眠れないから、眠りたい

 どうしても、生きながらえたいと思えないときがある。それは曇りの空を見た時かもしれないし、宿題を忘れた時かもしれないし、夏休みの最終日の午前1時かもしれない。
 そういう時に暗い映画を見る。明るい映画かもしれない。例えば「気狂いピエロ」みたいな。そうして僕はダイナマイトで爆発する想像をする。どこかで「爆発オチなんてサイテー」という声が聞こえてきたので、今日も断念。

 そうやって心のバランスを保っているこの幻聴は何なんだろう、友達と別に死んでも構わないのにと言い合って、安全運転で帰ったあの夜は?

 そんな夜は隕石が日本に直撃することを願う。実際に落ちてきたって日本に落ちてくるころにはとても小さい。僕自身に直撃しなければきっと死ねはしない。それは稲妻を喰らうのと同じこと、そんなもの神様でも叶えられない。でも僕には、きっとあなたにも想像力がある。だから「起きたら別人の私になれる」という希望を抱いて、今日も眠ることができる。起きたら僕に変わらないことは分かっているのに、電気を消してサンタさんを待つ。「私のホントのホントの願い、叶えないで」と

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