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イギリスの新型コロナ事情:イングランドのロックダウンが間もなく終了。気になるワクチンの展望は?💉【全文無料】

2020年11月5日にスタートしたイングランドの2度目のロックダウン(「ロックダウン2.0」と呼ばれていました)は、12月2日に終了することが決まりました。延長になるだろうなーと思っていたのでちょっと意外。

その後は元の地域ごとのティアシステム(状況によって3段階のルールに従う)に戻ります。ただし、ロックダウン前のティアシステムは効果が不十分だったということで規制が全体的に厳しくなりました。

新しいティアシステムを説明するために、BBCが三段重ねのケーキを使った動画を作成したのがイギリスらしい(笑)。そう、ティア(段)と言えば、段重ねのケーキよね~みたいな🎂パンデミックになってもどこかのんきというか、緊急時こそ茶目っ気を忘れないのがイギリスなんですよね。「ふざけるな!」と言って怒る人はいません。

ロックダウン後に各エリアがどのティアに属するかというのはみんな気にしていたのですが、つい先ほど正式に発表がありました。わたしが居住する(今は一時帰国中ですが)ロンドンはティア2とのこと。

ティア2の内容は以下の通り。他世帯の人と屋内で会うことと飲みに行くことは制限されているものの、それ以外はまずまず通常の生活が送れそう。

・屋内で交流できるのは同世帯の人およびサポートバブルの人のみ
(※サポートバブルは単身者(子どもがいても良い)が他の世帯1つと作れる小グループで、1つの世帯と見なして共に行動ができます)
・6人以内なら屋外で交流しても良い
・ショップやジム、美容院などは営業できる
・レストランに加え、パブやバーも食事を提供する場合に限り営業できる。食事と一緒にならお酒を出しても良い
・観客が2,000名以下、あるいはキャパシティの50%以下ならスポーツイベントを開催できる
・規制はあるが、集団礼拝や結婚式、屋外スポーツは行える
・海外旅行はできるが、自主隔離の規則を守る必要がある

米ファイザー&独ビオンテックと米モデルナに数日遅れたものの、英アストラゼネカと組んだ英オックスフォード大学も世界ランキング第1位の意地を見せ(?)、11月23日に新型コロナワクチンの臨床試験の結果を発表しました。ワクチンの接種量を調整すると有効性は90%に上がるそう。他社のワクチンよりも安価で保管がしやすいのが魅力です✨

イングランドでは、新型コロナワクチンは早ければ2020年12月から接種が始まる見込み。最初に受けられるのは介護施設の入居者と職員で、続いて医療従事者と80歳以上の人たちが対象となります。最後は50歳以下の人たちということで、このグループに入る人(わたしも😅)は2021年中はおそらく順番が回って来ないと言われています。

「でも、実際に受けられるようになったらみんなワクチンを接種するの?」という点についてですが、こんなニュースがありました。仮に本当に3分の2の人が受ければ、理論上は集団免疫がほぼ達成されます。

調査会社カンターが11日に発表した世論調査によると、英国民の約3分の2がCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)ワクチン接種を受ける意思を示したが、若年層の間では拒否するとの回答割合が年配層よりはるかに高かった。
調査では、ワクチン接種を「明確に」または「おそらく」受けないとの回答が全体で見ると22%だったが、18─24歳に限ると38%に上った。一方、65歳以上ではそうした回答が5%、55─64歳では16%にとどまった。
さらに調査では、学位レベルの教育を受けた回答者の75%が接種を受けると回答。学位を取得していない回答者では、その割合は57%だった。

つまり年齢が上がると、そして大卒であるとワクチン接種を受けるのに積極的ということ。たしかにイギリス人の高齢のお友達は「すぐ受ける!」と言っている人が多いです。サイエンスの国として薬品に対する信頼が高いということなんでしょうか。

ところで、ワクチン接種に関する日本とイギリスの違いとして「イギリスではドラッグストアで打ってもらえる」という点があります。そう、薬剤師が注射をしても良いんですね~💉

イングランドでは以下の人は無料でインフルエンザの予防接種が受けられます(※主なものだけリストアップしました)。
・50歳以上の人(翌年の3月31日までに50歳になる人)
・健康上の問題がある人
・妊婦
・医療従事者

それ以外の人でも打っておきたい場合は、2,000円弱くらいの自費で接種を受けられます。今年はコロナの影響でドラッグストアでも予約して行くことが多いようですが、通常は店舗で「今すぐ打てるけど打ってく?」みたいに声をかけられることも。風邪薬を買うような感覚で気軽に受けられます。

わたしも一度だけロンドンの薬局でインフルエンザの予防接種を受けましたが、ささっと終わりましたし注射も上手でした。なんでもイングランドでは職務上の必要性がある場合、簡単な研修を受けると注射が打てるそう。

ですから、新型コロナワクチンの接種がいざ始まっても、イングランド内では注射を受けられる場所やそのための人員はけっこう多いんじゃないかなと。接種のために貴重な医師&看護師というリソース、そして病院という場所を使わなくて済みますし👨‍⚕️👩‍⚕️💦

…と、有利な面もあるのでワクチンへの期待はふくらみますが、イギリスを含め各国による承認がどうなるかですね。それでも厳しい見通しの中で、ワクチン開発が進んでいるというのは一筋の光明だと感じます。春ごろには少し明るい展望が開けていますように💓

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