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ひとつ先へと、踏み出すとき 〜出張撮影カメラマンのつれづれ〜

写真というのは、ジャンルの幅が広い。カメラを持っているから撮れる、これが撮れるならこれも撮れる、というものでもなく…それぞれに必要な知識も機材も、違ったりする訳で。

自分の仕事でいえば、七五三を撮れるからウェディングも撮れるというものでもなく。お宮参りが撮れるからといって、ニューボーンフォトも撮れまーす!とはならない。

必要な機材や小道具、気を配るポイントや求められるカットがそれぞれ違ってくるので。初めて仕事として依頼を受けてからの、この10年の中で。少しずつ経験を積み重ねながら、撮れるものを増やしてきた。

特にニューボーンフォトのセッティングは、今のような雰囲気が作れるようになるまでは。物撮りもセッティングも小物集めも、まったくの知識0からのスタートだったので苦労した。

新生児ちゃんの扱い方やおくるみの巻き方などの講習はあるけれど、「おしゃれな小物の集め方♪」や「センスが良くなるセッティング方法☆」みたいなことを詳しく教えてもらえる訳ではなかったし。こういったことはスキルの手の内を晒すようなものだと思うと、おいそれと尋ね難い部分だったりもして。

それに予算もあるし、公共交通機関での移動なので持ち運べるサイズや重量の制限もあり、家の収納スペースの限界だってある。あれやこれやの制限を考えながら、使い回せてお洒落でかわいい小道具をある程度の数あつめる…というのが、自分にとってはまず非常にハードルが高かったし。その集めた小道具をどんな風に配置してやれば、写真映えするのか…を把握するまでもつらかった。何度も自分のセンスの無さに泣けた。



でもおかげさまで、4年前に初めて練習した時と比べるとだいぶ小道具も増えて。セッティングも様になるようになってきたと我ながら思う。そのせいか、ここ2年程でニューボーンフォトのご依頼をいただくことがグッと増えたし。最近ではハーフバースデーやファーストバースデーでも、小道具の持ち込みをすることがある。

4〜5年前には、ニューボーンフォトなんて自分にはハードル高い…自信がない、やりたくない…と思っていたことを考えると、大きな変化だ。


でも写真を仕事にしてからずっと、これの繰り返しだという気がする。すべてはこれまでご依頼してくださった、お客様達のおかげで。「わたしにはこのジャンルの撮影経験がないのですが…」という状況で、「あなたの写真を見て、ぜひお願いしたいと思いました」という言葉にどれほど背中を押されてきたことか。自分1人だったら、踏み出そうとも思わなかったことばかりで。

そもそも写真を仕事にしようなんて、考えてもいなかった自分がこの道に踏み出したのも。仕事としてお願いしたい、と声をかけてくれた周りの方々のおかげだ。「好きなことが仕事にできて良かったね、夢を叶えたね」みたいに言われても、いまいちピンと来ないような自分が今もこうして写真を撮り続けているのは。「あなたにお願いしたい」と思ってくださった方々、あってのこと。
 
マッチングサイトの運営さんから「撮影ジャンル、わりと広いですよね」と言っていただいたことがあるけれど。これは"自分の為"だけではないからこそ、だろう。かなりの面倒くさがり屋なので、きっと自分の為にという理由ではやってない。「ぜひ、あなたに」と期待をかけてくださった方々がいたからこそ今があるのだ。

そう思うと、ご依頼をくださる方・くださった方には感謝しかない。いつもいつも本当に、どうもありがとうございます…!!

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