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【実況する美術鑑賞#41】コンスタブル「乾草の車」 【毎日60分で1記事】

名画を鑑賞して実況しながら、毎日1時間でnote1記事作っています。

<ルール4.0>
・なんとなく知っているけど、よく知らない作家作品を一つ選ぶ。
・作品を3分鑑賞しながら実況し、文字起こしする。
・15分を目安に作品について調べる。
・必要あれば再度作品をよく見る時間をとる。
・5分で調査の結果なども含めて再度鑑賞実況し、文字起こしする。
・30分を目標に文字起こし内容を編集する。
・上記の作業を1時間で完成させNOTEの記事にする。
・ほぼ毎日続ける。
・名称を【実況する美術鑑賞】作家名「作品名」【毎日60分で1記事】とする。
(2021.9.23改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと

風景画といったような感じですね。画面右上の空がすごく綺麗な感じで、入道雲のようにも見えるので、夏とか秋とかそんな季節かな。

でも画面左側の雲は怪しい雲行きっていうのも感じられるので、もしかしたらこれから天気が悪くなって行ったりとか、もしくは1枚の絵の中に時間が複数描き込まれているのかなっていうような感じもします。

画面右の遠く方の緑もすごく綺麗で、奥にも人が農作業をしているのか・・ちらほら見えますね。腰を折って何かをしているような感じがするので、作業をしているのかなという感じです。

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対岸の岸辺の草むらの中に長い棒を持った人がいるんですが・・ちょっと分かりにくいですけども暗い色の服を着た人がいて、釣りをしているのかな。船も足元にあって・・

船の下の方にはカモのつがいのような姿もあって、こちら側の川の浅瀬、画面の中央に馬車みたいなものが大きく描いてあります。これがこの絵の主題っていう感じでしょうかね。

二人の人が乗ってですね、2頭の、いや馬3頭ですかね、馬が馬車を引いている感じです。荷物があまり乗ってるようには見えないので、もしかしたら奥で作業をしているあの辺りに物を取りに行くのかなっていう感じかもしれませんし・・もしくは、荷物を降ろした帰りなのかもなあという感じです。

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手前の川べりには犬がその様子を見ていたりとかですね、後は左の奥の方にレンガ作りの家がありますけれども、そのテラスと言うか川と繋がっているところで、女性っぽい人が水を汲んでいるのか、もしくは洗濯物をしているのかそんな感じがしますね。

結構油絵の感触が・・特に画面手前の方なんかは残っているような・・画面左の方なんかはかなり荒い感じで残っているんですが、奥にいくにつれてそれが滑らかな感じになっていて、遠くの方まで澄んだ景色が見えているような絵ですね。

全体の印象としては、多少のどかな感じはあったりもするんですけれども、無骨と言うかですね、仕事人の手みたいな感じの無骨さと言うか、粗さみたいなものも感じるので、単純にほのぼのしたのどかな風景って言うだけではないような感覚もあったりします。


・作品・作家について
ジョン・コンスタブル
「乾草の車」1821年

参照:


・さらに5分の鑑賞で考えたこと

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ジョン・コンスタブルさんが描いた「乾草の車」という風景画なんですけども、当時西洋の絵画の中では、歴史画みたいな神話の世界とか、歴史的な出来事や偉人が描かれている絵がは一番ランクが高くて、大きな画面で描くべきものとされていた中で、コンスタブルさんは自分の故郷のイギリスの風景がとても好きで、夏になるとそこへ帰って絵を描くっていうことを繰り返していたそうです。

風景画って当時はすごくランクが下のジャンルだった中で、すごく大きな画面に描いたっていうのが革新的な作家だとされている人です。そういうことを考えると、多分彼は風景画っていうものを、歴史画とかと同じようなレベルのものだとして、そういう意識で表現しようとしていたんじゃないかなあと。

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だから、僕が最初の鑑賞で「粗い」とか、「のどかなだけじゃない」みたいに感じていた部分って、もしかしたらそういう歴史画的な荘厳さや迫力みたいな・・事の重大さと言うか、出来事の厚みとして・・そういう重い感じと言うか、無骨な感じと言うか、そんな意識で描いた部分があるのではないかなって思ったりしました。

風景としては、軽やかにも描けるようにも思えるんですけども、絵の具の重ね方であったりとか、雲の感じとかも、重厚な感じにあえて描いてるんじゃないかなあなんて思いました。

遠景にいる人たちは乾草を刈る作業をしていて、馬車も見えるそうで、手前の馬車は僕はどこかに向かっているのかなってちょっと思ったんですけど、どうもこれは馬に水を飲ませていたりとかしてるらしいです。

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あとは馬車の車輪の一番外側に、金具がはめてあるみたいなんですけども、それが乾燥しすぎると緩くなるらしいので、水を含ませて膨張させて締めるために、一旦水の中に入っているんじゃないかっていう風に言われてました。

馬車のこちら側を向いてる人はですね、犬とコミュニケーションを取ってるんじゃないかっていう風に言われていて、確かにちょっと目線が合ってて手を振っているという感じですね。

他の絵もちらっと見たんですけれども、あんまり人物は上手じゃないなっていう感じがしましたね。やっぱり風景の中に人がいるってことが大事だったんじゃないかなって思いました。ただ、肖像画みたいなのは上手だったみたいで奥さんの肖像画とかあるんですけど、これぐらい大きいともしかしたら人間が風景みたいに見えて描きやすいのかなって思ったりしました。

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絵の左手に描かれている小屋は、お父さんが人に貸してる小屋らしくて、煙突からは煙が出ていて中に人がいるって事が表されているそうです。作者にとってすごく縁のある小屋なんでしょうね。今日の画面全体が、小さな頃から知っている風景という感じらしいです。

あと、画面の中にちらほら白い点があるらしくて、光みたいな粒があって、確かに釣りをしてるんじゃないかって僕が思ってた人の顔に、実はよく見ると点があって、これは髭なのかなんだろうかとちょっと思ってたんですよね・・もしかしたらこ経年劣化で絵の具が剥離してるのかなとも思ったりもしたんですけども・・

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どうもこれも含めて絵の各所に白い粒が意図的に置いてあって、光のきらめきなのか、注目すべき眼の行所を調整してあるのか、そんな風に言われていて「コンスタブルの雪」と言われているそうです。

この絵自体は夏の風景で、イギリスの変わりやすい空の天候とかも雲で表しているんですけれども、表現的には雪と言われている季節と正反対のものが散りばめられているなんてのがちょっと面白いなって思いました。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!



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