見出し画像

【実況する美術鑑賞#35】尾形光琳「紅白梅図屏風」 【毎日60分で1記事】

名画を鑑賞して実況しながら、毎日1時間でnote1記事作っています。

<ルール4.0>
・なんとなく知っているけど、よく知らない作家作品を一つ選ぶ。
・作品を3分鑑賞しながら実況し、文字起こしする。
・15分を目安に作品について調べる。
・必要あれば再度作品をよく見る時間をとる。
・5分で調査の結果なども含めて再度鑑賞実況し、文字起こしする。
・30分を目標に文字起こし内容を編集する。
・上記の作業を1時間で完成させNOTEの記事にする。
・ほぼ毎日続ける。
・名称を【実況する美術鑑賞】作家名「作品名」【毎日60分で1記事】とする。
(2021.9.23改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

画像1

・3分の鑑賞で気づいたこと


また屏風絵ですね。これもすごく有名なものだと思います。

真ん中に川が流れていて、両方に梅かな、紅白の梅なんですね・・だから「紅白梅図屏風」って言うんですかね。左側が白い梅で、右側が赤い・・と言うか紅色の梅で。

真ん中の川の中の波紋と言うか、水模様がすごくグラフィカルで、パターンになっていて、流れていっている様子を表しているというような感じですね・・

画像2

結構艶かしい動きと言うか・・アップにして画面いっぱいにこの模様にすると、日本の文様じゃないような・・そんな感じもしてきますね。中東とかペルシアとか・・勝手なイメージですけども、そんな感じもします。

川全体の形がね、何だろうな奥行きのパース感があまりなくてですね、むし上から水が降ってきてるような・・そんな感じなんですよね。画面の下半分・・木が生えてて川の奥行き出てきそうかなっていうぐらいから、画面の上半分へ行くと、もう川が立ち上がってきてるような・・そんな感じですね。

画像3

まあ、これは平面で見てるので、屏風状態にした時にこの方が具合が良かったんですかね、平面で見てるとその折れ曲がった感覚ってのはわかんないので・・

画像4

後は前も#14で燕子花図とかを見た時に、あれもバックが金箔だったんですけど、あの時の金箔は刷毛で塗ったようなそういうムラのある金箔だったんですけど、この金箔は張ってあるって感じがしますね。四角い金箔をちゃんと貼ってある感じ。

アップにすると・・木はこういう感じで描いてあるんですね・・わりと薄い濃淡のある墨のようなもので描いてあって・・金箔がこの木の部分の塗料を弾いてるような感じで・・へぇ〜こんな風になってるのは知らなかったな〜・・苔とかも生えて、根元なんかはね・・独特の風合いがあるような・・

Ogata_Korin_-_RED_AND_WHITE_PLUM_BLOSSOMS_(National_Treasure)_-_Google_Art_Projectのコピー

結構ね、遠目から見るとゴツゴツしたような木っぽいんですけど・・梅の木ってねその蕾がいっぱい付いてボツボツしているとか、ゴツゴツとしてるイメージなんですけど、割合これはぬるっとしたような・・そういう感じですね。

右側の木は人の足みたいにも見えますね・・

あとねやっぱり木が大胆に・・まあ川の切り取り方も大胆だと思うんですけど、左側の木の枝が一旦根元から画面の外側行って、また戻ってくるみたいなね・・左の端から切れて、その外画面の外へ行った枝が画面の上から落ちてきて、さらに画面中心でまた上行くみたいな・・

画像6

そこら辺がやっぱ面白いですね。で、再び V の字で上行った白い方の梅の枝の先が、また赤い梅の枝の先になって降りてくるみたいな・・そういうV の字が左右に2個あるような、ダイナミックな感じです。


・作品・作家について

形光琳
「紅白梅図屏風」1700~800年


参照

・さらに5分の鑑賞で考えたこと

画像7


作者の尾形光琳さんの集大成的な作品で、いろんな手法がふんだんに使われているという作品だそうです。

木の描き方っていうのは、滲ませていると言うか、「たらしこみ」という技法で描かれているみたいで、さっきもちょっと気になったんですけど、枝が重なっているところは一旦枝が途切れてるんですよね。

Ogata_Korin_-_RED_AND_WHITE_PLUM_BLOSSOMS_(National_Treasure)_-_Google_Art_Projectのコピー22

後ろに来る枝の方が一回切れてる。だからこれはリアリティとしては変なんですけど、おそらくこれを重ねて描いちゃうと滲ませてる塗料が手前の枝の方にも入り込んでしまって、多分うまく描けなくなっちゃうんでしょうね・・だからこういう形で前後の木が重なるところは、一旦後ろになる枝の部分の面を切ってあるんでしょうね・・

梅の描きかたもこの光琳さんの独特な絵描き方っていうことで資料には書いてあって・・ただちょっとそれ僕はあんまりよくどういうものなのかわかんなかったですけど、でも梅の花がねすごい可愛いなって・・さっきあまり花の方をよく見てなかったので・・これはスタンプっぽい感じがしますね、開いてる花は。ポンポンポンってスタンプが押してあるような形でかわいいなーっていう風に思いました。

画像9

紅白屏風ということで、左の花は白っていうことなんですけど、元は桃色だったみたいで、塗料の関係で経年劣化でこういう白っぽい色になってしまったっていう感じらしいです。

真ん中の川もですね、一旦全部銀に塗りつつ、金で文様を描きつつ、最後に銀を黒く変色させて・・みたいな、そういう工程で描かれているという説明がありました。

Ogata_Korin_-_RED_AND_WHITE_PLUM_BLOSSOMS_(National_Treasure)_-_Google_Art_Projectのコピー23

さっき僕は「川が流れている」みたいな言い方をしたんですが、よくよく見るとこの文様っていうのが、そもそもパターンっぽい感じもしたんですけど、改めて見てみるとある形式ではあるんだけど、連続はしていなくて、燕子花図屏風の燕子花も一見コピー&ペーストっぽいんですけど、実は結構色々違うパターンがあって・・

画像13

さらにこの今回の川の文様ってのは、かなりいろんな大きさとかですね、形式があって、なんかそこが面白いと言うか、流れているってよりはむしろ川が淀んでいるというかですね、水がその場に留まろうとしているように感じられるなって思いました。

画像11

いろんなパターンの渦巻き文様が、わわわってこう並んでいるのが、見ているとハレーションを起こしているような形で・・変な空間というか、四次元空間というか・・むしろこの川の深さみたいな、そういう意味での奥行きはこの文様のパターンと言うか描きかたから感じられるような気もしてきますね。

水も、あ、ここら辺は何となく流れてそうなところだなとか、ここら辺が特に淀んでいると言うか、流れが悪そうな所なんじゃないかなみたいな所があったりとかして、それは結構見てて面白いなーって思いました。

画像13

後この絵にいろんな暗喩みたいなものがたくさん含まれているんじゃないかなんていう説もあって、有名なので行くと真ん中の川が女性で、それを二人の男性が挟んでちょっかいを出しているみたいな・・そういう解釈もあるみたいなんですけれども、そこは僕はそんなにピンとこなかったかなっていう感じで・・もっとこう単純に形として面白いと思って描いていったんじゃないかなーって言うようなそんな気がします。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?