子どもが先生に求めるもの

私は、大学4年生の頃に教育実習に行きました。
今は中学校教員ですが、教育実習は母校の高校に3週間お世話になりました。このときは、民間企業への就職を辞め、教員一本でいこうと思っていたときです。

教員一本でいこうと思いつつも、やはり私は、「いろいろな経験をしてから教員になりたい。」という気持ちが消えていませんでした。そう考えるうちに、「子どもたちは、先生に何を求めているんだろう。」と思いました。

私は、同じく教育実習に来ていた友人にも協力してもらい、高校生たちに「先生にはどんな力が必要だと思いますか」というアンケートを取りました。授業を担当していた各学級の最後の授業に、自分の考えを伝え、協力してもらいました。

たぶん全部で300枚くらい集まったと思います。そのアンケートは、まだ実家に保管してあります。
意見は様々ありましたが、すべてに目を通して感じたことは、
「子どもたちは、『先生が私たちのことを考えてくれている。』という感覚がほしい。」ということでした。

中学校時代の先生が大好きだった生徒もいれば、先生が嫌いな生徒もいました。学校が楽しくなかった生徒、いじめを経験した生徒の言葉もありました。

「この先生は、私たちのことを考えてくれている。」という感覚。

子どもたちは、教師のことをよく見ています。
だから、気づくのだと思います。
「この先生は自分のことばかり話をするな。」
「この先生はびびっているんだろうな。」
「この先生は私たちのために怒ってくれているんだろうな。」
「この先生はこのことを伝えたいんだな。」

子どもたちは、安心して学校生活を送りたいのだと思います。
そして、少なからず、前向きに生活しています。
「楽しく過ごしたい」「頑張りたい」「負けたくない」
そんな子どもたちを支えるのが大人である教師です。

多感な中学生時代には、価値観ぶつかり合いや理不尽な出来事に出会うことがでてきます。
そんなとき、子どもたちは、どうしても納得がいかなかったり、どう解消していよいかわからないと感じます。
その時の、大人である教師の対応が、大切なのでしょう。
しっかりと向き合い、少しでも支えとなる。

話の面白さやいろいろな経験よりも、
大人として、子どもに誠実に対応しているか。
本当に子どもたちのことを心配しているか。

抽象的ですが、子どもたちが先生に求める一つの姿なのだと思いました。

…久しぶりに、あのアンケートのことを思い出しました。
年末に実家に帰ったら、また見返してみようかな。


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