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慰めを要求してくる犬

犬ごとに、それぞれ性格や癖というのはあるものだけれども…すずが今までの子とは違うな、と思う行動のひとつに"慰めを要求してくる"という点がある。

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例えば、テーブルの下に落ちているおもちゃをくわえて頭をあげたらゴツンとぶつけてしまった時。ソファに跳び乗ろうとして力加減を失敗し、べちょりと落ちてしまった時。じゃれてくる犬と遊んでいる最中に、勢い余って人間の腕がコツンとぶつかってしまった時。走りながら方向転換しようとして、うっかり滑って転けてしまった時。

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さっきまで元気いっぱいではしゃいで飛び跳ねていたのに、一瞬にしてチュン…と小さな犬の身体がしょんぼりの気配でいっぱいになる。そうしていかにも哀れげな雰囲気で、こちらの膝の間にトボトボとやって来て。「撫でくり回しながら、思いつく限りの励ましの言葉をかけて欲しい…」と頭を下げてねだるのだ。

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「びっくりしたねぇ、びっくりしたねぇ、もう大丈夫よ。怖かったねぇ。痛いのすぐなくなるけん、大丈夫よ。ほら、もうどっこも痛くないよ。大丈夫、大丈夫。なんともないよ。」

そうやって言葉をかけ続けながら抱きしめるようにして全身を撫でくり回していると、気持ちが落ち着くらしい。しばらくすると頭を上げて、元気を取り戻す。しかし、気を抜いてはいけない。犬が立ち直る前に止めてしまうと、再び頭を下げて近寄って撫でくりの続きを要求される。

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犬という生き物は、テンションの高い時には多少何かあっても勢いのままに突っ走る…というイメージがあったけれど。この子は怖がりなのか想定外のことに弱いのか。小さな頃から遊びの最中に突然のアクシデントがあると、急激にテンションが下がりフリーズしていた。そんなテンションの落差を見るとすっかり可哀想になり、いつもこうやって励ましていたのだけれど。それで味をしめてしまったのだろうか。

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でも人間だって。びっくりした時、怖かった時。そんな時に誰かに優しく慰められてすごく大事にされていると感じられたら、だんだん心が解けていく…そういうものだ。そんな所は、犬も人も同じなのかもしれない。

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時々は(こんな甘えん坊で、この犬は大丈夫なのか…)とも、思ってしまうけれど。犬飼いの大先輩の叔母も「犬は孫と違って社会に出ないから!遠慮無く甘やかしていいんよ!」と力強く言っていたことだし。

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それで元気を取り戻してくれるなら、かわいいし…まぁいいか…とすっかり犬の肉球の上で転がされている飼い主である。



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ユルリラム
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