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プロジェクトの目的、分かってるようで理解してないPMが多い件

■このような人にオススメ
・初めてのPMで失敗したくない人
・プロジェクトマネジメントの基本的なノウハウやメソッドが欲しい人
・思い切ってリスキリングしたいベテランPMの人

■記事の特徴
iPMが運営する有料プランのオンラインサロンでは、プロコンサルが初心者PM向けに『プロジェクトマネジメント講座』を開催しています。

講座では、プロジェクトの現場ですぐに使えるように、大手ンサルファームならではのノウハウやテクニクを体系的にレクチャしています。

ここでは、このようなことを記事としてお伝えします。
・講義で伝える内容
・講義を通じての質疑応答

*最後に『プロジェクト計画書のサンプル』のプレゼントをがあります😀
※iPMの詳しいサービスは、こちらをご覧ください。

こんにちは、ゆーろー@常駐しないPMOです。

さて、初めに見てもらったのが、以前、記事にしたんですけど『PMアンケート結果』を集約したものです。
*元の記事はこちら↓

ここで注目して欲しいのが、『プロジェクトの目的を正確に理解していますか?』という質問に対して、YESとして回答したのは、
・PM人材が77%(30人/39人)
・教育を考える人25%(1人/4人)
このように、両者で大きな意識の差が出てたんですね。
教育を考える人は『プロジェクトの目的を正確に理解していない』、PM人材は『プロジェクトの目的を正確に理解している』ということです。
iPMでは、PM人材が本当にプロジェクトの目的を正確に理解してマネジメントを実施しているか、それを知るために簡単な調査をしてみました。

ここにプロジェクト計画書に記載されている『プロジェクトの目的』があります。
プロジェクトをマネジメントする上で、十分な目的となっているでしょうか?

■某企業のプロジェクト計画書に記載されている『目的』
株式会社XYZは、来年度の事業計画として、売上の増加を達成するために、幾つかの新規システムをリリースさせる。

その中の一つとして、新規の動画セットアップシステムを開発し、スピーディーなセットアップ業務を実現させることで、売上を増やそうと考えている。

また、新規の動画セットアップ業務が既存の受注処理業務と連動することで、業務コストが期待できる。

YESと答えたPM人材の9割がプロジェクトの目的としては十分だ!と回答してくれました。

実は、答えは『NO』なんです❗️

プロジェクトの目的としては全く不十分なんですね😅
これが、先ほどの事例を正しく書き上げたプロジェクトの『目的』となります↓

一体、何が違うのでしょうか?

答えは記事の方に『間違ったプロジェクトの目的のケース』を読んでもらえると分かります。

それでは、プロジェクトの目的を明確にするには、どうすれば良いかを解説していきます。

1.そもそもプロジェクト計画書に記載するべき『プロジェクトの目的』とは

(1)プロジェクトの目的とは
プロジェクトの目的とは、なにを実現するプロジェクトなのかを明確にすることです。

これをもう少し分解し考えてみると、PMは顧客がプロジェクの結果として『なにを手に入れたいのか、手に入れたことで、なにがHAPPYなのか』ということを明確にしてください。

PMは、これらを知ることでプロジェクトの母体となる顧客の便益とプロジェクト活動が結び付いていることを確認してください。

また、プロジェクトの目的を間違って理解すると顧客の意志に反した不要なシステムが完成してしまいます。

『目的』の理解は、プロジェクトにおいて重要なイベントであることを意識してください。

(2)なぜプロジェクトの目的を明確にするのか
会社(顧客)は、事業の活発化、拡大を目指して投資をして業務の改善や新しいサービスを行います。

その時、事業計画に沿ってプロジェクトを立ち上げ、実行することで『あるべき姿』に近づけるものです。

しかし、到達したい状態がわからなければ計画が立てられず、行動に移すことが出来ません。

そのようなことにならないように、プロジェクトの目的を明確にする必要があります。

2.どうやってプロジェクトの目的を明確にするのか

計画書に書く『プロジェクトの目的』はいくつかの小項目があるんですね。
・プロジェクト立ち上げの経緯
・目的
・プロジェクトの妥当性
・関連組織への影響
それでは、手順を説明していきます。

3.プロジェクトの目的を明確にする手順

手順1:プロジェクトの立ち上げ経緯を調査する

INPUT情報:作業範囲記述書

プロジェクトの立ち上げ経緯は、顧客の経営層の意志が強く働いています。そのため、あなたは顧客の業務環境と課題を正確に理解しなければなりません。

また、主にプロジェクトを立ち上げるケースは以下のようなことが考えられます。

・プロジェクトの誘因となる市場の要求
・ビジネスニーズ
・顧客要求

・技術の進歩
・法的要求
・社会的ニーズ

これらをヒントにして、作業範囲記述書と顧客へのヒアリングからプロジェクトの立ち上げ経緯を明確にしてください。

手順2:プロジェクトの妥当性を調査する

INPUT情報:作業範囲記述書

PMはプロジェクト開始前に投資対効果の測定が行われ、プロジェクトを行うことで十分にメリットが出せると経営判断がされているかを確認しなくてはなりません。

顧客の投資効果の指標は主に以下となります。
・ROI(総資本利益率)
・ROA(総資産利益率)
・ROE(株主資本利益率)
・ORS(売上高利益率)

このような指標から判断がされて立ち上がったプロジェクトは妥当であると考えられます。

また、経営判断されていないプロジェクトは、顧客の意思が無いプロジェクトと認識できます。

このプロジェクトは、途中で中止することも多くあるので注意してください。

手順3:関連組織への影響を調査する

INPUT情報:作業範囲記述書、プロジェクトの立ち上げ経緯、プロジェクトの妥当性

プロジェクトを行う組織だけで完結する場合は、他組織を意識することはありません。しかし、一般的には関連組織を巻き込んでプロジェクトをおこなことが多いものです。

関連組織においては、以下のようなことが想定されます。
・今よりも使い勝手の良いシステムになるかもしれない
・今よりも業務ボリュームが増えるかもしれない
・新たなシステムの導入や既存システムの修正があるかもしれない

あなたは、これらのことを確認して、品質・コスト・スケジュールを考慮しながらプロジェクト計画を検討する必要があります。

そのため、プロジェクトを行うことによる関連組織へのポジティブな影響とネガティブな影響を明確にしてください。

手順4:目的を整理する

INPUT情報:作業範囲記述書、プロジェクトの立ち上げ経緯、プロジェクトの妥当性

あなたは、顧客がプロジェクトを完了することで『なにを手に入れたいのか、手に入れたことで、なにがHAPPYなのか』を整理してください。

ここで間違ったプロジェクトの目的のケースを紹介します。
このようにならないように注意しましょう❗️

ケース1:目的と手段が混合している
『なにを手に入れたいのか、手に入れたことで、なにがHAPPYなのか』が不明確である。

ケース2:目的の根拠が不明確
目標を達成させるための手段や方法が抜けている。

ケース3:具体的でないため達成を判断できない
数値目標を取り入れず、具体的に達成を判断する基準がない


如何だったでしょうか?
プロジェクトの目的って意外にも奥が深いんですよね😀

クライアントは、事業の活発化、拡大を目指して投資をして業務の改善や新しいサービスを行います。

少しでも『あるべき姿』に近づけるには、到達したい状態とその道標が必要です。

そのために、プロジェクトを任されたPMはエンジニア思考も大事ですが、ビジネス思考を使って、クライアントの立場になって理解しなくれはならないんですね。

そのためには、しっかりとクライアント目線になってプロジェクトの目的を捉えていきましょう❗️


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