4話 『花言葉』

          バックミラー越しに後ろの黒のマスタングを確認するクロウ。 黒のマスタングがスピードを上げて、クロウ達の乗る車を追い越す。 車が横並びになった時、黒のマスタングに乗ったサングラスをかけた男がクロウとグリムを確認した。 クロウ 「グリム。今日この街を離れる」 グリム 「どうしたんだ急に」 クロウ 「ちょうど次の仕事の依頼があってな。続けるんだろ?この仕事」 グリム 「、、、、ああ」 クロウ 「この街を離れる前に寄る所がある」 クロウはゆっくり減速して、進路を変えた

          第4話 『花言葉』

          楽死屋 3話 『死神』

          ペンシルヴェニア通り、連邦捜査局本部。 アメリカ国旗が並ぶ建物から出てくる捜査官の二人。 ネイサン 「先輩。知ってます?最近巷で噂の楽死屋ってやつ」 起きたままのボサボサ頭に、少しズレた眼鏡をかけたネイサンが噂話を始める。 髪をきつくポニーテールに縛り、目鼻立ちがハッキリとしたサラが深くため息をついた。 サラ 「ねえ。わざわざ外にコーヒーを買いに行くって言ってる女の気持ちがわからない?」 眼鏡を直し、微笑を返すネイサン サラ 「もういいわ。で、何?」

          楽死屋 3話 『死神』

          楽死屋 2話 『タバコの火』

          アタッシュケースをトランクにしまうクロウ。 車のドアに寄りかかり、クロウはタバコに火をつける。 ボロボロの折りたたみ式の携帯電話が鳴る。 クロウ 「俺だ」 リンコ 「終わったかしら?」 クロウ 「もうじき終わる。終わったら金は届ける」 リンコ 「もう一件依頼よ。金はそれが片付いてからでいいわ」 クロウ 「俺は構わないが、仕事はあいつ次第だ」 リンコ 「ふっ。あのガキはやるよ。なんせ強力な呪いがかかってるからね」 クロウ 「あいつの力が呪いだっての

          楽死屋 2話 『タバコの火』

          第1話 楽死屋グリム

          錆びた鉄格子の隙間から、窓の外の景色を眺める少年グリム。 グリムは綺麗な金髪と朧げな青い目でいつもどこか遠くを見つめている。 古びた木のドアが開き、牢屋の様に何もない部屋にスキンヘッドの中年の大男が入ってくる。 鉄格子にかかる白いカーテンだけが、この牢屋の様な重苦しい部屋の雰囲気を和ませていた。 彼の名はクロウ。 彼もまた朧げな目で、グリムを見つめる。 クロウ 「グリム。仕事だ」 安堵感のある低い声で、グリムに声をかける。 グリム 「ああ。わか

          第1話 楽死屋グリム

          写真展開催しました。

          one mantra 写真展 2019.10.17~10.19の三日間で写真展を開催しました。 3日で500名ほどの方に来場していただけました。 一つの持論というテーマで、私自身の持論を表現しています。 自分自身をもっと理解する為、理解してもらう為 詩を書き、言葉にしています。 生きていく中で、良いことや悪いことがある。 どの出来事も人生であり、悲しいがあるから嬉しいがあり、 苦しいがあるから楽しいがある。 どれも自分にとって大切のこと。 感情を大切に

          写真展開催しました。

          one mantra 〜1つの持論〜

          この世は一人一人の持論で出来ている 持論一つ一つが様々な持論と混ざり合い、複雑な世界を作っている しかし、世間は常識という曖昧な言葉を使い、複雑な世界を隠している この常識とは、誰かの持論の押し付けなんだ。 その誰かが、なんなのかわからないまま人はその持論を常識と呼ぶ。 人は誰かと一緒が安心するんだ。 一緒の人間なんて、この世に1人も存在しないのに。 自分の答えを忘れ、常識という名の曖昧なものに縋り、嘆き、苦しみ、言葉の呪縛に縛られる。 本当の意味を、物事の本質を知ることなく

          one mantra 〜1つの持論〜