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思考を止めない 〜ファクトフルネス〜

思い込みとは何から起きるのか。驕りと本能からである。
ビジネスの未来でも読んだが、人は無意識に直線的な変化を考え、危機感を持って行動し、悲観的に世の中を見る。
これは日本人的な考え方に基づくものかと思っていたが違うらしい。

糖質や脂質に対して欲が出てしまうのは人間的本能の「飢え」に対してのアラートである。危機感を抱き、安全に行動するのも人間的な本能からである。

ただ、現代は飢えや死の心配はない。人間の本能的な特性を正しく知ることで歪んだものの見え方を消し、正しく捉える。

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1.分断本能:二項対立で考えない。「貧しいあの人」と、「恵まれた私たち」の二つではなく間がある。高いところからだと低いものの差がわからない。
2.ネガティブ本能:悪い話は拡がりやすい。「悪い」と「良くなっている」は両立する。ゆっくりとした進歩はニュースになりにくい。
3.直線本能:グラフは真っ直ぐに変化する、という思い込みに気づく。
4.恐怖本能:世界は恐ろしい、と思う前に現実を見る。
5.過大視本能:100万、と聞くと大きく感じてしまう。比較して正しく理解する。
6.パターン化本能:無意識に集団に対して一括りに考えてしまう。同じ集団の違い、違う集団の共通点を考える。
7.宿命本能:いろいろなものが変わらないように見える。宿命で決まっているから変われないと思うように。
8.単純化本能:トンカチを持つと全てが釘に見えてしまう。様々な視点を持つ。
9.犯人探し本能:問題には1人の犯人がいてそれを見つければ解決できると思うこと。問題はそんなに単純ではない。
10.焦り本能:今すぐに決めなければいけないことなんてない。深呼吸しよう。

上記が10の本能。これらを認識することが本著で書かれている。
自分の中で整理したのが以下。

思考停止しない

・物事が直線的に変化すると予想する
・「善/悪」などの二項対立で考える
・誰かが悪いから問題が起きている
・ABCがそうだからDもそうなのだと考える

上記のように考えるのは「楽」だからである。しかし本当にそれで真実に近づけるのだろうか。物事はそんなに単純じゃない。このようなバイアスがかかっていることを認識することが重要。

ドラマチック思考にならない

・世の中はどんどん悪くなっている。
・恵まれない人はずっと恵まれない。
→いやそんなことはない。少しずつだけど良くなっている。
・とにかく早く動かないと
→本当にそうなのか。ゆっくり考えて判断しよう。

誰でもスーパーマンになりたい。けど本当に事実を捉えられているのか?
もちろん世の中は悪いままなこともある。けど良くなっていることも多いのだ。

謙虚と好奇心を持つ

・謙虚
→自分が正しいと思わない
→自分の見え方が正解ではない。間違っていることを恐れない。
・好奇心
→より幅広く情報を取り、判断する。
→知識のアップデートを行う。

フレーズ

もし誰かが大鉈を振り回して迫ってきたら背を向けてはいけない。どっしり構え相手を見つめてどうしたんだ、と聞きなさい。

パニックにならず、恐怖に打ち勝ち、焦らずに正しく判断する。恐怖にも本能にも負けてはいけない。

女性は群れになった村人たちのドラマチックな本能を全て理解をし、本能を抑えることを助け、筋の通った主張で村人たちを説得した。あの時は注射器や血液や病気への恐れから、村人たちの恐怖本能が引き出されていた。パターンか本能が私をずるいヨーロッパ人のように見せていた。犯人探し本能方、村人は血を盗みにきた邪悪な医者を懲らしめたがった。焦り本能から村人は深く考えずに判断してしまった。

これがファクトフルネスの重要性を示している。
村に来た病気を治そうと調査に来た西洋人を敵と判断してしまった村人はファクトフルネスを持たぬ人の判断であり、多くの人が陥ってしまう思考だ。

まとめ

物事を正しく見ることで真理に近づける。必要以上に恐れを持たず、自分の知識に驕りを持たず、本能に負けずに思考を続ける。勉強になりました。

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