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土石流をもっと詳しく!:土砂災害とは?part2【災害から身を守るvol.5】

※まず冒頭で令和2年7月豪雨に被災して亡くなられた方々に心より御冥福をお祈りするとともに、被災した全ての方々にお見舞い申し上げます。

前回は土砂災害の種類について簡単にお話ししました。
でも相手は自然現象ですので、中間的なものがあったり、3種類が複雑に関係しあったりしています。
今回は土石流について、もう少し深掘りします。

※トップ画像は令和2年7月豪雨による土砂災害画像:国交省資料より

土石流の原因を詳しく

前回はサラッと説明しましたが、土石流の原因である土砂はなんなのでしょう?
まず考えられるのは河川内にもともとある土砂ですが、これが大雨で土石流になることはめったにないみたいです。
やはり普段からある土砂は、普段の川の水の流れで少しずつ流されたりするので、土石流にはなりにくいのでしょう。

ではどんな場合に土石流になるかと言うと、がけ崩れ地すべりが原因で、新たに土砂が発生した場合になります。

河川沿いの崖や斜面が崩れ、その土砂が天然のダムとなって川を堰き止めてしまう場合があります。
しばらくは水が溜まっていくのですが、水かさが堰き止めている土砂の高さを越えて流れ出すと土砂が削られて天然ダムが決壊します。
その時に決壊した土砂と水が一気に流れだす
土石流の原因は、このパターンが多いのです。

河道閉塞_国交省

大雨による大規模崩壊で生じた天然ダム:国土交通省資料より

土石流を起こさないために

大雨だけではなく地震によるがけ崩れや地すべりでも同様に天然ダムがつくられます。
2008年の岩手宮城内陸地震でも多くの天然ダムが何か所も発生しました。

湯浜天然ダム_林野庁

岩手宮城内陸地震による天然ダム:林野庁より

このままでは土石流になってしまう恐れがあるため、ヘリで機材を投入して監視したり、ポンプを使って応急的に水を汲み上げて下流に流すなどの対策が行われます。

中越地震天然ダム_国交省

中越地震による天然ダムの応急対策事例:国交省より

身近なところでは?

大規模な災害の場合は国の機関が素早く対応したりしますが、我々一般市民の気を付ける点はどんなことでしょう?

〇土石流は3度で止まる
土石流はこれまでの経験則などから河川の傾斜が3度以下で止まると言われています。(※水だけは流れ続けるので注意!!)
しかし逆を言えば3度以上の河川ならどこでも土石流が起こる危険があるということです。
つまり平野部の大河川より、小さい川普段は水量の多くない沢ほど危険です(※大河川は堤防決壊による水害が危険)。

ですので、土石流の警戒区域としては、安全面の余裕を持たせ、土地の勾配が2度以上の場所に設定されています。

土石流警戒区域

土石流警戒区域:国土交通省資料より

〇旅行やレジャーの時の注意
例えば自分の家の近くに土石流の危険がないとしても、レジャーなどで出かけた先で気を付けていただきたいです。
渓流へ釣りに行ったり、川原でバーベキューしたり・・・。

山の天気は変わりやすく、局地的な大雨もあります。
自分がいる場所で雨が降っていなくても上流で豪雨になったりすることもあります。

この場合、以下の状況に注意です!

・川の水が急に濁りだした
・川の水が急に少なくなってきた

この時はできるだけ早く、できるだけ高いところに逃げてください!

また山にいる時に大地震が起こった時も同様です。
揺れが落ち着いたら、できるだけ早く川原から避難しましょう。

また雨雲レーダーで上流の天気をコマメにチェックすることをお勧めします。雨雲レーダーで検索すれば出てきます。

最後に国土交通省で公表している土石流動画のリンクを貼り付けます。
動画を見れば、恐ろしさの実感が湧くと思います。

https://www.mlit.go.jp/river/sabo/movie/dosekiryu_kisogawa.wmv

いかがでしたか?
今回は土石流について少し深掘りしました。
土石流は非常に恐ろしいですが、その特徴を知れば、気を付けるポイントが見えてくると思います。
近所に川がなくても、出かけた時に要注意です!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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