Q:息を吸う/吐くタイミングが合わないのはどうしたらいい?
「呼吸が浅くてみんなと呼吸があわない」
先日ヨガレッスンを受け始めた友達から相談がありました。
特に最初のころは、
・先生の呼吸のガイドに自分の呼吸が合わない
・ポーズの途中で息が切れてしまう
といったことはよくあるのでは?
私はヨガを10年ほど続けていますが、
思い出してみると私もそうだった気がします。
実のところ、
個々のポーズより呼吸が大事ですから、
最初の相談が呼吸に関してだったのは、
センスがいいなあと思いました。
なぜ呼吸が浅くなってしまうのか?
では呼吸が浅くなるのはなぜか。
よくある原因は、以下の3つ。
1.身体、心が緊張している。
2.ポーズを取るのに一生懸命すぎる。
3.呼吸器まわりの柔軟性が足りない。
1つ目の原因は、身体や心が緊張していること。
身体の緊張はもちろん、
心の緊張は呼吸の浅さにつながります。
普段の生活や仕事で、
心配なこと、やらないといけないこと、
たくさんあって、頭の中がぐるぐるしていると、
大事な呼吸に意識がきちんと向きません。
ヨガの教えに、
イーシュワラ・プラニダーナというのがあります。
詳細は長くなるので別の場にしたいと思いますが、
すべての出来事は神様の意思で起きるということ。
私たちは宇宙から見たら小さな存在だから、
コントロールできないことが多々あるのは当然。
だから必要以上に悩んだり苦しむのではなく、
自分のエゴと凝り固まった考えは一度手放して、
いまを大切に、今できることを誠実に、
そして大いなる流れに身を委ねてみる。
突然神様と言われても???という方へ。
たとえばヨガのクラスの間だけは、不安や心の緊張を手放して、自分はそのヨガをするためだけに存在するという意識でいてみてください。
イーシュワラ・プラニダーナの実践です。
2つ目の原因は、ポーズを取るのに一生懸命すぎること。
人数の多いクラスや、最初からテーマが決まったクラスだと、難易度が個々人に合ってないことはよくあります。
難易度の高いポーズでも、先生や周りの人ができているなら、自分もやりたい、やらないといけない気がしてくる。
でも実のところ、ポーズをきれいにしようとすることより、
呼吸をきちんとすることの方が、ずっと大事です。
ゆっくり息を吐くと、副交感神経が優位になり気持ちが落ち着きリラックスします。筋肉は緩み、体を伸ばしたり、縮めやすくなります。
次に息を吸うと、交感神経が優位になり、気持ちが高まり、活性化されます。筋肉は緊張して硬くなり、力強さを増して、パワーを発揮しやすくなります。
深い呼吸ができるよう、呼吸に意識を向けたほうが、実はポーズも深まり、そのうちに難易度の高いポーズもできるようになるということです。
昔の小学校の運動会のダンスは、みんなの動きが揃っていることが求められました。
ヨガは違います。あなた自身のためにあるのですから、自分のペースでやりましょう。
柔軟性が足りないならブロックなど補助になるものを使う、難易度が高いポーズはやらない、動きが速すぎるならしばらくスキップして適当なところからついていく、など。
ポーズより、呼吸を大切に。
3つ目の原因は、呼吸器まわりの柔軟性が足りないこと。
生まれた時から自然に呼吸ができていると、
呼吸の仕組みを考える機会はあまりないと思います。
呼吸に必要な臓器といえば肺。
肺が収縮し、酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出します。
でも、肺は自身で収縮することはできず、空気が入ってきたからといって自動的に収縮するものでもありません。
その周りの呼吸筋が必要なのです。横隔膜、肋間筋、腹筋、骨盤底筋群など。
長時間のパソコン作業やスマホの見過ぎなど、猫背の方は、胸が縮まって圧迫されてしまいます。呼吸筋が正しく使われず、どんどん呼吸が浅くなり、体の中が酸素不足になり、免疫力低下、自律神経の乱れ、睡眠の浅さにもつながります。
ヨガでは腹式呼吸、胸式呼吸を行い、呼吸筋をほぐすポーズもたくさんあります。続けていくうち、次第に呼吸がしやすくなるのを実感できると思います。
継続は力なり。
効果を感じるころには、
きっとヨガはあなたの生活の一部に。
以上です。
ではまた!
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