LUMIX S9を買ったら、思い出の残し方が変わった話
こどもの頃から大人になり歳を重ねて今に至るまで、バリバリの活字派だった。「映像よりも活字が好き、映像はタイパが悪過ぎてまどろっこしい…」と、ずっとそんな風に感じていて。ごくたまに映画やドラマは見るとしても、TikTokやYouTube、ニコ動などの動画文化というものにはかなり疎い人生を送っていた。
しかしこの夏にLUMIX S9を買ったことで、そんな動画への苦手意識に少し変化が現れた。
このカメラなら手軽に雰囲気のある動画が撮れて、それが即座にスマホにとばせるということを知って。「じゃあ写真以外に、たまには動画でも撮ってみようか」と思い始め…珍しくYouTubeでフィギュアスケート以外の調べ物をしていて知ったのが、「シネマティックVlog」と呼ばれるジャンルだった。
VlogとはVideoBlogの略で、Blogの動画版。「日々の生活を文字ではなく、映像で残す」、つまりは個人的な日常を動画にしたものを指すらしい。そしてシネマティックは言葉そのままに、「映画のようなスタイルで」を意味する。
となれば。映画のような雰囲気のある色味で手軽に動画を撮影できるLUMIX S9には、これはぴったりの使い方ではなかろうか…と閃いて。日常のあれこれを動画に撮って残す、ということを始めた。
それについては1ヶ月ほど前に「日常をvlogで残す」にも書いたので、記憶に新しいと思う。今日はその続編のような話だ。
よく撮るのは、やはり日々の生活の中で目にするもので。仕事の帰り道に少し寄り道してみた風景とか、犬との記録、お茶やおやつなど。
これまで写真で残していたものが、こうして映像に置き換わってみて思うのは。ものすごく単純なんだけれども「動くっていいな…」ということで。特に犬の動画なんかは、「写真の500倍くらいかわいいのでは?」と思ってしまう。
それから情報を収集するという点においては、「動画って文字よりも情報量が少なくて、まどろっこしい」と感じることが多いのだけれど。それが日常を残すということになると、今度は逆に「写真よりも断然に情報量が多い」と感じられて。これまで動画といえば「情報量が薄い」と思っていたけれど、視点が違えば感じることが全く違うのだなというのは面白い発見だった。
あとは特に良さを実感しているのが、人と過ごした時間の記録だ。
これはこの日の思い出を友達と共有する為に作った3分程度のショート動画を、さらに短く顔出し無しの数十秒にまとめ直したものなのだけれど。
元の動画の方を見返すと、その日にしたことや空気感が写真よりもずっと克明に、生き生きと残されていて。断片的だった記憶が、時系列という芯を持ち映像として流れることによって。共に過ごした時間が、写真よりもずっと鮮明に思い出せる。
「ああ、この日はとても楽しかったな…」という思い出がこのように鮮やかに残せるというのは、とても良いものだ。
このカメラを手にして1ヶ月半、まだまだ撮影も編集も未熟だけれど。プライベートにおいては、写真と動画の撮影比率がすっかり一変してしまった気がする。こういう思い出の残し方を知れたのは、きっと未来の自分にとってすごく良い事なのだと思う。
日常の記録とは、今の自分のためというよりも。それが日常ではなくなった時の未来の自分のためにある、という認識なので。いつの日か、この頃の自分への憧憬と懐かしさをもって、この動画を見る日がくるだろうから。
写真も動画も形は違えど、どちらも未来への贈り物。この夏は、未来の自分へ沢山のギフトを残せたと思っている。