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"おむすび地形"はナゼできた??:岐阜県南東部山間地域【地元再発見の小旅行vol.21】

岐阜県の南東部山間地域の中央部付近には、やや標高の低い丘陵地帯が北東ー南西方向に伸びています。
今回はその丘陵地帯のお話です。
(※トップ画像はいらすとやより)

場所は?

一応、場所の再確認です。

地形区分_番号

スーパー地形(カシミール3D)より抜粋した画像をもとに筆者作成。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。

岐阜県南東部山間地域は図の⑥です。

位置図_丘陵地

瑞浪市の北部辺りを中心にお話ししていきます。


地形を見る

まずは地形を見てみましょう。

画像3
位置図_丘陵地_盆地図示

赤点線を引いた細長い地域、溝状にやや低くなっていますよね。

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やや北に見える深く刻まれた谷は木曽川で、真ん中あたりの谷が土岐川(ときがわ)です。

河川位置

これですね~(^^)
両河川の間の地域が、ちょっと気になるんです。もっと見てみましょう!

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もうちょい拡大!

画像8

これです。三角形のおむすびみたいな地形。
これ、よ~く見ると変だと思いませんか?
画像の上側に山頂(標高500~600m超)があり、背後は木曽川の浸食が進んで急な崖になっています。
斜面は南東に向かって低くなるんですが、随分と不規則でデコボコしています(一部はゴルフ場)。
そしてさらに不思議なのが山頂付近の平坦地形。しかも山に囲まれて凹地になっています。
そして三角の左はズバッと包丁で切ったかのような真っすぐな地形。右も同様に真っすぐです。

分かりやすいように、図示してみますね♬

地形図示

茶色点線が山頂を含む尾根のライン。
赤点線がまっすぐ地形。青点線が平坦な凹地。
赤矢印の方向が斜面が低くなる方向(全体的な傾向)です。
上の図と見比べて見てください。

画像10

国土地理院地形図をかぶせてみました。
私の印象では、地形の複雑さがさらに際立って見えるような気がします。

画像17

上の平坦地を拡大してさらにビックリしたのですが、なんとここだけ川の流れが逆でした!
ワザワザ背後の山を削って木曽川の方に流れています。変です!!

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この方向でズバッと切ってみました。

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縦を2倍にしています。
左が木曽川で急崖。すぐ山頂がありますが平坦な地形が続き、また山。
デコボコしながらも右の谷(土岐川)に向かって低くなっていきます。

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3Dです。すごくないですか?
私が戦国大名なら、上の平坦地に城を築くでしょうね(笑)
水も田んぼもあるので籠城できますし。
山頂に物見やぐらを建てて、背後の木曽川から物資補給路もつくっておけば最強かもしれません(笑)

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あちこちデコボコです。


なんで?

ではナゼ、こんな地形になったのか?
ズバリ!地すべりだと思います。

権現山地すべり

大きく見るとこんなカタチだと思いますが、巨大すぎて自分でも「本当だろうか?」という気持ちもあります。
でもこう考えないと上の凹地の説明ができないんです。
(※ここでは地すべりとして話を進めますが、知人とも相談して他の可能性も探ってみたいと思います。)

上の凹地は地すべり活動で陥没地形になり、一時はになっていた。そしてある時、木曽川方面へ溢れて今のようになったと考えられます。

権現山地すべり02

小さく見ると多数のブロックに分かれているように見えます。というか、これでも十分に大きいですけどね(;^ω^)
高速道路もありますし動いたら大惨事なので、監視はされていると思います。もしジワジワ動いてるとしても対策されていることでしょう。

なぜ地すべりになったか?について地質のお話ししたいのですが、かなり長くなりそうなので、次回に続きます!
岐阜県5回になってしまいますが、たまにはしゃ~ない(笑)

お読みいただき、ありがとうございました。

次回はコチラ👇

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