絞りだされた大地:秋田県中北東部高山間地域【災害から身をまもるvol.33】
秋田県の中北東部高山地域の縁辺部に気になる地形があるので、見に行ってみたいと思います。
場所は?
再確認しましょう。
秋田県は東北地方北部の日本海側です。
上図の⑨地域です。
北秋田市、鹿角市、仙北市それぞれの一部地域です。
今回は仙北市の北西部で、一部だけ地域範囲にかすってる程度ですが、まぁいいでしょう(笑)
地形を見る
では行ってみましょう。
南東に見えるのが宝仙湖(ほうせんこ)で玉川ダムのダム湖です。
宝仙湖の北西岸沿いを国道341号線が通っていて、10kmほど北上すると玉川温泉があります。
まずはこの画像の中央からやや南西に着目してみましょう。
赤点線の範囲です。
もう少しアップにしてみましょう。
拡大して地形図だけの表示にしました。上の図と見比べてみてください。
もう少し拡大しました。
画像中央部を北北東から南南西に細長く伸びる、なだらかな地形です。
この赤点線で囲った範囲、まるで土砂が流れてきて溜まったかのように見えませんか?
国土地理院地形図をかぶせてみました。
周囲と見比べると、この地域は特別なだらかなのが分かります。
そして河川よりは一段高く、台地のような雰囲気です。ちなみに逆Vの字は「針葉樹林」を意味する記号です。
やはりこの地域は上流から流れてきた土砂が溜まってできた地形だろうと考えられます。体積をざっと計算したら約300万m3でした。学校の25mプールで換算すると6000杯くらいです。ピンときませんが「凄い量」ですよね。
こんな土砂がなぜ流れてきたのか?上流を見てみましょう。
上流には何が?
では「土砂」の上流には何があるのか?
むむ!
崖に囲まれていて、凹凸が小刻み。そしてあちこちに水たまりが見えます。
「普通の地形ではない」というのは、何となく感じていただけると思います。
少し拡大しました。
南西の赤点線が「土砂」です。赤の実践が崖、赤丸が池(沼?)や湿地です。たくさんありますよね。
図示を消しました。上図と見比べてみてください。
あれだけの土砂を流した割には上流に大きな河川はありません。
かなり特徴的な地形だと思いませんか?
おそらく感の良い人は気づいたかと思います。
ここがどうやってできた地形か?
次回、詳しくお話しします。
今回はここまでとなります。お読みいただきありがとうございました。
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